求める女、求めない男。【短編投げっ放し小説II】
★今回もお話の最後の言葉は、読んで下さった皆様にお任せ致します…。
【本編】
とある日の夜、とある公園での、男女の会話。
「別れよう」
男が言った。
「えっ…なんで急にそんなこと言うの」
女は驚き、男に聞いた。
「君は最近、僕に変化を求めるようになっただろう?」
「えぇ、それがどうかしたの」
「だから君と別れたいんだ」
「い…意味がわからないわよ。だってそんなの普通のことでしょ?」
「何故普通なんだい?」
「だって…、あなたとずっと一緒にいたいから。だから、その為に直してほしいところを言っただけじゃない」
「だとしたら、それは僕じゃないよ」
「え、どういうこと?」
「君が求めているのは、今の僕じゃない。だとしたら、それは別の誰かだろう?」
「そんな…。私が好きなのはあなただけよ。別の誰かじゃない。でも、ここだけは直してほしいって…、それっておかしなこと?」
「おかしくはないけど、それは僕じゃないよ。少なくとも、今の僕じゃない」
「私のこと、好きじゃなくなったの?」
「僕は君のことが好きだ。愛しているよ。だってその証拠に、僕は君に何も変化を求めたりしていないだろう。それは、今の君を愛しているからだ。だけど、君は違う」
「私だってあなたのことを愛しているわ。だけど、変化を求めるのは、そんなに悪いことなの?」
「悪いことだなんて言っていないよ。君が悪いわけじゃない。ただ、純然たる事実として、君が求めているのは僕じゃないってことなんだ。わかるだろう?」
「わからない。私にはわからないわ…」
「何故わからないんだい?僕を愛しているなら、変化を求める必要なんてないじゃないか。変化を求めるということは、僕じゃなくて、違う誰かを求めている。そういうことだろう。違うかい?」
「…えぇ、わかったわ。
『 』」
【fin.】
※このお話は心理テストなどではありません。話の続きも、皆様にお任せ致します。
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