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【宮崎・長野】アマテラスと天の岩戸開き/「天岩戸神社」と「戸隠神社」

アマテラスの岩戸隠れ

アマテラスとの誓約うけいを経て、なんとか高天原たかまがはらへの地に入ることを許されたスサノヲは、その後、調子に乗って高天原で乱暴狼藉の数々の悪事を働いてしまう。

スサノヲは高天原たかまがはらの田んぼのあぜみぞを破壊したり、神殿にクソをぶちまけたり、正に大暴れ。

それでも、アマテラスは実の弟のことなので、周囲の苦情をよそに、「これは考えあってのこと」と、スサノヲの愚行を庇い、深く咎めようとはしなかった。

しかし、ある時、スサノヲは馬の皮を剥ぎ、それを機織はたおり小屋の屋根に穴を開けて、そこめがけて馬を放り投げてしまう。

すると、これに驚いた機織りの女は、転げ落ちて、尖った器具が陰部に突き刺さってしまい死んでしまった。

さすがに今までかばい続けてきたアマテラスも堪忍袋の緒が切れて、天の岩屋戸あまのいわやどと呼ばれる岩で作られた部屋に閉じこもってしまった。

大日本名将鑑(Wikipediaより)


太陽の神様であったアマテラスが岩屋の中に身を潜めてしまうと、高天原も地上ともども世界は瞬く間に漆黒の闇に包まれてしまった。

すると、世界中に災いが蔓延してしまい、困った八百万やおよろずの神々は一同集まって、『知恵』の神である思金神おもいかねに、どうすればいいのか相談をした。

そして、オモイカネは次のように様々な儀式を提案をし、その案にそって、アマテラスを外に誘い出すよう命じたのだった。

まずは、常世とこよ長鳴鳥ながなきときという鶏(ニワトリ)を集めて鳴かせ、夜が明けたかのような演出をした。

次に、伊斯許理度売命いしこりどめという神に八咫鏡やたのかがみを造らせ、玉祖命たまのおやと呼ばれる神には、八尺瓊勾玉やさかにのまがたまを造らせた。
※八咫鏡、八尺瓊勾玉は後に三種の神器となる。

『祝詞』の神、天児屋命あめのこやねと、『祭祀』の神、布刀玉命ふとだまを呼び寄せ、雄鹿の肩の骨を抜き取り、ははかの木を取って占い(太占:ふとまに)をさせた。

太占ふとまにとは、獣の骨を火で焼き、その亀裂の入り方で吉凶などを判断する占いのことである。

太占(Wikipediaより)


そして、八咫鏡やたのかがみ八尺瓊勾玉やさかにのまがたまを、根ごと掘り起こしたさかきの枝に飾り付け、さらにそこから布を垂らし、これを御幣ごへいとした。

※御幣とは、神様への捧げ物のことで、神道の祭祀で捧げられ、用いられるものを言う。

『祝詞』の神、天児屋命あめのこやねが祝詩を唱え始めると、『腕力の神』である天手力男神アメノタヂカラヲが、天の岩戸の脇に隠れた。

すると、『芸能の神』である天宇受賣命アメノウズメが出てきて、桶を逆さまにして置いた即席の舞台にあがり、踊り始めたのだ。

それはそれは狂うような踊りようで、皆の前で胸をさらけ出し、裳の紐を陰部までおし下げて踊った。

それを見た高天原の八百万の神々は、一斉に笑い出した。

天岩戸神話の天照大御神(Wikipediaより)

こうして、祝宴にも似たどんちゃん騒ぎを繰り広げると、岩戸の中に籠っていたアマテラスは、外の騒がしさに耳を立て、次第に外のことが気になり始めた。

そこで、アマテラスは天岩戸を少し開け

「自分が扉の中に籠っているのに、何故、皆は楽しそうなのか」

と尋ねた。

すると、楽しそうに踊るアメノウズメは

「あなた様より尊い神さまが現れたので、それを祝っているのです」

と答えた。

そして、アメノコヤネ(祝詞の神)とフトダマ(祭祀の神)は用意していた八咫鏡やたのかがみを掲げると、鏡に写った自分をその新たに現れた貴い神だと思い、その姿をもっとよく見ようと岩戸から身を乗り出した。

すかさず、岩戸の脇に隠れていたアメノタヂカラヲ(腕力の神)が、アマテラスを外の世界へと引きずり出し、フトダマが岩戸の前に進み、注連縄しめなわを張り、もう中には入らないよう頼んだ。


こうして、太陽の神アマテラスは、外の世界に戻り、世界に再び明かりが訪れたのだった。

そして、アマテラスが天岩戸へ隠れるきっかけを作ったスサノヲは、髭と手足の爪を剥ぎ取られ、高天原から追放されたのだった。


古事記~天の岩戸開き~


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【宮崎県】
天岩戸伝説の舞台となった地
「天岩戸神社」

高千穂町観光協会HPより引用

天岩戸神社は宮崎県高千穂町に鎮座し、アマテラスオオミカミのお隠れになられた天岩戸と呼ばれる洞窟を御神体として御祀りしており、天岩戸神話の舞台となった場所と伝わっている。

岩戸川をはさんで西本宮と東本宮が鎮座し、川上には八百萬の神々がお集まりになり、御相談をされた天安河原神社があり、神妙な雰囲気をかもしだしている。


【長野県】
天岩戸伝説の神々を祀る
「戸隠神社」

戸隠観光協会HPより引用

アマテラスを引きずり出したアメノタヂカラヲ(腕力の神)は、その後、再びアマテラスが岩戸の中にお隠れにならないようにと、その岩戸を蹴り飛ばし、それが、遠く長野県の地にまで飛んで行き、現在の戸隠山になったという伝説がある。

戸隠神社では、天の岩戸開きでアマテラスを外に出すために活躍した神々を祀っている。

岩戸の前でアメノウズメノミコトが舞い踊ったのが 「神楽」の始まりとされていることから、戸隠神社に伝わる太々神楽だいだいかぐらも有名だ。




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