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『戦場のピアニスト』が映画との出会いだった

人生で初めて映画館に行ったのは小学5年生のとき、『戦場のピアニスト』をどうしても観たいと思ったときでした。
この体験をきっかけに、映画へのめり込むようになったことを昨日のことのように覚えています。
生まれて初めて映画館で観る映画は人生で一度きりの経験だからこそ、それが『戦場のピアニスト』でよかった、今でもそう思っています。

『戦場のピアニスト』に惹かれてからの道のり

もともと戦争に興味があり、幼いながらに戦争物の本を読みあさっていました。
その折、公開されたのが『戦場のピアニスト』。
音楽をやっていたこともあり、今この映画を観なければいけないと強く感じたことを今でも覚えています。

連れて行ってくれたのは祖母だった

母親は戦争物が大嫌いで、子供には明るくハッピーエンドの作品にだけ触れてほしいという考えの持ち主です。
私が『戦場のピアニスト』を観たいと訴えても、「そんな映画を観てはいけない」の一点張り。
一方で、祖母は子供の頃こそこういった映画に触れるべき、と私を連れ出してくれました。
幼少期に生々しい現実を描いた作品に触れなくてはならないという祖母の強い意志は、今でも私の生き方に強い影響を与えてくれています。

ショックを受けたことの大切さ

戦争を題材とした映画ですから、もちろんショッキングな描写があります。
なかでも、無抵抗の人間に対して同じ人間が理不尽な暴力を振るう様は居ても立っても居られないような気持ちになりました。
しかし、こういったショックを受けることが悪いことだったとは思いません。
「人間はどこまでも残酷になれる」ことだけではなく、「どのような環境化でも、例えば芸術のようにすがれるものがあれば人間は生きていける」ということを知れたからです。
感受性の高い子供のときにこの映画に出会えたことは、大きな財産でした。

最初に出会う映画はその先も自分の杖になる

『戦場のピアニスト』と出会ってから長い年月が経ちましたが、今でもふとした折に見返しています。
もちろん、明るく楽しいハッピーエンドで大団円というだけの映画ではありません。
しかし、何度観てもそのときのメンタルや環境によって違った感想を与えてくれます。
タイトルに関わらず、人生で初めて観た映画を覚えている方は、またふとした瞬間にぜひもう一度観てほしいと思います。
大人になった今だからこそ、新しく汲み取れるものが必ずあるはずです。
そして、その経験がこれからの人生を支えてくれることを私は信じて疑いません。

どんな映画を観たがっていても他人が制限してはならない

私には子供がいませんが、仮に子供がいたとして、一般的に年齢不相応であろうという映画を観たがったとき、それを制限したくありません。
幼いうちに自発的に触れたい映画ができた、という意思を尊重してもらえたことが私の映画人生のはじまりとなったからです。
幼いころのシンプルな感情で惹かれた作品というのは、なにか意味があることだと思っています。
幸運なことに、私は映画にまつわる思い出に関してとても恵まれていました。
年齢問わず、映画にふれたいと思ったとき、特にそれが自発的な思いであったっとき、必ずいい思い出になってくれることを信じて疑いません。


#映画にまつわる思い出


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