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「きのう、何読んだ?」2024/6/30〜2024/7/4

毎日暑いですねー!
ほぼずっとオフィスにいるので正直そこまでしんどいわけではないのですが、たまにランチで外出るとびっくり。今週奮発したお肉ランチがテラス席で死にそうになった笑

『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』2024/6/30(日)読んだ本


ずっと行きたかった中華屋さんのオムライス

「きのう、何読んだ?」

もう何度読み返したことでしょう。神保町で開催されたK-Bookフェスティバルでの出会いからはや半年?常に「今の私が求めている一冊」であり続けてくれるこちら。

@kbookfes

ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(ファン・ボルム著、牧野美加訳/集英社)

ソウル市内にできた本屋さん・ヒュナム洞書店の店主は、どこか不安そうな顔をした女性。ヒュナム洞書店に集まる人々と、本とコーヒーの物語。

朝日新聞のお正月号にファンさんのインタビューが掲載、本屋大賞翻訳小説部門受賞と、日本でも話題騒然の一冊になっています。何度読んでもハッとさせられる言葉が見つかり、ザワザワピリピリした心がなだめられる。

昨年末に「外の音、内の香」で紹介したときは、神保町イベントのテーマになぞらえて「よく読み、よく休む」を心に留めておきたいと書いたっけ…。確かにあの頃に比べれば、読んで休んでを実践できているな。罪悪感が半端ないけども。

あっという間に過ぎ去ってしまった2024年上半期。下半期をどう過ごすか、しっかり考える一週間にしたい。

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『令和元年の人生ゲーム』2024/7/1(月)読んだ本


頭痛…。横になっても治らん。

「きのう、何読んだ?」

2024年度上半期の芥川賞・直木賞候補が発表されていますが、今回は直木賞候補作ばかりざくざく読んでおります。

昨日読んだのがこちら、麻布競馬場さんの『令和元年の人生ゲーム』。山本理沙さんのストーリーをみて、「あ、あれ読もう」と思い立ってダウンロードしていたのでした。Xぜんぜん見ないので、麻布競馬場さんのことは直木賞候補になって初めて知ったのでした。

なんとなく、朝井リョウさんが『何者』で直木賞をとった時のことを思い出させる一冊です。朝井さんと麻布競馬場さんは2歳違いなのかな?同世代ですね。テーマも、ゆとり世代(朝井さん)/Z世代(麻布競馬場さん)の就活周り…ということで既視感が。

これシンプルに面白いなー!
こんなに爽やかに明晰に意識高い系のこと書けちゃうの凄技だなー!
気持ちいいスピード感!

と思いつつ、⚫︎⚫︎世代っていう分類のアホらしさを改めて感じました。なんというか、朝井リョウさんが描いたゆとり世代と麻布競馬場さんが描くZ世代って何が違うの?と思った。

結局どちらも、社会と大人に強制された教育と、その仕上げのように貼り付けられたラベルに染まった、「空気読める」賢い子供たちでしかないよね。その反社会性(?)すらも、それぞれの時代に求められるそれでしかないような。沼田くんみたいなぬるっとしたどっちつかずな賢いだけの人、いつの時代もいるよね…。シロクマに熱狂するアホ集団みたいなのも、きっといたよね…。

そんな風に思ってしまうのは、私がゆとり世代だからなのだろうか。自分と近接する世代のことはよく見えていなくて、違いに鈍感なせいなのか?「え、⚫︎⚫︎さん(後輩)は私と同世代だよね?▲▲さん(先輩)は“あっち側”だけど」とか言っちゃう痛い大人になりつつある証拠なんだろうか。

なんにせよ、麻布競馬場さんが描いてみせる世界に心が持ってかれたのは事実。このままこの路線で書いていくのかな?小説家を続ける意思があるのかな?なんて色々考えてしまいました。インタビューとかもっと読みたい!

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『事務に踊る人々』2024/7/3(水)読んだ本


うどんランチに並ぶ。

「きのう、何読んだ?」

こりゃー面白いぜ。

坂口恭平さんの『生きのびるための事務』を丸善の棚で見かけて、「あ、あれ読もう」と思い出したのがこちら。たまに現実逃避のために昼休み本屋に行くんだけど、やっぱりリアル店舗ってたくさん刺激があっていい。この前ビル出口ですれ違った同期には、真顔で「まだ本屋ってビジネスとして成立してるんだ…」って言われたけど。当たり前でしょ!

事務に踊る人々』(阿部公彦/講談社)

ぱっと見、ブルシットジョブとしての事務をこき下ろすような本かなと思ったのは完全に勘違い。「事務とは人を人たらしめる営み」とテーマ設定し、さまざまな文学作品や偉大な先人たちの姿から、事務と人間性の関係を深掘りする一冊。

これは、読んだ後語りたくなる本だな……🔥
読書会の課題図書にもいいかも。次の課題図書は小説だから、次の次にすればちょうどいいかも。

事務というと私は会社仕事がまず思い浮かぶけど(うんざり)、本書でも最初から指摘されてる通り、事務に無縁な人なんていない。出生届から死亡届まで、それこそゆりかごから墓場まで、私たちは事務を繰り返して生きていく。

あんまりないことなんですが、これは家族にも友人にも同僚にも、広く配り歩きたい本だなと思いました。向き不向きとか、ない気がする。ねえこれ読んでくれてるあなた、お願いだから一回読んでみてくれませんか?

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『娘が母を殺すには?』2024/7/5(木)読んだ本


この後顔の上に落としました。

「きのう、何読んだ?」

あなたは「父の娘」か、それとも「母の娘」か。

そんなことをたまに話します。父とのつながり、母とのつながり、どちらを強く感じながら育ってきたと思いますか?というような質問ですね。(もっとちゃんとした定義がどこかにあるのかもしれない)

モーレツサラリーマンとほぼ専業主婦の家庭で育ったにも関わらず、私は即答で「父の娘」と答えます。なんだかんだ母にもめちゃくちゃ似てるけど、そう答えたい自分がいるという感じ。おかーさんかわいくて好きだけどね。

そんなわたしの深層心理は、きっと三宅さんのいう「母殺し」なんだろうなぁと思った一冊。

娘が母を殺すには?』(三宅香帆/PLANETS)

4月に出た新書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか?』(私の書評原稿はいつ世に出るのだろうか…悩)がスマッシュヒットをかましている書評家の三宅香帆さん。

私三宅さんの大ファンで、著書全部読んでるしWEB連載も見落としなければたぶん全部読んでる。noteも課金してる笑 三宅さんが今何読んで何考えてるかめっちゃ興味ある(こわい

@m3_myk

三宅さんがnoteで、この本実は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか?』と裏表になっていると書いていて、「な、なるほど…」と瞠目。全身全霊で働くことを求められた戦後の労働史(まだまだ継続中)の中で、企業戦士に起きていたこと(=本が読めない)と家庭で起きていたこと(=母娘の精神的密着)を二冊の本で論じていると。

そして読者である自分は、この二冊で取り上げられている全ての当事者になりえるからこそ、こんなに没入して読んでしまったのだなと……。

「染まるのって簡単」
「むしろ染まることが生きること」
「アイデンティティって結局環境」

先日読んだタワマン文学で感じたことを、改めて実感。それにどう立ち向かえるか、どこまで客観視できるか、批評できるか。

三宅さんがよく言う(書く)、「批評すること」の意味や価値について、私も考え続けたいと思います。

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