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自分軸の作り方#112「過去の倉庫行き列車」を見送るよ②

今日の記事は、2年ほど前に
「コンプリメントで子育てする東京親の会」ブログに投稿した記事です。

#111「過去の倉庫行き列車」について書いた時に、


うちの子にも、そんなことがあったなぁ と思い出しました。
原文はかなり長く、私の職場での
パワハラのエピソードも載せていたのですが、
息子について書いた部分だけを抜き書き・修正しました。

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「おかしい」と思ったことを人に伝える長男の力と、感情の受け止め方を経験した私の話をしたいと思います。

長男が5年生だった冬のある日、
長男は
「先生にひどい目にあわされた」と、すごく怒っていました。

 卒業記念イベントの係にあたっていた、ある雪の朝。係の子供たちは、早めに集合して担当の先生とイベントの準備をする予定でした。でも、雪で電車が大幅に遅れ、担当の先生が来なかったので、担任の先生に相談したところ、「先に体育館に入ってて」と言われたので、体育館に入り、走ったりして遊んでいたそうです。寒い朝でした。

 事情を知らない(普段からヒステリックな)他の先生から「ちょっとあんたたち!なんで時間前に勝手に入ってるの!!」頭ごなしに怒鳴られました。(その日は、朝の会の前に、子供たちが体育館で遊べる日でしたが、許可された時間よりも早く体育館にいたので叱られたようです。)言い訳しようにも聞く耳をもたない先生です。しばらく怒鳴られて、担任の先生から許可をもらったことを説明したそうですが、怒鳴った先生は、自分が怒鳴ったことを謝らなかったとのこと。

 「(イベント担当の)A先生は前日から天気予報で雪が降ると分かっていたはずなのに、
なんでもっと早く家を出ないんだ?
 始発に乗ってでも、歩いてでも集合時間に来られるように家を出たらよかったのに。
なんで俺たちは怒られないといけなかったんだ。子供は遅刻したら怒られる。先生は怒られない。そんなのはおかしい。(怒鳴った先生については、いつものことなので、あまり言いません)」

 その時、私は「そんなこと言ってもさぁ、先生は遠くに住んでいて、早い電車に乗れない事情でもあったかもよ?
 家族もいるだろうし、小さい子供もいるかも知れないじゃん。雪で電車が遅れるのは、仕方ないよ」と答えていました。

 私の思いやりのベクトルは、先生に向いていました。

 そのエピソードは、長男の頭の中で何度も何度も思い出されたようで、何度も何度も、忘れたころに 泣きながら怒りながら話していました。
 ずーっと不完全燃焼で、処理できなかったんだと思います。

 何回も繰り返す話を、私は「またか」と思って聞いていました。
「大変だったね」「思い出すと腹が立つから、もう思い出さないように、思い出しそうな時は違うこと考えよう!」と言ったりしていました。

(次男にも似たようなアドバイスをしていた私です…すべては気の持ちようだと思っていました。考え方を直そうとしても、解決には至りません。
(自分軸の作り方#6 https://note.com/cafetime321/n/necb12e2f07e9
#7 https://note.com/cafetime321/n/nee01c4bab080  参照。)

 不登校になって数ヶ月、中1の夏頃、寝る前に長男から、
久しぶりにその話が出ました。
その時の私は、息子たちの五月雨登校が続き、よく泣いていました。

親の会のみなさんから たくさん励ましてもらう経験を重ね
そして、自分自身の心と向き合う方法を いろんな本から学び始めていました。


 その夜は雪の日の話を聞いて、
「そうだね。
君は、先生には何がなんでも時間を守って来て欲しかったんだね。
そしたら嫌な思いしなくて済んだのに…って。

担任の許可をもらって体育館に入ったのに、頭ごなしに怒鳴られて、
辛かったね。悔しかったね。
辛かったこと、ちゃんと言葉にしてお母さんに伝える力があるね。
話してくれて お母さん嬉しいよ。」と、しばらく頭を撫でて、
しずかに伝えました。

 「あの日から、君はすっごく成長したね。背もすごく伸びた。
だから、あの雪の日、体育館で怒鳴られて辛い思いをしてる、
まだ小さかった君を、頭の中で想像してみよう。

 今、小さかった君に、『辛かったね、怒鳴られて腹立つなあ、
悔しかったねー』って、声をかけてあげよう。抱きしめてあげよう。
頭を、なでてあげよう。

腹が立つのは、当然だよ。悪いことじゃない。
思い切り悔しがって、泣いていい。思いっきり泣かせてあげよう。

泣いている君を、ギューっと、抱きしめてあげよう。」



 長男も私も、涙ぐんでいました。そんなふうに語りかけながら、頭をなでているうちに、長男はスーっと眠り始めました。

それから長男は、

雪の日の話をしなくなりました。


 何度もその話を聞いていたのに、それまでの私に足りてなかったのは、
長男への思いやりだったと思います。

寄り添い方、受け止め方を知らなかったのです。 

長男は、「母親に、寄り添って受け止めてもらいたい」それだけだったんだと思います。

 教育現場では、先生に黙って服従することをよしとする風潮が、
昔も今も流れていることは否めません。
理不尽なことは、心のコップを強くする機会ではあるのですが…。

 私は、「学校では心のコップをちゃぶ台返しするような、理不尽なことがたくさんある。
この子はずーっと自信の水を使って
頑張っていたんだ…」と、
子供の辛さを想像できる母親に変化していました。

 私自身、仲間に寄り添ってもらい、共感してもらって安心する経験も、
誰かの話に一緒に涙する経験も重ねていました。
そのことが私に、安心感と思いやりの気持ちを思い起こさせてくれたと思っています。

 納得できない、腹立たしかったことを、
自分の奥底にしまい込まず、
人に伝える力があるこの子を、誇りに思います。

 私も、この子の気持ちを受け止められる自分になれて、よかった。
 腹立たしかった感情を、
持っちゃいけない悪いものとして心の奥に閉じ込めたまま
大人になっていたら、へんな時に噴出して
大変なことになってたかもしれない!

 私は、どんな時もこの子に寄り添う理解者でいよう。
この子が感じることを、尊重しよう。
きっとそれが、愛情を注ぐってことなんだ。

 この子が大人になった時に、人を思いやる方法を、愛情を、
思い出せるように。

 そして、おかしいと思った時や、辛いなと思った時、ちゃんと言葉にして、誰かに伝えられる大人に。

 それでもどうしようもなかったら、その場から立ち去る決断のできる、強い大人に。

 自分で自分の砦を築き、自分自身を守れる大人に、なって欲しい。

そしていつか、
この子が誰かの砦を築くお手伝いができるようになれたら いいな。

そう思いました。

 子供に寄り添うには、どうしたらいいのか、
少しずつわかってきたような、成長できたような・・・

そんな、出来事でした。

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この記事を書いたのは2020年9月でした。

大河原 美似氏の著書「ちゃんと泣ける子に育てよう」に出会う
ずっと前の話です。


「ちゃんと泣ける子に育てよう」を読んで
そうか、そういうことだったんだ!と、気づきました。
フラッシュバックだったんですね。

込み上げる怒り悲しみを、受け止めてもらうと
出来事や感情や記憶の断片をちゃんとひとまとめにできて、
過去の倉庫行き列車に乗せて送り出すことができるんだ、ということを
長男とのやり取りから、学んだなぁと思います。


マガジンに、本の感想や解説をまとめています。


子育てをする中で、辛い思いをすることはできるだけ避けたいと思います。

でも
辛い思いをしたからこそ、得られたことが たくさんあるなあと
振り返って思う 今日この頃です。



 ↑ 親の会ブログに載せた記事です。ご興味のある方は、ぽちっとしてみてください。


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