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何度も読みたくなる「はてしない物語」
〈草木の創造は尽きることを知らぬ様に、新しい形、新しい色が次々と生まれた。扇か筆のような形をした長いエメラルドグリーンの葉があるかと思えば、虹色の目がいっぱいついた孔雀の羽のような花もあった。…こうして光を放つ夜の植物はいよいよ鬱蒼と茂り、互いに絡み合って、柔らかい光からなる見事な織物を織り上げていった。〉
「はてしない物語」より
「はてしない物語」には想像せずにはいられない美しい情景や個性豊かな生き物たちが登場する。私がこの物語の中で特に好きな場面がこの「夜の森ペレリン」が生まれる様子です。
あらすじ
いじめられっ子で臆病者の少年バスチアンは迷い込んだ本屋で引き寄せられるようにある本を見つける。その本の中のファンタージエン国では虚無(強い引力を持ち、そこに目を向けると視力が奪われたかのように感じる空間)が広がり滅亡の危機に陥っていた。命運を託された少年アトレーユはファンタージエン国を救う方法を探す旅に出る。バスチアンは夢中で本を読み進めるが、次第に現実の出来事が本の中にも現れるようになって、、、。
「モモ」で知られるミヒャエル・エンデが描く異色のファンタジー作品。
「はてしない物語」について
この作品は幅広い年代の人に読んでもらいたい。子供の頃に読めばこの2人の少年の冒険に夢中になるでしょうし、大人になってから読むと色々な気づきがある、そんな何度も味わえる作品だと私は思います。またハードカバーでは、バスチアンが手にした本が忠実に再現されているので物語により入り込めること間違いないはず。私は文庫本もハードカバーも買ってしまいました笑。
ユニークな生き物たち
「色の砂漠ゴアプ」「銀の都アマルガント」など「はてしない物語」に登場する場所はどこもとても魅力的で気になるものばかり。語られる情景が素敵でひと目見てみたいと思ってしまう。
そして魅力的なのは場所だけではありません。冒頭でも話したとおり、この物語にはユニークな生き物たちがたくさん登場します。
例えば、イスカールナリという人々。彼ら一人一人には名前がなく、区別がつかないほど似た顔つきで自分たちのことを「私たち」と呼ぶ。ここでは物語に繋がるネタバレを避けて説明しないけれど、個人としての感情を持たない彼らの取る行動には驚かされました。
最後に
私がこの本を読んだのは子供の頃ですが、他にもいろんな本を読むようになった今でもこの小説は本当に面白いと思っています。そのくらい大好きな本です。
だからこそ、この小説を読んだことがない人はファンタジー作品が好きな人はもちろん、そうでない人もぜひ読んでみてほしい。文庫本では上・下に分かれていて少し長めの物語ですがそれだけ読む価値があると感じます。
あなたも「はてしない物語」の世界へ、旅に出てみませんか?
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