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生き物と交じり合う感情「赤い魚の夫婦」グアダルーペ・ネッテル著、宇野和美訳

文学ラジオ第76回の紹介本

生き物と交じり合う感情
「赤い魚の夫婦」
グアダルーペ・ネッテル 著
宇野和美 訳
現代書館

現代メキシコを代表する作家の短編集をご紹介します。どの作品も登場人物の感情と生き物が不思議に絡み合い、読後に静かな余韻を残す名作揃い。ラジオでは収録5作品の中から「牝猫」と「菌類」を取り上げています。またメルマガ登録者には後日「北京の蛇」の紹介音源をお届けします。

本作は今年の日本翻訳大賞の最終候補5作の一つです。5月中旬の大賞発表までにラジオでは候補作を順に紹介していきます。次回は「パッセンジャー」、その次は「詩人キム・ソヨン 一文字の辞典」。なお、「地上で僕らはつかの間きらめく」と「星の時」はすでにラジオで紹介していますので、気になる方はぜひ聴いてください。

本書のあらすじ
第3回リベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞受賞。
メキシコの作家が贈る人間とペットにまつわるちょっと不思議な物語。
初めての子の出産を迎えるパリの夫婦と真っ赤な観賞魚ベタ、メキシコシティの閑静な住宅街の伯母の家に預けられた少年とゴキブリ、飼っている牝猫と時を同じくして妊娠する女子学生、不倫関係に陥った二人のバイオリニストと菌類、パリ在住の中国生まれの劇作家と蛇……。
メキシコシティ、パリ、コペンハーゲンを舞台に、夫婦、親になること、社会格差、妊娠、浮気などをめぐる登場人物たちの微細な心の揺れや、理性や意識の鎧の下にある密やかな部分が、人間とともにいる生き物を介してあぶりだされる。
「赤い魚の夫婦」「ゴミ箱の中の戦争」「牝猫」「菌類」「北京の蛇」の5編を収録。
2014年にはエラルデ文学賞を受賞するなど国際的に高い評価を受け、海外では毎年のように「今年のベスト10」に取り上げられる実力派作家グアダルーペ・ネッテルの傑作短編集、待望の日本語訳。

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