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国際結婚・国際離婚 これから私は”I do what I want!”

① はじまり


2015年5月18日。
私はなかなか度胸のいる金額の超過料金を支払った大きなスーツケースを2つ抱え、ESTAと飛行機のチケットを握りしめ成田空港にいた。
そう、アメリカに行くのだ!
何をしに?旅行じゃない。 留学でもない。仕事でもない。
そう!嫁に行くために!!!

申し遅れました。皐(さつき)と申します。
あの日を思い出すと、我が事ながら横っ面を張り倒したいようなでも微笑ましい苦笑いと言うかほろ苦い気持ちになる。

と、言ってもこの時は一度日本に帰ってくる気でいた。
帰国のチケットも持っていたし、そもそもビザないし、ESTAだし。
結果的には一時帰国せずに結婚→現地でビザ申請する事になったのだが。
そしてこの時は知る由もなかった。まさかこの約4年半後に精魂尽き果てて帰国することになろうとは…

これは40歳で渡米しアメリカ人男性とアメリカで結婚・そして45歳で離婚して出戻って来た私の記録と個人的な考えに基づくつぶやきエッセーである。そしてこれからの自分の人生の足元を少しでも明るくするために自分で見つけた教訓も綴っていこうと思う。

この私のつぶやきと言うかぼやきと言うか経験や私の思ったことを書き留めたものが、異国人のボーイフレンド・パートナーがいてあの頃の私と同じように悩んでいたり迷っていたり、「分かる~!」と同調したり、はたまた単なる暇つぶしだったとしてもお役に立てればなれば嬉しく思う。
では、私のつぶやきエッセーをどうぞ召し上がれ!!


② なんでアメリカ?


アメリカに入国・長期滞在する際には目的によってビザが必要となる。
3か月以内の滞在であればビザは必要なくESTAで入国できる。

ビザを取得する場合、既に入籍しておりアメリカに移住する目的ならば永住権であるグリーンカードが必要になるし、婚約中であればフィアンセビザを取得しアメリカ入国後にグリーンカードを申請することになるとだろう。
留学であれば学生ビザ・仕事が目的であれば就労ビザと、目的によって多岐多様だ。

私がアメリカに行く事になったのは、当時彼氏であった軍人の元配偶者が日本での任期を終え、数か月後に本国に戻ることが決まったからだった。

この時にはまだアメリカに戻ると言う事だけで「どこ」に赴任になるかは決まっていなかった。
候補地は2つ。1年のほほ半分以上雪に覆われたノースダコタ州の基地かミズーリ州にある基地か。通常の場合よりもはるかに選択肢が狭く条件も良いものとは言い難かった。(この時は元配偶者に言わせると『パワハラを受けていたから上司が意地悪して候補地の種類が極端に悪いんだ。』でも後々「あれー、そう言う事だったかー。」と腑に落ちるのだがその話はまた今度。)

その時私たちは約1年数か月交際を続けており、既に彼の両親とそのそれぞれのパートナー(彼の両親は彼が子供のころに離婚しており、それぞれが再婚をしていた。)とも顔を合わせていて親公認の関係だったし、当時の私は40歳。妙齢であるし、もしも子供を持とうとするならばリミットが目前だった。
私としては焦りも大いにあった。そう焦っていたのだ。この「焦り」の話は別の機会として、とにかく私は彼に迫った。

“もしもあなたが私を必要とするのであれば次の赴任先がどこであろうと一緒に行く事に迷いはない。但しついていくのならば“妻として”だ。
そして一緒に行くと言う事は、私は約13年以上勤めている会社を退職し
キャリアを手放す
と言う事になる。
留学経験も大した資格もなく高卒で英語が日常会話レベルのアジア人である私に、今母国で働いているのと同様の収入をアメリカで得る仕事につくことは非常に難しい。すなわち私が家族として一緒に行くと言う事は、あなたのサポートが絶対的に必要になる。
そう、あなたには家族を養うという責任が生じるのだ。
私をサポートするのが嫌なのであれば別れたほうが良い。
私は近い将来子供が欲しいし無駄にする時間はないから。
ただ・・・別れることになったならばあなたは一人で孤独にノースダコタの雪の中で数年働くことになるだろう…“と。

冒頭でも記したとおり、この時まだ赴任先は決まっていなかったのでノースダコタと言い切ることは出来なかったのだが私は言い切った。なぜか言い切った。
『私が一緒に行かないならば、お前は必ずノースダコタに行く事になるだろう。1年の半分以上を雪に閉ざされた地で人とのふれあいもほとんどないまま1人孤独に過ごし、リタイアメントも大掛かりに祝われる事もなく軍人退役するのだろう』
と淡々と予言めいた言葉を告げたのだ。

自慢じゃないが私はたまに自分でも驚く位勘が冴える時がある。
本人も気付かぬうちに友達の妊娠や結婚することを言い当てたり、はたまたラブラブなカップルが近い将来別れることが判ったり。
お化けは見た事がないが、何やら感じが悪く合わない場所に行くと途端に体調が悪くなる。
昔、激務が重なり心も身体も弱っていた時に友達に連れていかれた占いで、私の運勢そっちのけで「あなた、占い師になりなさい!!」とおば様占い師にスカウトされたこともある。ならなかったけど。

話が逸れたが、相当に鈍感で6センス的なものを殆ど信じていないが私のその冴えた勘で何かを言い当てる様子をたまに目の当たりにしていた彼は怯えたような子犬のような目で『ノースダコタになったとしても本当に一緒に来てくれるのか?』と私に尋ねた。
馬鹿にするんじゃないよ、女に二言はない。それに私が一緒に行くなら絶対ノースダコタに行く事はないから!そう言い切った私に彼は
「じゃ、一緒に来て」。
これが、私がアメリカに嫁入りするに至った経緯である。ロマンティックの欠片もない。(アメリカに行った後に一応略式なプロポーズはして戴いたが、大きな池のあるガーデンで地面がぬかるんでいた上 意地悪な白鳥につつきまわされた為まともに膝をつけず微妙なへっぴり腰で「Can You marry me?」。ニヤニヤしながらYESと答えた記憶がある。ね?やっぱりロマンチックじゃない。)

冒頭でも示したとおり、アメリカ入国の際には各種ビザを用意するか、3か月以内の旅行であれば事前にESTAを申請し許可が下りれば入国出来る。私の場合は嫁入りが目的なので通常であれば日本国内で結婚後グリーンカードの申請を始める・または婚約者と言う立場で入国するためにフィアンセビザ(K-1ビザ)を申請するのが正しい順序だろう。
https://www.ustraveldocs.com/jp_jp/jp-niv-typek.asp

軍の中の事は(妻だったけど未だに)よく分からないし、もしかしたら彼が言って居た事は嘘で言い包められただけかもしれないし、はたまた彼自身も分からなかったのかもしれないので今となってはどうにも出来ないが、彼が赴任するミズーリ州の基地のポジションは単身者の受け入れであり、上司が意地悪だからフィアンセビザ承認サインは絶対もらえないし、そんなことを言ったらまた意地悪されるし時間がないから日本で結婚してからアメリカに戻ることは出来ないと彼が言い張った為、
私はまさかのESTAで旅行者としてアメリカに入国しアメリカ国内で結婚・グリーンカードの申請をした。

これは皆さん絶対にマネしちゃダメなヤツ!!!ある意味違法。
従って全然オススメは出来ないので、最後の最後でにっちもさっちも行かなくなってこれだけしか方法がない!と言う人の最終手段として『こんな方法もあるんだな』位に読み流して頂きたい。

もし万が一あなたが日本に居て遠距離恋愛中のアメリカ人の婚約者が居て割とライトなノリで「フィアンセビザとか超時間もお金もかかるし面倒だから、旅行者で来ちゃってさぁ、アメリカで色々やればいいじゃん?」
な~んてほざいたらゲンコツの1つでも食らわせて正式な方法で手順を踏むよう説き伏せて欲しい。
それで難色を示すようならその程度にしかあなたを大切に思っていない。ほらね、結婚前に見分けられるから一石二鳥じゃない?

とにかく私は旅行者で入国→結婚→アメリカ国内でグリーンカード申請をした。
何度も移民局事務所に足を運び確認し(でも嘘を教えられて時間もお金も余計にかかったけどね)書類を揃え無事に永住権を手に入れた訳だが…

くどいようだが、結婚の形もいろいろあるようにこのグリーンカード申請にも色んな方法・それに従い揃える書類もシチュエーションによって異なることを肝に銘じておいて欲しい。
同じ「結婚→グリーンカード申請」であってもだ。またその時の政権によってもルールが変わったり時間が更にかかったりと変動することも覚えておいて欲しい。「誰誰さんと同じ方法」ってそう言えば殆ど聞かなかったなぁ。。。
申請には時間もお金もかかる。州にもよるが私は申請してから実際のグリーンカードを手にするまでに1年以上かかった。
だから「申請をしているのに移民局から2か月以上音沙汰がないんです。」などと心配することはない。3~6か月音沙汰がないなんて日常茶飯事なのだから。
これから結婚の為にアメリカに移住しようと考えているあなた!
健闘を祈る。


教訓:ビザの申請は余裕をもって。待たされて当然と心得よ。


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