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規制退場と更衣室のスマホ



規制退場を守らない人がほんとうにきらいだ。


この前行ったライブでの話、ぼくの前には仲の良いカップルがいた。お気に入りの曲が始まると嬉しそうに見つめ合って笑う様子や、お互いがちゃんと楽しめているかを気にし合う様子、また、おそらく彼らが知らないであろうバンドの知らないであろう曲の時も、知らないなりにノッて、楽しもうとする様子。

何様だよと言われてしまいそうだが、ほんとうにいい2人だなぁ、と思った。

しかし、彼らはライブが終演するや否や、
「規制退場にご協力お願いいたします」
というスタッフの声を無視して一目散に帰って行った。

(今思えば、遠征で来ていて新幹線の時間がやばかったという可能性もある。というか、そうであってほしい。あんなにいいふたりが、規制退場無視しちゃう系の人たちだと信じたくない)

その瞬間、ほんとうに残念な気持ちになった。
規制退場守らない系の人たちかあ…。と。

この2人の話に限らず、ライブや野球観戦において、「規制退場を実施する」とアナウンスされているにもかかわらず、それを無視して出口に向かう人のことが心から嫌いだ。


守れよ、自分のことしか考えてねえなあ、自分中心だな、好きであるアーティストとかチームにも迷惑かけてるから、ルールって知ってる?

と、溢れる。



サウナがほんとうにすきだ。

この前仕事終わりに、会社にほど近い(といっても歩いて15〜20分かかった気がする)場所にあるサウナに行った。

カルチャーと風呂を融合させたようなそこで、強烈な熱さのサウナとレモンの香りがする水風呂を楽しんだ。
経理の繁忙期で残業が続き、疲れていたぼくは、たっぷりとサウナを楽しんだ。
ベンチでしっかり休んで、まあ明日からもやってやるかぁというぐらいの気持ちにはなれたぼくは、ロッカーに戻り、帰りの電車の時間をスマホで調べていた。

「お兄さん…お兄さん!!」

その声がぼくに向けられていることに気づいた時、同時に、その声が意味するところも理解した。
「すみません。。」
とだけ言って、居た堪れなくなったぼくは早足にサウナを後にした。


更衣室出てから操作しろよ、自分のことしか考えてねえなあ、自分中心だな、好きであるサウナにも迷惑かけてるから、ルールって知ってる?


きっとあのお兄さんはそういうことを思っただろうな。そう思いながら夜、家に歩いた。


結局自分の基準に当てはまるルールしか守れてない自分に気づいて、恥ずかしくなり、

規制退場を守らない人だって、きっといい人だし、そんな悪気があってやってるわけじゃないし、そんなにボコボコに言うもんじゃないな。

更衣室でのスマホ操作はじめ、自分がまあいいだろって思って無視してるルールもちゃんと守んなきゃな。

この二つのことをどちらも思った。


だれかにとっての規制退場は、ぼくにとっての更衣室でのスマホ操作であり、
だれかにとっての更衣室でのスマホ操作は、ぼくにとっての規制退場である。

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