覆日 / Ohi

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BOaT - RORO 感想

今年も、夏の終わりにあらがう。 2023年9月3日、大学4年の時に書いたものです。 ︎︎︎❂ 夏の終わりの無常感を音で表現した2001大傑作。一貫して「夏を終わらせるな!!」と叫んでる。 原風景が浮かび上がってくるのに幻想的。ノスタルジアとファンタズム。 一曲目の「ALL」、サカナクションの「目が明く藍色」を初めて聴いた時と似た感覚。身体が少しだけ宙に浮いて、精神はまったく別次元の世界に連れて行かれる。 ライブで泣いたことあるけど、音源ではこれが初めてかも。 夏休み

    • “我慢”ではなく“忍耐”する

      忍耐と我慢。 一見似ているけど、全然違う。 今から6〜7年前。高校時代の話。
 当時、バスケ部に所属していた。が、このバスケ部がなかなか異様な集団だった。 同期に一人、暴君がいた。わたしを含め未経験で入ったのは10人〜15人くらいいたと思うけど、わたし以外全員辞めていった。99.9%その暴君の言動で。 二つ、具体的なエピソードを紹介する。
 まず、『悪魔のフリースローゲーム』から。
 フリースローとは、ざっくり言うと決められた位置から誰にも邪魔されずシュートをする、と

      •  しばらくの間 声を失くしていたのは  肥えた電子機器を眺めていたからか  電波と電波がぶつかり合って  ほんとうのことを見えなくしている  要らない事さいつも  目の奥の奥を熱くするだけで  なにもできないことを噴き上がらせる  花は消え散っていくまで  なにも語りはしなかった  ただ見つめていた  満ち足りなそうなその顔を  ゆううつそうなその顔を  両掌に集めるだけ集め  狂ったように撹拌し  うわずみだけ掬い上げ  残りは全部捨てた  そこに感情など無かった  最

        • 怪物

           まだ見えていないのは  それを付けているからさ  早くこっちにおいでよ  地平線の向こうへ行こう  仮にまちがっていても  ぼくらはここにいるよ  大好きだよ ほんとだよ  だから花のように笑ってよ  いつも二人が眠るのは  青葉のふかふかベッド  のうみそが宙を舞ってる  触れられないよ 誰もね  白い太陽射す午後  あなたは確かめるように笑ってた  もう大丈夫だからね   ひたむきな花になろう

        BOaT - RORO 感想

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        • エッセイ
          2本
        • 詩(詞)のようなもの
          9本

        記事

          赤界

           夜空は亡霊たちの祝祭で  無数のミトコンドリアが昇っていく  白い光を放ちながら  一、ニ、三の合図で重なって  すべての生き物はことばを失い  手足を伸ばしながら裏返った  赤い光線が心臓を撃ち抜いた  瞼を閉じても燐光が灼きつける  あの日の夕さりのように  平行線を蔦って饗宴に向かう  にんじんの槍を持ったうさぎさんが  深紅の瞳でこっちを見ている  話しかけても ピクリともしない  こりゃダメだ 諦めようか  ああそうか はじめから死んでた  ここには深緋

          三日月のゆりかご

           すべてを忘れゆく君に  ぼくらにしか読めない地図をあげる  ほら これでもう大丈夫だろう  だからさ ここで少し眠ろうよ  夢遊病の君は 空中を柔らかに漂い  靄となって 新世界を見せてくれる  ゆりかごには 君と僕のこども  白くてちちゃな 三日月をにぎって  浄化するように覚醒した赤子の瞳は  果てしなく黒く光を宿していない  愛おしいおててに 触れてみても  まるで温もりは 感じられず  いつだって わずかな壁が通せんぼするんだ  願っても届かない 想いと

          三日月のゆりかご

          黒い虹

           いつもの仲間と いつもの野はらへ  ケビンが創った 落とし穴に気をつけて  不発弾のことは気にしないでいこう  だってぼくらはムテキなんだろう?  だけど あいにくの天気だ   カエルさんに 雨宿りさせてもらうよ  雨が上がって 雲たちがねじれたら  黒い虹をくぐって 巨人の家を訪ねよう  お土産に真っ赤なコスモスを持っていこう  バスケットにアップルパイも入れてさ  みんなで想い出話に花を咲かせるんだ  木枯らしをまとって去った あの子ことを  かすかに消えゆ

          彼岸花

           宇宙の四隅を二体の巨人がつまみ  銀河を跳ね上がらせて遊んでる  さっきの衝撃はそれだったのかい  そうだ きっとそうだったんだ  思わず僕は外に出て 身体を無駄使いする  緑道に咲く 天を掴もうする彼岸花  いっそ 残らずすべて喰い尽くしてやろうか  月と星たちはコアを激らせ やけに睨んでくる  蛇目の白猫が声を轟かせ 僕の血管を直走ってる  家路を歪ませ歩いたころ 僕の顔は終わっていた  鏡の前には 紫蛇の目の知らない男が立っていた  疲れ果て にわかに仰向け

          おとずれ

           立派な兜をこさえた風が踊り来る夜に  コオロギたちが秋をしたためている  あの夏 海を灼いていた夜光虫たちは  ミサイルに跨って宇宙へ飛んでった  「瞬く命が空から呼びかけてくるよ」  君の言葉に僕は耳すら貸さずにいる  明日のこと 明後日のこと その先のこと  分かるはずもないのにね  夜風を蓄え 揺れるカーテンが  何もない僕を笑っているようで

          おとずれ

          星間避行

           闘いの狼煙を消して  約束の場所を目指す  重力をさらうように  星から星へ 逃避行  歩いた軌跡で  君の名前を描くよ  ついさっき拾ったんだ  きれいなかんざしをね  君に似合うといいな   君が消える2秒前までには

          星間避行

           鍵盤ハーモニカの音階が司る朝  鴉の羽に一抹の想いを乗せる  鴉は出口の無いトンネルに入ったまま  僕の想いは溶け浸みてしまった  側に落ちていた羽を拾い集め  滝に向かって放り投げる  みんな そうなるからね  みんな そうなるからね  価値がない意味がない価値がない意味がない  のたまうヒトの肋骨を背中に突き刺し  黄泉の生活をありのままに写し出す  みんな そうなるのにね  みんな そうなるのにね  そうならないようにはね