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自分軸の作り方#13~【不登校】動きたくても動けない⁈ナゾの朝を解明する①~

 朝、子供達が登校の準備をしている。
なのに、玄関についたら動けない。靴を履こうとして固まる。そして無表情で、玄関にカバンやランドセルを投げ出して、部屋へと戻っていく。

そんな現象を見たことがあるだろうか。

 私が仕事をしていた頃、気が重くて、仕事に行きたくないなーということは経験があるけれど、動けなくなるということはなかった。

 この、動けなくなる事象について、どうしてなのかを私はどうしても知りたかった。
 以前紹介した「奇跡の生還を科学する」という本の中に、スカイダイビングのためにヘリで上空へ飛び、さあドアから地上へ降りようとした時に、防衛機能が働き、どんなに安全だと言われても初心者はすんなりと空中に飛び出すことができず、しがみついたドアから指を1本ずつ、インストラクターに剥がしてもらう、という場面があるのだか、それと同じことが登校時にみられる。
そんなにまで学校が怖くて動けないのは、脳内でどんなメカニズムが働いているのか気になって仕方ないので、文献を探した。

そこで出会えたのが、この本だ。


ポリヴェーガル とは、ポリ(複数の、多重の)ヴェーガル(迷走神経)のことである。

ざっくりと説明させていただく。(一度で説明しきれる内容ではないため、何回かに分けて投稿したいと思う)

人間には複数の自律神経がある。
有名なのは、
「交感神経」と「副交感神経」だ。

ストレスがかかると、人は交感神経が優位に働き、「闘争か逃走か」の行動に出る。
心拍が上がり瞳孔が開き呼吸が浅くなり、カッとなりやすくなったり暴力的になるか、逆に逃げ出したりする。
(不登校の子供が暴力的になったり、部屋から出てこなくなる状態は、ここにあたる。本人の意志ではなく、身の安全確保のため生態が起こしている反射的な反応に他ならない。)

 逆に、ストレスを感じないリラックスした(副交感神経が優位に働く)状態では心拍がおちつき、深呼吸ができ、表情も和らぐ。(よいパフォーマンスをするために、アスリートや人前に立つ人などが深呼吸したり瞑想して心を落ち着かせるのは、このためだ。持っている力を発揮するにはこの状態になることが必要だ。)

副交感神経とは、2種類の迷走神経のこと。迷走神経が有髄と無髄の2種類あることは、最近の研究でわかってきたことだ。

迷走神経は
直接的に内臓と脳をつないでいる自律神経である。

そのうち、進化の過程で爬虫類時代から持つ無随の背側迷走神経は、原始的な働きをする。爬虫類脳とも言われる。主に横隔膜より下にある臓器を制御している。
爬虫類は恐怖を感じると、「死んだふり」をして、本能的に身を守る。
人間の場合、心拍が通常よりも減り、呼吸が抑制され、体がすくんで動かない状況になる。これは不随意におこる。


レイプされた女性や誘拐された子供が動けなくなったり、逃げられると思われるような状況でも逃げられないのは、このためだ。自分の意思では動けないのだ。

 そうして、生命を守るために体が反射的に最善の方法を尽くしている状態が、「体がすくむ」という現象といえる。(不登校の子供が、登校しようとすると動けなくなったり腹痛や頭痛を起こす、などもこのためと考えられる。)

そして、進化の最終系、有髄の「腹側迷走神経」は、哺乳類の持つ迷走神経である。主に横隔膜より上の内臓を制御する。
その中でも、腹側迷走神経は、哺乳類に特有のものだ。

 他の動物と哺乳類の大きな違いは、「顔と頭の横紋筋を制御している」ことだ。表情をコントロールしているのは腹側迷走神経である。
哺乳類は、表情を持ち、表情や声で安全の合図を送る。絆を作り、社会を形成する。
 戦うか逃げるかではなく、表情豊かなコミュニケーションによって、「交渉する」ことができ、信頼関係をぶことができる。
 腹側迷走神経の社会交流システムを働かせることができるのは「安全であると感じている時」なのである。
確かに安心感がないとき、人は笑うことができなくなるし、交渉もできなくなり、「闘争か逃走か」の状態となり、さらに危険を察知すると、シャットダウンが起こることもある。

ちなみに、新生児無呼吸症候群は、有髄迷走神経が未発達なため無髄迷走神経の問題が起こった状態と考えられている。
 
 私はこの本に出会えて、いままでの謎が一気に解けた気がした。

 子供のことだけではなく、自分の自律神経失調状態も、
以前の仕事で関わりのあった、とんでもなく短気で話の通じない、攻撃的な人たちのことも。

 安心感が、足りてなかったんだ‼️

 では安心感は、どうやったら満たせるのか。

コンプリメントは、「世界一幸せなお母さんの笑顔で」子供に愛情をこめて優しく言葉をかけることを教えられた。その理由は、ここにあったのか…‼️

 それがわかった時に感じた私の胸の高鳴りは、忘れられるものではない。私の人生が、違うステージに到達したような気がした。 

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