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カフェ物語#5 キミとの出会い〜抹茶〜-しょうゆきゃふぇ-

横浜に来たのはいつぶりだろうか。

大学生以来、いやもっと前かもしれない。社会人2年目になった僕は、少しだけ東京の現実から逃げ出したくて横浜まで旅行に来た。

旅行と言うには距離が近いし、日帰りなのだけれど。


昼は当たり前のように中華街でチャーハンだけを食べて、夏も終わりなのに人でごったがえしている道を抜けながら、本命のカフェに歩みを進める。

その日は少しだけ雨が降っていて、人通りで傘をさすのが億劫だった僕は歩むスピードを早めた。そしたらすぐにカフェの目の前まで来てしまっていた。中華街からはそこまで遠くなかったらしい。


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FUHITA BUIKDINGという建物にある「しょうゆきゃふぇ」が横浜に来る本当の目的だった。抹茶好きの僕にとってはたまらないスイーツがあるらしい。

店舗情報https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140105/14075292/


幸運な事に人はそこまで並んでおらず、すぐに店内に入ることができた。人気店らしいから心配していたけれど、今日の僕はついているらしい。

中華街で雨に濡れた後にいう言葉ではないか。


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店内は横浜らしいお洒落な空間そのもので、不要な要素は一切ないシンプルな作りだった。所々に緑があったし、他のお客さんは女性が多めで静かな空間だった。落ち着いてカフェを楽しめる空間だなと感じた。


注文したものは抹茶プリン。

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鮮やかな緑色がたまらなかった。これを写真に納めずして何を撮るというのだろう。

ただ、横にひよこの置き物があった。これはなんだろうか?

店員さん曰く、このこっこちゃんが卵を産んでくれるらしい。その卵とプリンが口の中で混ざることで完成するのだとか。

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こっこちゃんを握ると綺麗な色の卵が出てきた。

それまで何もなかった抹茶のプリンの上に黄身が乗ると、また一段と魅力的なスイーツに変化した。

そっと口の中に入れると、その黄身の濃厚さと他とは全く違う味ぶかさが感じられた。これが本当の黄身の甘さか。そう感じた。

抹茶もほろ苦い味で、黄身と出会うことで一つのスイーツとして完成した。店員さんが言っていた通りだった。


店を出るときには、横浜に来る前のあの心のモヤモヤがどこかに飛んでいっていた。これから東京に戻るのも、あまり怖くはなかった。

人はそうやって心を充電しないとやっていけないのだなと感じた。

だからこそ、人にはそれぞれの趣味だったり、友達出会ったり、居場所が必要なのかもしれない。それはどこか窮屈に感じるかもしれないが、それが人生の醍醐味ではないだろうか。

苦しんだ分だけ、喜びは倍になって返ってくる。そう思って生きてみよう。

カフェは僕の心の充電器。

(※この物語はフィクションです。)

Instagram:https://www.instagram.com/cafe_story_branding/?hl=ja


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