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B6角ダッチ✕アルスト定食

このところ太陽熱調理器を自作して太陽熱だけで料理することを書いてきた。そこで使っていたキャプテンスタッグの角型ダッチオーブンminiという、メスティンと同じくらいの大きさのダッチオーブン(通称「B6角ダッチ」)を使って自宅で普通に料理することにした(ちなみに今日の天気は「曇り時々雨」であり、太陽熱調理は不向きな天気である)。使う熱源は太陽熱ではなく、ガスや電気でもなく、アルコールストーブ(通称「アルスト」)にした。

キャンプ飯レシピへの不満

いきなりだけど、ここで一般的なキャンプ飯レシピに対する不満を書いておきたい。

まず、ベジタリアン向けレシピが少ない。サイトによってはエビやホタテを使ったメニューを何の断りもなくベジタリアン向けとして紹介している。
私の友達にラクト・オボ・ベジタリアンがいる。これは乳製品と卵は食べるが、それ以外の動物性食品を摂らないタイプのベジタリアンである。当然、魚介類も食べない。
他にもヴィーガンという、一切の動物性食品を摂らないタイプのベジタリアンもいる。さらにフルータリアンという、一切の動物性食品を摂らない上に、食べる植物性食品も、その部位を食べても元の植物が生き続けられる部位しか食べないタイプのベジタリアンもいる(このようなベジタリアンは、例えば大根は葉先くらいしか食べない)。

キャンプをするような人は一般的に、自然を愛する人だ。であれば自然を守る選択をするハズである。ところが自然破壊につながる可能性の高い肉食を好んでいる。
日本の環境大臣がステーキを食べて世界中から大ひんしゅくを買ったことを忘れてはならない。ダッチオーブンで豪快に塊肉を調理してワイルドな気分に浸るのは自惚れに他ならない。そのような人は、私の目には、下品で知的水準の低い行動だとうつる。自分達で釣った魚や、自分達で仕留めたイノシシでも食べるなら話は別だが(特にイノシシは農作物への被害の問題から殺処分する必要が出てくることがあるので、このような場合は命に感謝しつついただくほうが良いと私は思う)。

次に、使用する熱源によって加熱時間などが異なることを配慮されていないことが多い点も不満である。
今回、私の使うアルストはエバニューのものである。トランギアのものよりは火力が強い上、トランギアのような火力調整はできないモデルである。
同じアルストでもメーカーによって火力が違う。これがアルストではなくガスコンロやネイチャーストーブであれば、なおのことである。
ちなみに私はアルストが好きだ。自然に優しいバイオエタノールが使える。少なくとも液化天然ガスやガソリンのように国際紛争の火種にはならない。もちろんバイオエタノールにも、残念ながら、原材料となる穀物が発展途上国の食料問題に影を落としてしまうことがあるのだが…どうか私の使うバイオエタノールが、砂糖を取り終えたサトウキビなどのような食用に向かない素材から作られていることを願う。

まだまだユーザーの少ないアイテムの場合、参考となるレシピが限られる点も、不満といえば不満である。しかし、これは自分がそのギアにおける第一人者になれるチャンスかもしれないと解釈することとする。
今回のB6角ダッチも、まだまだ参考となるレシピが限られる。

今回のメニュー

今回はダッチオーブンの中で「雑穀米の炊き込みご飯」を作りながら、ダッチオーブンの上で「ししとうの味噌炒め」と「目玉焼き」を作った。
いわゆる自動炊飯である。使ったアルコール燃料は60mLである。ししとうはダッチオーブンを火にかけると同時に炒め始める。ししとうに火が入ったら、予め溶いておいた味噌ダレをかけて煮詰める。
アルストの火が小さくなりはじめたら、ししとうの味噌炒めを蓋の片側に寄せて、空いたスペースに卵を割る。アルストの火が消えてもしばらくそのまま放置しておく。目玉焼きの加熱は、半分ほど予熱による。
なお、分量は全て目分量である。ししとうは4本使った。
おこげもこんがり美味しい「定食」が出来上がった。別途、味噌汁を添えて美味しくいただいた。

調理のコツ

確かに美味しくできたのだが、反省点もある。
まず、給水はしっかりとさせておく。
それから、この角ダッチ一杯のご飯は、まるで運動部に所属している男子高校生みたいな分量になる。御高齢の方や女性は気持ち少なめに作ったほうが良いかもしれない。
分量を減らした分、気持ち多めに水を入れて炊飯することをオススメする。

なお、多少の吹きこぼれは気にしない。エバニューのアルストは、多少の吹きこぼれで消えるようなヤワなものではない。
もし、あまりにも吹くようなら、蓋を少しずらす。この時、B6角ダッチは小型なので、特別なリッドを使う必要はない。普通の箸を蓋のつまみに差し込み、箸を蓋のへりに付けることで、テコの原理で持ち上げると安全に簡単に熱々の蓋を取り外すことができる。
本体を持ち上げる時も、特別なリッドは使わない。普通の箸を取手に通して、箸の両端を持って持ち上げることができる。
小型イコール軽いというのが生きてくる。

今後のために…

今回は太陽熱ではなくアルストで調理した。恐らく太陽熱で調理したら軽く2時間くらいかかっただろう。それがアルストだと10分〜15分で出来上がる。太陽熱で調理した経験があるからこそアルストの「ありがたみ」がわかる。もちろん太陽熱は誰もがタダで使える燃料という点では素晴らしいが。
もちろん同じメニューを太陽熱でも作ってみたいとは思う。ただ、今回のメニューで改善したい点がある。
それは中身のご飯の分量を半分に減らすことである。さすがにこれは多い。朝から夕暮れまでずっと野山を駆けずり回っていたのならこの分量でも良いかもしれないが。
そして、分量を半分にするのなら、空いたスペースでもう一品、何かを作りたいと思う。もしちょうど良いサイズのステンレス製のコップがあれば、そこでカップケーキみたいなスイーツを作れないだろうか。

まだまだ改善の余地はあるものの、B6角ダッチを買って良かったと思う。楽しい。

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