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映画ワンダーランド2『テジュの森:迷い道』

テジュの森へようこそ…
前回もだいぶ書いたのに、まだ書きます。

ボゴミの演じたテジュは
3人いるように思います。

①事故に遭う前の過去テジュ
②ジョンインがワンダーランド申請して
設定したAIテジュ
③意識を取り戻した現実テジュ

①と②は似ているけど、
やっぱり違いますよね。

それはボゴミ本人のインタビューでも
語られています。

AIテジュは幸せな瞬間に記録された写真、
映像、音声、ジョンインと過ごしながら幸せで
楽しかった記憶で作られたキャラクターだと思います。
できるだけ明るく元気な人物を演じようとしました。
そこにジョンインが望む人物として、さらに構成されました。

「AIテジュはなぜ明るいだけなの?」という質問を受けましたが
私が思うに、残された人々にとっては
理想的な姿こそが、良いことですよね。 

会いたくて懐かしくてサービスを申し込んで、
(その人たちの)悲しみを共感してくれるところまでは良いと思いますが、
一緒に泣いたり、一緒に感情が動揺してしまったら
悲しい立場の人が、さらに悲しいのではないかと思いました。
なぜなら、残された人々は、
(相手が)天国(ワンダーランド)では、
痛みなく、幸せになることを願う気持ちでAIを作ったはずですから。

ボゴミが、ワンダーランドサービスについて
様々に思考した様子を知ることができます。

ジョンインがワンダーランド申請にあたって
語った過去のテジュについての告白でも
AIテジュとの違いが浮かびあがる気がします。

<ジョンインの告白、過去テジュのこと>

テジュはまずかっこいいです。
特有の清純さがあります。
そんな顔で、時々怒るとき、
不思議な魅力があります。
でも、ワンダーランドでうまく表現できるかな…
怒りは本当によくわかります。
一度怒ると本当に怖いです。
怒るのはすごく些細なことなんですけど、
例えば、彼のバナナ牛乳を飲んでしまったときとか
私が食べ物をこぼすときです。
本当に火のように怒ります。
真顔で。むしろ大変なくらいよく腹を立てます。

@sukuukzky Instagram

清純な過去テジュが
火のように怒るところも見てみたかったな…🥹
(余談です)

テジュの怒りについて書いてありますが、
AIテジュはまず怒らないように見えます。
怒るところも再現されているのかもしれないけれど本編には出ないので…

AIテジュはジョンインの聞きたいことだけを言って、ジョンインにぴったりの状況をすべて提供してくれるので、
ジョンインが虚しさや寂しさを感じる暇がありませんでした。

kstar スジちゃんインタビュー

過去のテジュについて残りの告白も
とても切なく映画を補足してくれるので
記録します。

テジュは笑顔が本当にきれいです。
なんていうか、5歳みたいっていうか。
笑う姿が本当に清いです。
腹が立っても無言で笑うから
本当に言うことがないです。

好みとか趣味とかが全然合わないんです。だから良いです。
(テジュが)一人で騒いで、
何の話をしているのか全く分からないときが多いです。
私が聞いていなくても、別に気にせず適当に話します。

テジュが得意になって話す話が宇宙の話ですが、
私は本当に興味がありません。
テジュは宇宙、惑星が大好きなんです。
宇宙の話をするとき、一番楽しそうです。
テジュは
「私が興味がないから
 思う存分教えてあげることができる」
と喜んでいました。
とても会いたいです。
おしゃべりで、うるさくて
言葉巧みに笑い、優しく
ときには怒り出すテジュが。…

(眠るテジュを)見に行けば
わけもなくテジュがすぐにでも目覚めそうです。
目を覚まして明るく笑ってくれるテジュを想像するんですが、
結局目を覚まさないんです。

行く回数を減らすことにしました。
死にそうなので。
しらふにはほとんど行きません。
お酒を飲んだ時に行かないと。
テジュにとても会いたいです。
それでワンダーランドを申請します。

@sukuukzky Instagram

なんて眩しいんだろう。。

途中割愛していますが
スジちゃんのジョンインの中で
テジュ像が、とても詳細に出来上がっていて

どんなテジュを愛していて
どんな風に恋しいかが伝わってきます…

脚本に描かれなかった2人の姿を
ボゴミとスジちゃんと2人で補ったというお話でしたね。

ありがとう…

清純…よく笑い、よく喋る、過去テジュ、
会いたいテジュ

過去テジュにどっぷり触れてしまいましたが、
この先は映画の進行に沿ってシーン別にみていきたいです。

①AIテジュ:ウクレレで歌う「WISH:Wonderland IS Here」

映画の中で私たちが最初に会うテジュは、
いきなり宇宙船の中のAIテジュです。

時間になると
寝坊しそうなジョンインを起こして
あらゆる手立てでジョンインを助けます。

ジョンインを見守るなんと優しいほほえみか…

朝起こしたジョンインが慌てて支度をする様子を
見守るAIテジュ

そして、ボゴミが一生懸命プロモーションしていた歌「WISH」が、
もうこの段階で!出てきてしまう。。。
びっくり。。。

ボゴミが「皆さんもきっと感情移入できると思います」
と言ったシーンですね。

まだ、眠り続けるテジュも見ていなくて、
ジョンインの辛い気持ちにも触れていない段階で
出てきてしまうのには驚きでした…
(ちょっともったいないような😣)

2人で歌う Wonderland IS Here
頭文字でWISHだなんて天才かな…

見つめあって歌うシーンが
本当に印象的だけれど、
この時点では、これほどまでに絆の強い二人なんだと
思うにとどまったのでした…(無念です🥲)

②現実テジュの生還と不調和

AIテジュの次に出会えるのが
目覚めた現実テジュですが、
テジュがもう別人のお顔をしています…

再びベッドの上の現実テジュ

同じ人物だけど、
これだけかけ離れた人物に大きく幅を振ったこと
ボゴミも難しかっただろうな…と思いますが、

ジョンインが拒絶するくらいの人物でなければならないのですから
こうもなるのか…とも思います。

それでもリハビリをするテジュと
見守るジョンインのシーンでは、まだ、
二人の間にとても強い絆が見えて

この時のボゴミの表情は
本当に愛にあふれていましたね。
テジュの演技の中でもとても心にのこる
美しい笑顔でした。。。

ガラスに頭をゴツン
一緒に頭をぶつけて痛がってくれるジョンイン…

人柄が変わったように見えても
過去のテジュが抱いていた気持ちを確かに持ち続けていて

本当にいとおしいです…

こんな目で、人を見ることが人生にあるかな。
こんな優しい笑顔があるかな。

しかし…

Q.再び戻ってきた現実のテジュは、どこに重点を置いて演技したのか。

監督が、現実に戻ったテジュの姿が少し変に見えたらいい、と言ってくれたのを覚えています。
それで、ジョンインが言う自分に対して乖離感を感じたはずです。

Q.「変に見えたらいいな」という演技が難しかったのではないですか。

自分の態度や言葉と、行動が一致しないのが不調和だから、
私自身が、こんな風に演技するので正しいのかな、という風に演技した記憶があります。
監督はかっこよく見えないようにしてほしい、と言っていました。

ジョンインの手料理を食べて「まずい」と言う瞬間。
不調和の始まりが、焦るほど心に刺さりました…

そしてスジちゃんが
「こんなことありますか?」と思ったシーン
他人を家に入れてパーティーをするシーン。

こんなボゴミの演技は初めてですよね…
狂気すら感じる不調和…


自分らしさって何…

笑っているようで全然笑っていないし、
僕は元通りだよ、
また元気になってやっていけるよ、と言いたいのに
「あなたらしくない」と言われて
動揺し不安を隠せない姿…

このエピソードは確かに「こんなことある?」だけれど、
体調不良のジョンインが最大級に疲労を感じるエピソードとして
個人的には、受け入れられるものでした。

さらに…
出かけた自分が忘れていったワンダーランドの端末を持つテジュに
「あさったの?」「思いやってよ!」と叫ぶシーン。

前の稿でもスジちゃんた言っていたように
「セリフが抜け落ちている感じ」が
私もします。
朝ごはんを作ったテジュに「思いやってよ!」だけでは
伝わらないジョンインの気持ち。

今考えるに…
現実テジュと、過去テジュ
(ひそかにはAIテジュ)との乖離に
混乱して苦しめられている自分を知ってよ、
苦しめないでよ、
=理解できないあなたを私に近づけないで…

それが「思いやってよ!」ですよね…
何を思いやるのかと思いました🥲

思いやってよ、と言われた悲しげなテジュ
なんて悲しい表情なの…

さらに訪れる、ボヤ騒ぎ…
こちらは私としては
ダメ押しエピソードすぎるなと思ってしまい…
火が出るって相当のことだし、
この程度で済んだことも奇跡的。。。

警察にいるテジュ

ボヤ騒ぎについてボゴミはこんな風に言っていましたね。

ボゴムの逆質問
「テジュが火をつけたと思いますか?」
「違うと思う」という反応に、
「私も、放火犯ではない、と思って演技しました。監督にも聞いてみました。
 『漏電して、テジュの反応速度が遅いので、
  先の手段を考えられなかった状況』
と思いました。
しかし、術がわからいので
よくわからない表情で妙なところへ向かおうとしたのだと思います。」

Dispatch 

放火を疑う余地はないと私も思います。

ジョンインも「料理でもしたの?」と言い
テジュは「何もしていない」と言う。

今考えると(再び)
あの部屋で何かあったのは確かなのだから
「何もしていない」というテジュの言葉自体に
問題があるともいえますね。

歩いていくジョンインの隣に並んで歩いて
手をつなぐテジュ…🥲

離れていくジョンインの心
すがるようなテジュの気持ち。
それでもまだ手をつないで歩く二人…
切ないです。

そしてスジちゃんの叫び…

ここもびっくりしたシーンで…

「バルセロナ、好きな都市だろ」と
テジュに言われて

AIテジュもバルセロナについて
最初の場面で話していましたね。

ここはジョンインに寄り添ってみると…

理解できない、あまりにも自分を苦しめる現実テジュ、この人が
やはり自分のことをよく知る、
自分の愛したテジュその人なんだと、
改めて知らされた瞬間なのかな、と思いました。

Q.ジョンインを演じながら、ピリッとした瞬間は…

「叫ぶシーンがありますが、その時が一番刺激的でした。
行くところもないし、すべての感情が溜まって
テジュに何も言えない時。
この子を理解しようと努力して、爆発する瞬間です。
混乱したジョンインの心をそのように表現できたようです。

kstar スジちゃんインタビュー

うーん…また個人的には…
個が強いというか…
ジョンインがまだ若くて幼くて、言葉も足りないように感じるけれど
それがジョンインという女性だったんだなと、今は思うことができます。

長くなりましたので、
もう一稿に続けようと思います。


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