夏の窓

 モザイク窓の黄緑を
 ほおを赤らめた淡青が食み

 ギザギザ肺がいつまでも長く
 息を吐いては吐き出して

 鉄柵のベージュから垂れた光を
 カラスが一羽飲んでゆき

 そっと窓を開いたら
 さっきの黒が東屋の上で

 熱気
 そのくちばしでくわえていて

 はねるその身を
 窓の熱に手ぇ重ねて見ていたら

 緑と大気の
 絡む汗のにおいに

 なんだかひどくめまいがして
 土とアスファルトの舌なめずりが聴こえてきたとき

 わたしもあんなふうに
 抱かれたくなった

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