頼鳥

充電期間中  必ず戻ってきます

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【詩】怪物

 まだ見えていないのは  それを付けているからさ  早くこっちにおいでよ  地平線の向こうへ行こう  仮に間違っていても  僕らはここにいるよ  大好きだよ ほんとだよ  だから花のように笑ってよ  いつも二人が眠るのは  青葉のふかふかベッド  脳みそが宙を舞ってる  触れられないよ誰もね  白い太陽射す午後  あなたは確かめるように笑ってた  もう大丈夫だからね   ひたむきな花になろう

    • 【詩】赤界

       夜空は亡霊たちの祝祭で  無数のミトコンドリアが昇っていく  白い光を放ちながら  一、ニ、三の合図で重なって  すべての生き物はことばを失い  手足を伸ばしながら裏返った  赤い光線が心臓を撃ち抜いた  瞼を閉じても燐光が灼きつける  あの日の夕さりのように  平行線を蔦って饗宴に向かう  にんじんの槍を持ったうさぎさんが  深紅の瞳でこっちを見ている  話しかけても ピクリともしない  こりゃダメだ 諦めようか  ああそうか はじめから死んでた  ここには深緋

      • 【詩】三日月のゆりかご

         すべてを忘れゆく君に  ぼくらにしか読めない地図をあげる  ほら これでもう大丈夫だろう  だからさ ここで少し眠ろうよ  夢遊病の君は 空中を柔らかに漂い  靄となって 新世界を見せてくれる  ゆりかごには 君と僕のこども  白くてちちゃな 三日月をにぎって  浄化するように覚醒した赤子の瞳は  果てしなく黒く光を宿していない  愛おしいおててに 触れてみても  まるで温もりは 感じられず  いつだって わずかな壁が通せんぼするんだ  願っても届かない 想いと

        • 【詞】黒い虹

           いつもの仲間と いつもの野はらへ  ケビンが創った 落とし穴に気をつけて  不発弾のことは気にしないでいこう  だってぼくらはムテキなんだろう?  だけど あいにくの天気だ   カエルさんに 雨宿りさせてもらうよ  雨が上がって 雲たちがねじれたら  黒い虹をくぐって 巨人の家を訪ねよう  お土産に真っ赤なコスモスを持っていこう  バスケットにアップルパイも入れてさ  みんなで想い出話に花を咲かせるんだ  木枯らしを纏って去った あの子ことを  かすかに消えゆく

        【詩】怪物

          【詩】彼岸花

           宇宙の四隅を2人の巨人がつまみ  銀河を跳ね上がらせて遊んでる  さっきの衝撃はそれだったのかい  そうだ きっとそうだったんだ  思わず僕は外に出て 身体を無駄使いする  緑道に咲く 天を掴もうする彼岸花  いっそ 残らずすべて喰い尽くしてやろうか  月と星たちはコアを激らせ やけに睨んでくる  蛇目の白猫が声を轟かせ 僕の血管を直走ってる  家路を歪ませ歩いたころ 僕の顔は終わっていた  鏡の前には 紫蛇の目の知らない男が立っていた  疲れ果て にわかに仰向け

          【詩】彼岸花

          【詩】おとずれ

           立派な兜をこさえた風が踊り来る夜に  コオロギたちが秋をしたためている  あの夏 海を灼いていた夜光虫たちは  ミサイルに跨って宇宙へ飛んでった  「瞬く命が空から呼びかけてくるよ」  君の言葉に僕は耳すら貸さずにいる  明日のこと 明後日のこと その先のこと  分かるはずもないのにね  夜風を蓄え 揺れるカーテンが  何もない僕を笑っているようで

          【詩】おとずれ

          【詞】星間避行

           闘いの狼煙を消して  約束の場所を目指す  重力をさらうように  星から星へ 逃避行  歩いた軌跡で  君の名前を描くよ  ついさっき拾ったんだ  きれいなかんざしをね  君に似合うといいな   君が消える2秒前までには

          【詞】星間避行

          【詩】鴉

           鍵盤ハーモニカの音階が司る朝  鴉の羽に一抹の想いを乗せる  鴉は出口の無いトンネルに入ったまま  僕の想いは溶け浸みてしまった  側に落ちていた羽を拾い集め  滝に向かって放り投げる  みんな そうなるからね  みんな そうなるからね  価値がない意味がない価値がない意味がない  のたまうヒトの肋骨を背中に突き刺し  黄泉の生活をありのままに写し出す  みんな そうなるのにね  みんな そうなるのにね  そうならないようにはね

          【詩】鴉