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親友が残したバスク語の回想録「アコーディオン弾きの息子」

文学ラジオ第41回の紹介本
「アコーディオン弾きの息子」
ベルナルド・アチャガ 著
金子奈美 訳
新潮クレストブックス

今回は第7回 #日本翻訳大賞 の最終候補5作を紹介していく第五弾。

バスク語文学の代表作。バスク地方出身の作家がアメリカに渡った幼馴染のダビが残した回想録を手にしたことから、20世紀の激動のバスクで生きた人々の物語を紡ぎます。

現在と過去が交差する重層的な小説の軸となるのは、スペインとフランスの国境沿いにあるバスク地方の架空の町オババを舞台に「アコーディオン弾きのダビ」が過ごした少年から青年に至るまでの青春物語。複雑な政治的対立を抱えるバスクの中でも、ダビは友情や恋愛、父との確執などを通じて成長していきます。普遍的な魅力を備える570ページに及ぶ長編小説。バスクに特別な想いを巡らせてしまう一冊です。

本書のあらすじ
1999年、カリフォルニアで死んだ男が書き残した「アコーディオン弾きの息子」という回想録。親友である作家は、バスク語で書かれたこの手記を元に、彼ら二人の物語を紡ぎはじめる。死んだ幼なじみが、家族にも読めない言葉で綴り、向きあおうとした過去とは何だったのか。故郷の美しい自然、朴訥(ぼくとつ)で生気あふれる人びと、名士として知られた幼なじみの父のもう一つの顔…。スペイン内戦とフランコ独裁、そしてテロの時代へ。暴力の歴史にさらされた若者たちの震える魂、痛ましい記憶を力強く繊細に描きだす。多彩な人物が躍動する、バスク語現代文学の頂点。

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