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自分を蔑む

私は(この仕事が)できない
私は(この業務について)何も知らない
私は(周りに比べて)仕事ができない
この仕事はマニュアルがないから出来ない

昔の部下であった方の発言です。
その方は私の部下になってから3ヶ月たらずで辞めてしまいました。

元々は派遣社員しかやってこなかった、就職氷河期の方です。安定した仕事に就きたい、マーケティングの仕事に携わってみたい、ということで正社員で応募され、その熱意に採用を決めました。

ただ、仕事を始めて一週間ほど。
常に「この仕事にはマニュアルはないんですか?」という発言がつきまといました。
マニュアルのある仕事、それは定常業務ですけど、そういった仕事はマーケティングの本質ではありません。

市場と向き合う仕事だからこそ、インプットとアウトプットを繰り返していくことが本質であり、そこにマニュアルは存在しません。

マニュアルな仕事でないことをようやく理解したのか、その人は入社1ヶ月くらい経って「私は仕事が出来ない」というレッテルを自分に貼るようになりました。常にそういった発言をし、自分を蔑みました。
現状を認めることは大事ですけど、その発言を繰り返すことで、そのネガティブが顔に出てきました。暗いのです、顔が。

できないレッテルを付けることで、自分を保護したのでしょう。学びがなくなります。

そうなると、この人に任せられる仕事は部分的となり、当初期待していたアウトプットは望めなくなっていました。

加えて、できる仕事も限られていることから、その人にドンドン仕事が回らなくなります。

結果、この人は自分から辞めていくこととなりました。最後には、私に吐き捨てるかのように、あなたの教育が悪いから私はここにいられなかった、と言われました。

本人からすれば、これまでの派遣人生と今回の仕事は違い過ぎたのでしょう。教えてもらってやる仕事と、自分から考えてやる仕事。その違いは大きいですけど、いずれに価値があるでしょうか。

現実を知ることは大事です。ただ、それが分かったのち、キャッチアップするために、学ぶ姿勢は常に必要だと考えます。


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