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【Interview Vol.11 ひなこ】


こんにちは!〈CANvas〉です!

このインタビューでは、おなじ想いのなかまや、想いをもって活動されている方にお話を聴き、CANvasの輪を広げていきたいとおもっています。

今回の話し手は、ひなこ。聞き手(=★)はまきとよりです。

プロフィール:
卒論が終わり、ひまな大学4年生。家の片づけをしたり、バイトしたり、授業を受けたり。算数障害についての卒論を書きました。大学時代は合唱サークル、学習支援の活動も。春からは療育に関わる民間企業に就職。青森県東北町出身。

■特別支援教育を学んでいるわけ

★大学の専攻も就職先も、教育や障害に軸があると思うけど、なにがきっかけ?

ひなこ:
きっかけは2つ。

ひとつは、母が特別支援学級の担任をやっているのをみて、たのしそうだな、って思ったこと。

母が、学校でのことを楽しそうに話す姿や、図書館に行って障害のことを自主的に勉強している姿をみて、いいな、って思ってたよ

就職先に民間を選ぶことにしたのも、母の影響がある。あるとき帰省したら母が蕁麻疹になってて。ストレスの影響もあったみたいで、やっぱ先生って大変なんだな…と。私は自分を大切にしたい、忙しすぎないほうが性に合っているな、と思って、先生をやめて民間就職にした。

もうひとつのきっかけは、盲学校の文化祭に友達と行ったときのこと。感動、驚き、涙。って感じ!

盲学校は私の高校と最寄り駅が同じ。白杖ついている人をみても、「大変そうだな」としか思っていなかった。文化祭では、目が見えないけど、ぴったりの合奏。劇で演じている人もステージから下りてすごい動く。それをみまもる先生や親を見て、あたたかいところだな、って愛を感じた。

■教育だけをみて進んできた、それでよかったのかな…

★お母さんの影響や、高校のときの体験から、ずっと同じ方向を貫いてきていると思うんだけど、その原動力って?

ひなこ:
原動力でいうと、単純に子どもがかわいいし、関わるのが楽しい。そして、子どもと関わるとき、全力で遊んでいるとき、私らしくあれる

でも、そもそもの話していい?

言ってくれたように、ひとつの方向性で「いいな」と思い続けて進んできたけど、これでいいのかなと思うこともあるんだよね。私は広い世界のことを知らないなって。

親が先生だったから先生の道を選んできた。その後、先生をやめることにして就職活動をし始めたとき、「もっと世の中には(選択肢が)あるじゃないか」って思った。規定していた道を外れたことが「気持ちいいな」とちょっとだけ思っていて。

★なるほど、たしかに。いろいろな選択肢を考えたうえでひとつの道を突き進むのと、ほかの選択肢がない、知らない状態でひとつの道を進むしかないのでは、全然違うよね。

ひなこがまっすぐ進んで来れたのは、なんでだと思う?

ひなこ:
やりたいと決めたことを家族や先生が応援してくれて、行きたい学校に行けたから。

あとは、小中学校の友達がずっと仲が良くて、地元に帰れば友達に会える。安心できる場所があるから、決めた道をまっすぐがんばろうって進めるんだと思う。
大学に来てからは、身近に、同じような道を進んでいく仲間がいるのも、よかったな。

■子どものしんどさに寄り添い、声をきいてほしかった経験

★ひなこがこれまでに生きづらさを感じた経験はある?

ひなこ:
生きづらさを強く感じることは今まであんまりなかったんだけど。そのなかでも少し、生きづらいなと思ったことは、小学校6年のとき、同級生が一人亡くなったときのこと。

学校に来たら、一人いなくて。先生は誠実に説明をしてくれなかった。私もしんどかったし、クラス全体としてもしんどかった。

その同級生にも卒業証書をあげたいとか、卒業生からの言葉を子どもたちで一生懸命に考えたりもしたんだけど、先生にはぼつにされちゃった。子どもって全然力ないんだな、って思った。なんてひどいんだ、って。

★話してくれてありがとう。
私も似たような経験をしたことがあるな。球技大会が急に中止になって、理由が説明されず、署名運動したけど読まれずに放っておかれてた。子どもの意見ってそんなに弱いんだ、って。

ひなこ:
中学校の文化祭では、吹奏楽部のステージを全部任せてもらって、好きなことをやらせてくれたよ。
文化祭にいたるまでの小さいイベントで、こうしたい、と伝えてたし、信頼してくれていたのかな。

■わたしらしく、目の前の子どもと、いっしょに笑顔に!

★ひなこらしい生き方って?

ひなこ:
目の前のことを楽しむ!が、私らしい生き方かな。
泥があったら泥遊びする。汚れるかも、大人だから、とかは考えず、やりたいことをその瞬間に楽しむ!そういうふうに自分らしさを出しやすいから、子どもと関わるのが好きなのかもね。

あとはこの前、ある活動先でキャプテンを任されたんだ。
そのときは、「難しくても、やりたいことやりきろう」ってまっすぐに頑張れた感じがした。うまくやれなくても、ストレッチして生きていきたいな、っていう、あたらしい私らしさを発見できた機会だったよ!

★さいごに、そんなひなこがこれから社会で果たしていきたいこと、教えて!

ひなこ:
とりあえず、みんなもっと笑顔になったらいいなと!
子どものとき笑顔が多かったら、大人になっても笑顔になれるかな、って思ってるの。だから、まずは子どもがもっと笑顔になれる社会にしたい。

自分ができることは、ひとつは、いま関わっている居場所事業にこれからも関わり続けたい。ふたつめは、就職先で療育の仕事をするので、子どもの「できるようになった」とか、お母さんがそれをみて喜ぶとか、そういうのをサポートしたいなと思ってます。春からお仕事、がんばります!


編集後記:
いいな、と思ったものを大事に、教育の道を迷いなく進んできたようにもみえるけど、他の選択肢を知らないな、っていう葛藤も抱えていたんだなあ。

小さなまちで選択肢が少なかったこと、それでも家族や地元の友達の存在が心の支えににってること、ひなこらしくいられる関係性。

これまでに受け取ってきたものを、今度はひなこが関わる子どもたちに伝えていくんだね。
春からお仕事、がんばってー!

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