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おねえちゃんとデート

ここしばらく、年長長女がわがまま放題だった。
家にいる間(幼稚園ではいい子にしているらしい)これしたい、あれがしたい、やっぱりこっち、やっぱりいや、いや、いや、いやー!
アラウンド2歳を彷彿とさせるが、相手は5歳。絶叫や号泣は2歳児のそれとは比較にならない。

いつもと違う状況で頑張っているのだからと、なるべく要望に応えていたけれど、さすがにイライラしてしまう。
私がイライラすれば長女もイライラし、負の循環が起きる。毎日何かしらでぶつかって、大人気ない自分に落ち込み、長女の言葉に傷ついた。

そんなわけで、週末に二人だけでデートしようか、と提案した。長女は、「いいの!?」と嬉しそうだった、と思う。(おばあちゃんもとうちゃんも大好きな長女、母ちゃんは好かれているという自信がない。)
長女と二人で出かけるのも、お店でお茶をするのも、すごく久しぶりだ。私は、文字通り指折り数えて楽しみにしていた。


行き先はわりと新しい近所のかき氷屋さん。私がずっと行ってみたかったのだ。

最近の長女なら直前で「やっぱりかき氷じゃなくてサーティーワンがいい!」とかなんとか言い出すところ、「ママの食べたいものを食べようよ。」

おうちではできないふわっふわの大きなかき氷。上にクリームもプリンも載っている!
二人で分け合いながらにこにこ食べた。

それほど暑い日でもなかったので、かき氷を食べると体が冷えて「たこ焼きが食べたい!」と長女が言い出した。

たこ焼きと言えば昔からあるたこ焼き屋さんで、確かに美味しくて、私も大好きだ。でも、外食を控える数ヶ月の間にも、テイクアウトで利用した。
「えー、たこ焼きはデートじゃなくても食べられるよ。二人でしかいけないもっとおしゃれなお店でもいいんだよ。」と私が返すと、長女は
「だって次女ちゃんいるとゆっくり食べられないんだもん。」

びっくりした。私は知らなかった。
食事やおやつのとき、長女が次女に気を遣っていることを。
彼女はいつも、好きなものを好きなようにさっさと食べて、遊ぶために大人を急かす。
そんなふうに感じていたとは。


結局、いつものたこ焼きをゆっくり美味しくいただいて、夫と次女の待つ家に帰った。

その日以来、長女はなんとなく落ち着いて、穏やかに過ごしている。
めちゃくちゃなわがままも、癇癪も減った。


たまにはおねえちゃんとデートしなくちゃ、と思ったとある週末。

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