落ちていたみかんにゴルフボールが食い込んだら...
ゴルフのルールには「コースはあるがままにプレーし、球はあるがままにプレーする」という大原則がありますが、自然の中でプレーする以上、予期せぬ事態におちいることもしばしばあります。
ゴルフ中に「この状況、ルール的にどうしたらいいの?」と迷ってしまった経験はないでしょうか?
野球やサッカー、バレーボールなど多くのスポーツには、審判がいて、その都度プレーの正誤を判断してくれます。
しかし、ゴルフには審判がいないため、プレーヤー自ら判断する必要があり、個別で対応しなければならないため「こんなこといつ起こるんだ?」という細かいルールまで、公式に制定されてます。
不意におとずれる状況も自分で判断して対応しなければならないため、ゴルフのルールを少しでも多く知っておくことは大切です。
1.もぐらが掘った穴にボールが落ちたら...
A:ボールを移動できる
地面が異常な状態の場合、ゴルフの規則25-1「異常なグラウンド状態からの救済」に従い、ペナルティなしでボールを適切な場所に移動させることが可能です。
例えば、ボールがもぐらの穴などで損傷した地面に行き着いた場合、このルールに基づきボールを移動させることが認められています。
2.犬が掘った穴にボールが落ちたら...
A:そのまま打たなければならない。
ゴルフでは、もぐらや地リスのような穴掘り動物が掘った穴にボールが落ちた場合、無罰でボールを移動させることが許可されています。
しかし、犬やイノシシなど穴掘り動物ではない生物が掘った穴の場合、ルールによりボールを移動させることはできません。
3.巨大な岩は動かせるならどのような岩でも動かしてもいいが...
A:枯れた木は根がついていたら動かせない
ゴルフには、ルースインペディメント(分離された自然物)というルールがあります。
これは、どこともつながっていない障害物は移動させることができるが、地面とつながっている障害物を移動させることはできないというものです。
ルースインペディメントはサイズに関わらず動かすことが可能ですが、根っこがついている植物などを動かすことは不可能です。
4.ボールの前にアリ塚があったら...
A:取り除くことができる
ゴルフでは、ボールの前にアリ塚がある場合、そのアリ塚を取り除くことがルールで許可されています。
日本のゴルフ場ではこの状況になることは珍しいかもしれませんが、海外ではよく発生し、そのためにルールが設定されたようです。
アリ塚を除去することは生態系に影響を与える可能性がありますが、ゲームの規則上、許されている行為です。
4.バンカーに入っているカニの死骸は...
A:取り除いてはいけない
ボールがバンカーに入った際、カニの死骸がある場合、その死骸を動かすとペナルティーが科せられます。
2019年のルール改正により、虫の死骸などはルースインペディメント(分離された自然物)のルールで除去可能になりましたが、カニの死骸はこの例外に含まれず、動かしてはならないとされています。
5.カラスによって動かされてしまったボールは...
A:元の場所に戻して打つことができる
ゴルフでは、外部の要因によって移動したボールは無罰で元の場所に戻して打つことができます。
ここで肝心なのは、必ず元あった場所に戻さなければならないことです。
たとえば、カラスがボールをカップインするまで運んでいったとしても、元の場所に戻す必要があります。
元の位置があいまいな場合は、あったと思われる場所に戻してプレーを再開しなければなりません。
6.落ちていたみかんにボールが食い込んだら...
A:手で取り外すことはできない
もしゴルフボールが落ちていたみかんに食い込んでしまった場合、ルースインペディメント(分離された自然物)に当たらず、手を使ってボールをみかんから取り外すことはできません。
あるがままにプレーをする(つまりみかんごとボールを打つ)か、アンプレヤブル(プレー続行不可能)を宣言して1打罰で所定の場所からプレーを再開するしかありません。
7.グリーン上に落ちているバナナの皮は...
A:取り除くことができる
ゴルフのルールでは、グリーン上に落ちているバナナの皮は取り除くことが認められています。
バナナの皮がグリーンに落ちているケースは珍しいですが、このようなルールが策定されたのはきっと過去に事例があったからなのでしょう。
8.他のプレイヤーがバンカーに食べかけの梨を捨てた場合...
A:取り除くことができる
2019年のルール改正前では、他のプレイヤーがバンカーに残した食べかけの梨のような障害物は、プレイに影響を及ぼしていても除去できませんでした。
しかし、2019年のルール改正により、このような障害物を取り除くことが許可されるようになりました。
9.サボテンの棘が刺さらない様にタオルを被すのは...
A:2打罰のペナルティー
ボール近くにサボテンがある場合、安全のためにサボテンをタオルで覆い隠すことを考えるかもしれません。
しかしルールでは、「プレーに影響を与える意図で物理的な条件を変更することは禁止」とされており、サボテンをタオルで覆うこともそれに該当します。
このような行為を行い、プレーを続けると2打のペナルティが課されます。
10.同伴者のプレイヤーがどのクラブで打ったのか本人に聞くのは禁止だが...
A:キャディには聞いてもいい
自分のボールが他のプレイヤーと似た位置にある場合、先に打ったプレイヤーがどのクラブを使用したか気になることもあるでしょう。
しかし、そのプレイヤーに直接使用したクラブの番手を尋ねることはルール違反となり、2打のペナルティが科されます。
ただし、キャディにそのプレイヤーが何番のクラブを使ったか尋ねることはルール上問題ありません。
キャディが知っている情報であれば、質問しても良いことになっているそうです。
11.打ったボールが他のプレイヤーに当たっても罰はないが...
A:自分に当たったら1打罰
ゴルフでは、打ったボールが他のプレイヤーに当たることがありますが、この場合、ルール上の問題はなくゲームは続行されます。
しかし、木や岩に当たったりして跳ね返り、自分に当たると1打のペナルティが課されます。
さらに、自分自身だけでなく、自分のキャディ、キャディバッグ、またはカートにボールが当たった場合も、同様に1打のペナルティが適用されます。
さて、今回ご紹介したのは珍しい特殊なケースですが、まったく起こり得ないわけではありません。
このような面白いルールは会話のネタにもなりますので、ぜひ覚えておいてくださいね。
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