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【詩】おとずれ



 立派な兜をこさえた風が踊り来る夜に
 コオロギたちが秋をしたためている

 あの夏 海を灼いていた夜光虫たちは
 ミサイルに跨って宇宙へ飛んでった


 「瞬く命が空から呼びかけてくるよ」
 君の言葉に僕は耳すら貸さずにいる

 明日のこと 明後日のこと その先のこと
 分かるはずもないのにね


 夜風を蓄え 揺れるカーテンが
 何もない僕を笑っているようで


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