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元純喫茶店主の徒然 #002

「徒然」という言葉の意味は、「何もすることがなくて退屈であること」、「所在ないこと」、「手持ちぶさた」っとある。

サラリーマン時代には、休日出勤はたまにはあったが、基本的には土日はお休み。喫茶店の経営に携わるようになってからは、1年365日の内、お休みと言えば夏休みの数日と新年の1月1日のみで、定期のお休みは基本無かった。お店の営業は毎年12月30日で年内の営業は終了していたが、大晦日は大掃除、年始の営業は毎年1月2日からだった。

日頃のお店の運営は、信頼できるベテランスタッフがいて、安心して任せておくことが出来た。

私の役目はあくまで裏方、黒子に徹してはいたが、経営者側の人間は頻繁に休んではいられないのは、何の商売でも同じこと。

慌ただしい日々ではあったが、喫茶店の店主としてやり甲斐を感じはじめていた、とても充実した日々だった。それでも元純喫茶店主としての徒然なる日々が、2019年4月15日、お店の閉店を機に始まった。

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私が撮影から編集までを1人で行っている、YouTubeのくすの樹CHANNELでもお話しておりますが、珈琲館くすの樹を閉店することが決まった時期と並行して、くすの樹の跡地に何かを建てるという構想【KUSUNOKI PROJECT】はスタートした。

その段階では「新しいお店(飲食店)」という具体的なものではなく、何かだった。

その選択肢には、コンビニや大手レストランチェーンやカフェチェーン店、ドラックストア、回転寿司店などなどいろいろあった。

珈琲館くすの樹の再開も、もちろん選択肢の一つであることは言うまでもない。

珈琲館くすの樹の跡地に何を建てるのか、あるいは、40年という年月は経過したものの、手を加えればまだまだ使用に耐えられる(っと私は思っていた)くすの樹の既存の建物をどうにか再利用できないかの話し合いがはじまった。

その話し合いのなかで、まず最初に決まったことは珈琲館くすの樹の既存の建物の取り壊しだった。

余談だが、閉店後間もない頃、都立小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」に、「この、くすの樹の建物を園内に復元してもらってください!!」っと真剣に懇願しにわざわざ訪問された方も一人や二人ではなかった。

珈琲館くすの樹はそれほど皆様にご贔屓いただいたお店だったんだということを、改めて実感させられる逸話でございます。

                              つづく


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