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管理業務主任者・マンション管理士受験支援マガジン

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毎年1万人以上が受験するマンション管理に必須な国家資格。求められる知識は広く、中でも設備で点数を稼ぐことが求められます。しかし、参考書だけでは覚えるだけで大変です。そこで覚えやす…
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2023年1月の記事一覧

#22 サイディング外壁のヒビとその修繕

#22 サイディング外壁のヒビとその修繕

サイディング外壁は打ちっぱなし壁や塗装外壁とは構造が異なります。
直張り工法のサイディング壁はモルタルや接着剤でボードを固定する工法であると以前に説明しました。
外壁通気工法はサイディングボードと壁には空間があり、コンクリート壁の影響を受けにくいことも説明しました。
コンクリート外壁の塗装|マンション管理士せっかめ|note

試験にはサイディング壁では直張りタイル壁が出題されること多いようです。

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試験に出るヒビの話(2)

試験に出るヒビの話(2)

前回は躯体の構造上の問題で発生するヒビについて話しました。
今回は試験に出るヒビの話(2)としてコンクリートの劣化を原因で発生するヒビです。

硬化時に発生するヒビ

構造上の問題で発生するヒビ

劣化により発生するヒビ

試験にもっとも出る頻度が多い内容です。
しっかりと覚えましょう。

アルカリ骨材反応

コンクリートの成分はセメント、水、砂、砂利(骨材)が基本ですが、コンクリートはアルカリ性

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#21 ヒビの幅別、修繕方法の解説

#21 ヒビの幅別、修繕方法の解説

前回は、外壁タイプによるヒビの特徴を説明しました。
打ちっぱなしでもモルタル塗装でもヒビは幅によって修繕方法に違いがあることは理解できましたか。
今回は修繕現場の写真を見ながら修繕方法を頭に留めてください。
試験で絶対役立ちます。

ヒビの幅別の修繕方法1、被覆法

0.2mm以下のヒビは樹脂等をヒビの隙間に充填することが難しいため、面として埋める方法になります。

この方法は細かなヒビ(蜘蛛の巣

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#20 コンクリートのヒビの修繕は現地調査が大事です

#20 コンクリートのヒビの修繕は現地調査が大事です

コンクリートのヒビを放置すると内部の鉄筋の環境破壊(アルカリ性が失われる)につながり、結果として錆びることは理解しましたね。
そうならないようにヒビを見つけたら修繕をする必要があります。
修繕方法を説明します。

打ちっぱなし外壁、モルタル外壁の修繕は同じです。

ヒビはすぐに修理とはいきません。
深さや幅、長さによって修繕する方法が違います。
そのため、ヒビを修繕する前に、幅、深さ、長さを測定す

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#19 外壁の違いによるヒビの特徴

#19 外壁の違いによるヒビの特徴

これまでコンクリートについて説明しました。
マンションの外壁のタイプは大きく分けて4つ。
1、打ちっぱなし外壁
2、モルタル(塗装)外壁(リシンやスタッコ)
3、サイディング外壁(直貼り工法)
4、サイディング外壁(通気工法)

試験で出題される壁は1、2、3です。
サイディング外壁の通気工法はコンクリートの壁との間に空間があるため外観からコンクリートに発生するヒビを確認できません。そのためヒビの

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コンクリート外壁の塗装

コンクリート外壁の塗装

コンクリートの話も大分続きましたが、飽きてませんか。
試験にそんなにコンクリートの問題は出ないよ。
おっしゃる通りですが、関する問題は山のように出ます。
コンクリートを知らずに問題だけ解くれば良いと思っている人は予備校にでも通ってください。
このマガジンは管理会社の人間がマンション管理の中で勉強することを考えて書いています。あくまでも覚えるのはフィールです。机の上ではありません。

打ちっぱなし外

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試験に出るヒビの話(1)

試験に出るヒビの話(1)

前回はコンクリートの硬化時に生じるヒビについて話しました。
(興味がない人が多かったようですけど・・・。)
今回は試験に出るヒビの話(1)として構造上の問題で発生するヒビです。

硬化時に発生するヒビ

構造上の問題で発生するヒビ

劣化により発生するヒビ

開口部の発生するヒビ

躯体には開口部が幾つもあります。
躯体は常時、上階の荷重を受け、さらに振動による横の力(引張)の力も受けています。

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コンクリートに発生するヒビの話

コンクリートに発生するヒビの話

コンクリートに走るヒビを街中で見かけたことはあると思います。
あまりにも激しいヒビがあるうと「この建物、大丈夫?」って思いますけど意外に住民の方は気にされていないようで・・・。

前回は、コンクリートの鉄筋の相性の良さについて説明しましたが覚えていますか。
1、鉄筋とコンクリートの熱膨張率が一緒であること
2、鉄は水があると錆びるがコンクリートのアルカリ性がそれを防いでいること
3、引張に弱く、圧

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RC造、コンクリートと鉄筋の相性

RC造、コンクリートと鉄筋の相性

コンクリートの強度の弱点を鉄筋が補強していることはわかりましたね。
逆に言えば鉄筋の弱点である圧縮に弱い性質をコンクリートが補強しているとも言えます。

熱膨張の相性

異物同士で構造体を造るわけです。
建築物は特に躯体の基本構造を造るコンクリートです。
気温差による膨張は内部にひびや空間を生み出す原因になりかねません。
熱膨張係数は熱による体積の変化です。

内部の鉄筋が外気温度で体積を変えると

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RC造、コンクリートの強度の話

RC造、コンクリートの強度の話

ほとんどのマンションは鉄筋コンクリート造です。
RC造と言いますよね。
何の略か知っていますか。
Reinforced Concrete
「補強されたコンクリート」と言う意味です。
鉄筋でとは限定していませんが、RC造と言うと鉄筋で補強したコンクリートで造られていると言うことです。
RC造以外の工法は次のような工法があります。

W造(Wood)……木造
S造(Steel)…… 鉄骨造
RC造(R

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#12 コンクリートの不具合・ジャンカ・砂すじ

#12 コンクリートの不具合・ジャンカ・砂すじ

ジャンカ

コンクリートの不具合でコールドジョイントと同じように問題になるジャンカ(豆板、す)についての説明です。
「この大根、すが入っている」と言いますよね。
あれに似た状態でコンクリートがすっかすっかで骨材だけが残った状態がジャンカです。

ジャンカの発生原因

ジャンカが発生する原因のひとつは充填ミスです。
特に型枠の隅の充填が不十分な場合に発生します。
そのため、打込作業(コンクリートを枠

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#11 コンクリートの不具合・コールドジョイント

#11 コンクリートの不具合・コールドジョイント

打設作業についてはイメージできましたか?

あれだけ手間暇をかけても打設作業では不具合が発生します。
その代表がコールドジョイントです。

コールドジョイント

写真からのわかるように壁に地層のような境が確認できます。
これがコールードジョイントです。
発生原因は打設作業を理解していれば分かりますね。
何らかの理由でコンクリートの打込間隔が空いてしまったことが原因です。

コールドジョイントの問題

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#10 打設の現場はこんな感じ(2)

#10 打設の現場はこんな感じ(2)

マンション建設現場の打設作業についてイメージはつかめましたか。

打設作業のルール

では打込の続きを説明します。
打込は型枠にコンクリートを流し込む作業です。
ミキサー車一台で同じ平面で連続する容積を目的の量まで流し込む必要があり、そのためには複数台のミキサー車が必要になります。

(7)型枠の高さが大きい場合には、型枠に投入口を設けるか、縦シュートあるいは輸送管の吐出口を打込み面近くまで下げて

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#9 打設の現場はこんな感じ(1)

#9 打設の現場はこんな感じ(1)

打設の現場ってなかなか見ることはありません。
その理由は基礎が終わっていよいよ建物を作り始める前に工事現場の周りを防音シートや柵で囲うためです。

試験には直接関係しないけど、コンクリートの柱、壁、床がどのように作られるのかを知っておくべきでしょう。

基礎工事が終了した現場

基礎部分から鉄筋が伸びていることが確認できます。
いよいよ、壁、柱を作る前の状態です。

写真をよく見ると鉄筋が二重にな

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