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働く=学園祭?

医者からは「安静に」「疲れたらすぐ休むように」と言われている身の上ではあるが…
…やっぱり仕事は楽しい
この仕事の楽しさって何だろうと思った時、ひょっとして仕事の楽しさは学園祭や文化祭の楽しさに似ているのかも、と思った。

働く=学園祭?

冒頭の写真は、私が作ったPOPである。

参考までに、このPOPは商品の入っていたダンボール箱を適当に切って組み立てただけのものである。使った道具はハサミとガムテープだけ。制作時間は10分くらい。横から見ると三角形になっていて、このPOPは自立している。
このPOPの設置に合わせて、最上段の商品を並び替えた。元は生ジョッキが左端で、その隣がスーパードライで、中央に黒ラベルが並んでいた。それを中央に生ジョッキを置き、缶のデザインが似ているスーパードライを左端に移動させた。

多分、私が商品にPOPを取り付けるのは一番最初に勤めた会社の新人研修以来かと。私は法人営業だったので。
法人営業に出掛ける際に、ちゃっかり自分の営業車のリアウインドウの所に、店舗営業で使われなくなった吸盤のついたPOPを何個か取り付けていた(痛車?)。けど、それは全くの「お遊び」だからノーカウントかな。後部座席に積んだサンプルの上には、これまた「すそまき」と呼ばれるPOPを被せていたけど、このすそまきも店舗営業で不要になったものを貰っていたなぁ…見たら一発でどこのメーカーかわかるような、カラフルな花柄のすそまきだったけど(やっぱり痛い?)。

さて、写真の通り、とても小さな冷蔵庫である。これでも、売り場は売り場
私が商品の位置を入れ替えるなんて、学生時代にやっていた試食販売のバイト以来かもしれない。思えば私は、試食販売のバイトの実績が認められて、新卒なのに転職者として就職したなぁ。もう20年以上も前のことだけど。
今の私はマーケティングのデータを見るのが好きだけど、やっぱりリアルな現場を見ないで数字だけ見るというのは違うかと。実際、こうして売り場を見てPOPなんか作っちゃっている。

担当さんから「今度これを売ろうと思うんだけど」という話を受けてから、あれこれやり取りして、発売開始から5日目にデータを見ながら私がこのPOPを作って設置して…という一連の流れは、何だか学園祭とか文化祭みたいな感じがした。

売り場=舞台?

学園祭とか文化祭は、来場者に楽しんでもらってナンボである。それが演劇の最優秀賞だったり合唱の金賞だったりにつながる(綿菓子やポップコーンの売上というのは「いかにも」だから避けておくけど)。
この冷蔵庫という舞台を、どう演出するか。

冒頭に出したPOPに対して、担当さんが「これはちょっと派手すぎてウチには合わないかな…」と捨ててしまうなんてことも、私の中では織り込み済みだった。もしそう言われたら、私は「今度は、もうちょっとマッチしそうなものを作ります」と約束するつもりでいた。幸いにも今回は、「なるほど、こういう具合に作れば良いのね」という感じに受け入れてもらえたが、最終的な判断を下すこの担当さんは総監督みたいな役割。
今回の私のような、POPを作るという作業は小道具係といったところだろうか。

正直、私は学園祭よりも仕事のほうがラクだ。
学園祭は数字が見えづらい。例えば、ある大学の学園祭の実行委員と話をする中で「去年は何人くらい来たの?」と私は尋ねたが、全く数字は返ってこなかった。そこで「来場者に配るパンフレットは何部作って、どれくらい余ったの?」と質問を変えてみても、数字というものが全く把握されていなかった。
そういう(私が大好きで得意な)数字の話は別としても、学園祭の場合、単に自分がカッコつけたいだけの人がいたり、特定の誰かと仲良くなりたいだけの人がいたりと、余計な思惑が邪魔をする。そういう余計な思惑は、舞台をあらぬ方向に持っていく。最悪の場合、船頭多くして船山に登るということすら起きうる。
実は私には、あまり学園祭とか文化祭に良い思い出はない。というのも、ほぼ毎年「んな、やってられっか!」と投げ出す困った子だったので…。
そんな邪魔な思惑は、まず仕事には入り込まない。そもそも仕事に私情を挟むなんて、社会人として失格だ…というのは私の昭和な考えだろうか。

脇役になるな、主役になれ

極々まれに、私に対して「そんな余計なことをするな」と言うような人がいる。
そういう人は恐らく、仕事はできる限りラクをして給料だけ貰えれば良いといった考えの人だろう。そういう人を、私は仕事の楽しさを知らない残念な人だと思っている。嫌々渋々仕事をしていたら、仕事は楽しくなんてならない。

担当さんが「今度これを売ろうと思うんだけど」と言う、ということは、担当さんは担当さんなりに考えて動いているということである。このビールの件だけではないのだが、担当さんは色々と工夫や挑戦や試行錯誤をしている。だから私も協力する。
この工夫や挑戦や試行錯誤が面白い。そして、そういう戦略がバシッと決まった時の爽快感がたまらない。冒頭の写真のPOPは、ほぼ思った通りの出来栄えに仕上がった。こういうのが嬉しい。やれることをやったら、あとはお客様の反応を見て次の一手を考える。
「売り場=舞台」と思った時、とっさに主役は商品かと思った。いかに主役である商品を盛り上げるか。
でも、こうして知恵を出し合ってより良い状態に持っていこうとする上では、私も含めて全ての労働者が主役になれると気付いた。

採用面接はオーディションだ。主役をはれる人であるという姿を見せれば通るはずだ。採用されてからも、「社員のかがみ」とか「出世頭」とか「エリート社員」などを演じ続ければ良い。
福利厚生、給料、有給休暇、そんなものは主役級のパフォーマンスを残せば自然とついてくる。

実は2週間ほど前から私は仕事が増えたが、その増えた仕事について給料の話は一切していないし聞かされていない。給料なんて、私の仕事っぷりを見てから決めてくれたら良いと思っている。
冒頭に書いた通り、私は健康上の問題がある。正直この仕事は高々4時間だが猛烈に疲れる。この仕事の後は3時間くらい身体を動かさないで休めている。でも、やりがいはあるし、工夫できるところもある。

昨今、企業側では人手不足や人材不足が言われている。一方でワーキング・プアだとか、半年以上ずっと転職活動中という人も多いと言われている。
正直、私にはわからない。
これは書くと長くなりそうなので、また別の機会に書きたい。

まとめ

仕事は楽しい。以上。

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