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B2プレーオフ進出チーム紹介(東地区編)|Weekly FE名古屋2021ー22 #30

 いよいよB2プレーオフに進出する8チームが確定したということで、今週から2回にわたってプレーオフ進出チームの紹介をしていきます。
 あくまでもいちFE名古屋ファンによる私見なので、そのチームをメインに見ている方からすれば納得できない部分もあるかもしれませんが、周りからはそう見えるんだなという広い心でご覧いただければと思います。
 なお、各チームの成績は4/27時点のものとなっています。

 今回は、B2東地区編です!

東地区1位 ファイティングイーグルス名古屋

チームの特徴

 最大の特徴は、帰化選手であるエヴァンス ルークを含めたいわゆる「3BIG」のラインナップ。
 ルーク、アンドリュー・ランダル、ジェレミー・ジョーンズの組み合わせでは、スイッチを多用することでディフェンスのズレを最小限に抑えて相手を苦しめる。
 また状況によっては、ルーク、ブライアン・クウェリ、ジョーンズ(ランダル)を組み合わせることでインサイドのディフェンスを厚くすることも可能だ。

 オフェンス面では、前述の外国籍&帰化選手に加え、昨季のB2の3P王である相馬卓弥、成長著しい野﨑零也&林瑛司といったウィングプレーヤーを石川海斗&笹山貴哉というB2屈指のPG2人が操ることで、ディフェンスの的を絞らせない多彩な攻撃を実現している。

 数字で見ると、オフェンスではペイントエリア外の2Pシュート(OP)の試投割合が10.7%となっており、リーグ平均(16.2%)よりもかなり少ない。
 得点の期待値(成功率×得られる得点)が低いシュートを打つくらいなら、思い切って3Pシュートを打つか、そうでなければリング近くまでアタックしようという意図がうかがえる。

 ディフェンスでは、FTによる失点の少なさ(9.0点でリーグ最少)が際立つ。厳しいディフェンスで相手のシュート成功率を下げながらも、決して無駄なファウルはしないという意識が徹底されている印象だ。
 スティールもリーグ2位(8.3本)と多く、そこから繰り出されるファストブレイク(速攻)も好成績を支える一因となっている。

キープレーヤー

ジェレミー・ジョーンズ

(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

 FE名古屋が誇るエースストッパー。
 プレーオフでは、香川のテレンス・ウッドベリー、熊本のジョーダン・ハミルトン、佐賀のレイナルド・ガルシアなど、得点力に優れたアウトサイドプレーヤーを擁するチームも多いため、それらをどこまで抑えられるかが勝敗の分かれ目になることもありそうだ。また、201cmながらポストプレーを守る上手さもあり、インサイド主体のチームにも十分対応できる。
 オフェンス面ではクイックモーションで放つ3Pと切れ味鋭いドライブで得点を量産できる。帰化選手のルークがいる関係上、日本人選手とマッチアップする機会も多いので、彼のところをどう守るかは各チームの悩みの種となりそうだ。

東地区2位 仙台89ers

チームの特徴

 平均得点77.9点はリーグ平均以下だが、平均失点の少なさ(70.9点)ではリーグ1位のFE名古屋にも匹敵するディフェンスのチーム。
 ジャスティン・バーレル、ジェロウム・メインセがインサイドを固め、他の日本人選手が激しくプレッシャーを掛けるディフェンスはリーグ随一で、ファウルの多さ(=FTによる失点の多さ)を除けばディフェンス関連のスタッツは軒並みリーグ上位となっている。
 そのファウルの多さにしても、全体的にディフェンスの強度が上がり、おのずとファウルの基準も高く設定されがちなプレーオフでは大きな問題にはならないかもしれない。

 また、平均得点の低さの理由の1つは、遅い試合展開を好むチームスタイルによるところにあり、オフェンシブレーティング(オフェンス100回あたりの得点)にすればそれほど悪くない。
 キャリア最高に近い3P成功率(46.7%)を記録している片岡大晴や、それほど長くない出場時間の中で思い切りよく3Pを放つ寒竹隼人といったベテラン勢の活躍も光る。
 ただし、アウトサイドのファーストオプションとしての活躍を期待されていたと思われるデビン・オリバーのシュート不調は気になるところだ。

キープレーヤー

岡田泰希

(写真提供:マメちゃんさん(@natsuki30en))

 シーズン途中に加入した特別指定選手にもかかわらず平均7.3得点はチームの日本人選手の中でトップの成績で、3月の西宮戦では21得点と爆発力もある。
 オリバーの不調で得点がバーレル、メインセによるインサイドに偏りがちなチーム事情もあり、アウトサイドから仕掛けられる岡田の存在は大きい。
 昨季のプレーオフでは特別指定選手だった渡辺翔太がラッキーボーイとなって西宮を下した仙台だが、果たしてその再現はあるのか。その渡辺翔太の復帰でプレータイム争いも激化しそうだが、プレーオフでも今の活躍が続くのか、要注目。

東地区3位 福島ファイヤーボンズ

チームの特徴

 6季目となる森山知広HCが今季はGMも兼任し、理想とするスタイルを体現できる選手を揃えた。
 その甲斐あってか、チームの平均アシスト数(23.2本)は熊本に次ぐリーグ2位で、比較的狙い通りの形でオフェンスを組み立てられているように見える。

 課題はというと、狙い通りのオフェンスを組み立てられなかったときのリカバリーといえるだろうか。
 ペイントエリア外の2Pシュートの試投割合がリーグ最少となっているように、得点の期待値が高いとされる3Pシュートやペイントエリア内の2Pシュートを重視しているのは明らかだが、とはいえペイントエリア外の2Pシュートの成功率がリーグ最低の31.9%というのは見逃せない。
 プレーオフでディフェンスの強度が上がれば狙い通りのオフェンスができないことも増えると想定されるし、狙い通りではないシュートでももう少し高い確率で成功させたいところだろう。

 また、HCがGMも兼任しているだけあって、ベンチ登録されているどの選手にも何らかの役割がしっかり与えられている印象で、それがラインナップの柔軟性を生んでいるように感じる。
 マーフィー兄弟2人を同時に起用して早い展開のバスケットを見せたかと思えば、マーフィー兄弟のどちらかと同時にジェイソン・ウォッシュバーンと市岡ショーンをコートに送り出すことで、いわゆる「3BIG」を構成して高さでアドバンテージを取ることもできる。日本人選手もそれぞれ特徴のある選手が多く、どういうタイミングでどう起用するか、コーチ陣の手腕が試されそうだ。

キープレーヤー

エリック・マーフィー

(写真提供:tomrinさん(@rinwaka225))

 3P成功率38.9%はB2の外国籍選手で3位の成績。弟のアレックス・マーフィーの3P成功率がイマイチな現状(28.7%)では、彼が3Pを高確率で決められなければ、3Pが得意ではないウォッシュバーン&市岡ショーンとの「3BIG」はオフェンスがインサイドに偏り過ぎてしまい、機能不全に陥りかねない。
 一方、福島のセカンドチャンス(オフェンスリバウンド)からの得点(9.9点)はプレーオフ進出チームの中で最少であり、ウォッシュバーンがいない時間帯ではよりインサイドでの活躍が期待される。福島のラインナップの柔軟性は、彼の働きにかかっていると言えそうだ。

東地区4位 越谷アルファーズ

チームの特徴

 誤解を恐れずに言えば、ゴール下の帝王アイザック・バッツとその仲間たち、という印象だ。
 もちろんバッツ以外にも素晴らしい選手が揃っているが、チームのコンセプトがバッツありきなのは間違いなく、その長所を最大化し短所を最小化する方法を考え抜いてきたチームだと言っていいだろう。

 そのバッツの長所とは、ご存知の通りゴール下での支配力。ゴール下に鎮座する彼を1人で止められる選手はB2では皆無といってもよい。
 必然的に相手は人数をかけてゴール下を守らざるをえないので、それによって生まれた隙を突いて周りの選手が3Pを沈める、というのが主な狙いになる。あるいは、バッツがその巨躯を生かして味方がレイアップに行くための道を空けるというのも狙いの1つだ。

 一方、ディフェンスでのバッツはゴール近辺では脅威であるものの、その力が及ぶ範囲は決して広くない。
 その証拠に、ペイントエリア内での相手のシュート成功率はリーグ最低(51.6%)に抑えているが、その代わりにペイントエリア外及び3Pから多くのシュートを許しており、そのエリアからの相手のシュート成功率はプレーオフ進出チームの中で最も高い確率(ペイントエリア外:37.6%、3P:34.3%)となっている。
 プレーオフで勝ち抜くには、バッツの守備範囲の狭さを他の4人がどこまでカバーできるかが重要になりそうだ。

キープレーヤー

鎌田真

(写真提供:匿名希望)

 まだ21歳ながら今季でBリーグ3年目を迎える期待の逸材は、今季飛躍の時を迎えている。192cmのSGとしてドライブでも3Pでも得点できる上、アメリカ育ちで外国籍選手とも英語でコミュニケーションを取ることができるため、チームの核であるバッツとの相性は抜群だ。また、パワーはないが長身で機動力もあるため、バッツの守備範囲の狭さをカバーする働きも期待できる。
 昨季はB1昇格を果たした茨城ロボッツに所属していたが、自身の出場機会はごくわずかだった。今季は自らの活躍でB1昇格を掴み取りたい。

最後に

 リーグ戦の成績ではFE名古屋が頭ひとつ抜けていますが、プレーオフもそうなるとは限りません。

 仙台にはワイルドカードでの進出ながら西地区1位の西宮を下した昨プレーオフの経験があり、激しいディフェンスを軸に粘り強く戦うスタイルはプレーオフ向きといえそうです。

 また、今季がラストチャンスと公言している森山HC率いる福島もこのプレーオフに懸ける想いは並大抵のものではないでしょう。クラブとして初めてのプレーオフとなりますが、臆することなくその持ち味を十分に発揮することができるか注目です。

 越谷については先日の仙台戦で負傷したバッツの具合が気になるところですが、万全であればどのチームにとっても一筋縄ではいかない相手になるはずです。なにより、来季に向けて初めてB1ライセンスを取得できたこともあり、選手たちのモチベーションは一層高まっていることだろうと思います。

 ですが、クラブ史上初めてB1ライセンスを取得できたことでモチベーションが高まっているのはFE名古屋も同じです。どのチームも油断できない相手であることは間違いありませんが、だからといって恐れすぎる必要もありません。
 リーグ戦最高勝率を記録したFE名古屋のバスケットを信じて、B2優勝B1昇格に向かって戦い抜きましょう!

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