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生食キノコを求めて

この前、ホワイトマッシュルームのぬか漬けを作って食べた話を書いた。あまりの美味しさに踊り出したいくらい絶品だった。それで他にも生食できるキノコがあればぬか漬けにしたいという欲が出ると同時に、もっと沢山、安くマッシュルームを手に入れられないかという欲が出てきた。そう、私なんて欲望の塊である。
今回は、そんな欲求処理の過程で知ってしまったあれこれを書く。人によっては知ってることばかりかもしれないが…

トリュフのぬか漬け

時々、高級なレストランでパスタを頼むと、運ばれてきたパスタの上にヒラヒラと削り落とされる、あのトリュフ。あれは間違いなく生である。
ということで、トリュフのぬか漬けを作って食べてみようと思った。いくつかの高級食料品店を覗いてみたところ、小さなビンに入った「トリュフ水煮」なるものが2500円ほどで売られていた。透明なビンなので、中に2, 3粒の黒いトリュフが入っているのが見える。
これを買おうかどうしようか猛烈に悩んだ。というのも、大人になってからの私は他のキノコと同じくらいマッシュルームも好きだが、子供の頃はあまりマッシュルームを好きではなかったからである。子供の頃の私が食べたマッシュルームと言えば、缶詰に入った、スライスされて水煮されたものだった。生のマッシュルームをサラダで食べるとか、焼いて食べるのであれば好きだが、どうも水煮というのはキノコをまずくする調理法のように感じている。
ぬか漬けにしたら、まずい水煮のキノコでも美味しく化けるかも…という気もしなくはないが、2500円かけて冒険する気は今のところない。

ここまで書いていて新たなアイディアが出てきたのだが、手始めに私の嫌いな「マッシュルームの水煮」の缶詰を買ってきて、それでぬか漬けを作ったら美味しく化けるかを試してからトリュフの水煮のぬか漬けに挑戦するかどうかを考えるというのは悪くないだろう。ただ、あのまずい水煮を思うと、あまり乗り気ではない…

マッシュルーム栽培は難しい

私が子供の頃、私の父親は家の中でシイタケを育てていたことがある。家族全員が使った後の風呂場にシイタケの菌を打ち込んだ丸太を持ち込み、湿度を与えていた。肉厚で大きなシイタケが、いくつも取れた。採れたてのシイタケを、バター醤油で炒めて食べるのは美味しかった。
そんな記憶があるものだから、マッシュルームを自分で育てることを考えた。私は風呂好きで、ほぼ毎日銭湯に行くので、自宅の風呂場は使っていない。今は裏庭で刈り取ったドクダミを乾燥させるのに、この使っていない風呂場が使われていたりする。
ところが調べると、どうもマッシュルームの栽培は温度管理が難しいらしい。栽培キットを買ってきて育てても失敗することが多いらしい。

キノコと言えば、ホクトだったり雪国まいたけだったりといった企業を思い浮かべる人も多いと思う。では、ホクトのホワイトマッシュルームとか、雪国まいたけのブラウンマッシュルームといった商品を見たことがあるだろうか。
このような有名どころさえマッシュルームの栽培には本腰を入れていないのである。

幻のマッシュルームが存在する

マッシュルームの栽培をメインでしている企業のサイトを見た。偶然にも、私が近所のスーパーで買ってきたブラウンマッシュルームは、この企業で作られたものである。
この企業のサイトにある「マッシュルームができるまで」を見ていたら、なんと幻のマッシュルームが存在することを知る。マッシュルームを100個育てて1個あるかどうかの割合で、ジャンボマッシュルームができる。これは名前の通り、普通のマッシュルームよりも大きいサイズなのだが、味も数段上とのことである。
ところが、このジャンボマッシュルーム100個に1個あるかどうかという割合で、ギガマッシュルームなるものが存在するという。普通のマッシュルームを1万個育てて1個お目にかかることができるかどうかの、珍獣レベルのマッシュルームである。いや、マッシュルームは獣ではないから、幻のマッシュルームと呼ぶべきか。
ネットで検索したら簡単に画像が出てくるが、このギガマッシュルームは大人の手のひらくらいの大きさがある。このキノコ、食べたら絶対に身体のサイズが2倍になる…なんてことはないが、ジャンボマッシュルームよりも遥かに美味しいらしい。いくつか料理の画像も出てきたが、実に美味しそうである。
ただ、このジャンボマッシュルームは毎日収穫できるとは限らないとのこと。それだけ珍しいキノコである。

トリュフの水煮でぬか漬けを作るよりは、ジャンボマッシュルームやギガマッシュルームのぬか漬けを作るほうが良さそうだと感じている。何しろ、親指の爪くらいの大きさのトリュフではすぐに食べ終えてしまうが、大人の握りこぶしくらいの大きさがあるジャンボマッシュルームや、大人の手のひらくらいの大きさのギガマッシュルームなら、いくら大食漢の私でもそれなりに食べごたえを感じるだろう。

まずは、売っているお店を探すところから始めないとなぁ…

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