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事業会社を始めて、そして閉めた話(その4)ピボット出来ず。

続きです。

で、そんな危機に、今でいうピボットを目論む訳です。

Android出始め。目端の効いた方は環境をPCに入れて遊んでいた頃。なんだかウチのサービスかなりフィットするよなと思う。

エンジニア優秀だったので、パーサーアプリをちょこちょこ作らせたら、やはりサーバーそのままでサービスの移植ができてしまった。簡易なデザインだけで済んでしまったた。

日本メーカーのスマホがまだ殆ど出ていない頃だったと思います。

早速営業。とは言え事業が少し違ってくるから、株主意向とアンマッチが起るとまずい。そんな事やる為に出資したっけ?という事ですね。

なので、次のPFとしてAndroidご興味ないですか?と聞いて回ると共に、少なくとも出向元のグループと2社くらいは直接需要がある様なので営業をする。出たばかりのスマホに早速アプリを入れて持ってゆく。

マネージャークラスは、おお!まじですか!?どうしようかと思っていたら、出来てんじゃん!という様なGoodな反応。でも、確か(その1)に書いた、元直轄グループの部長が流れ流れて彼らの上司になっており、以下略です。事業クラッシャー。この方もう一度出て来るかも。。。

それで、いっその事キャリアのコンテンツ事業部系統への営業を考え始める。しかしパートナーさんがすでにそのポジションに居ますので、こちらの持ち札が少なくて、とてもカニバる様な覚悟はできない。では彼らの受託を受け、関連の営業を行う事でやっていこうと。

渡りに船の筈の先方社長に、「御社いずれ必要になりますよね。ウチ既にほぼできてるんですよ」と言うと、「おお、そうなんだよ! ウチもやらなきゃねえ」といい反応で機会ある毎に小刻みに営業。

こちらの社長が、じゃあ営業の件預かるよと言うので、アプリ少し綺麗にしたり、移植想定して、課題など出したりして待っている。

ですが、なかなかデモのアポが取れない。

何度かプッシュしてもらうも、何故か反応が鈍い。先行メリット無くなっちゃいますよと押して半年くらい後に伺いました。

着いてみると、会議室にはえらい緊張が漂っていて、暗い雰囲気。これは一体何事かと。

こちらのアプリを見せる。よく出来ていますねと先方のシステム部長淡々という。「ウチらのよりも現状いいかもしれません」。

は?

この間、我々と全く同じものを、新PFの勘が無い中、ウン億で外注にだしていたのですね。。。

当時の自分としては、裏切ったな!というより、無駄なことを!というのが正直な所でした。ウチのエンジニアの方がずっと優秀かつ、先方のデータベース、サーバー群を知り抜いていたのに。

 後日談ですが、ウチの二人目の社長は出世コースからはちょっとずれてしまい、当座経企のある部署で部長をしていて、サステイニング、敗戦処理でお前やれと送られてきたんですね。穏便に安楽死という筋書きで。

一方パートナーの社長は自発的にやった構図にしたかった。なのでKたろうの要求は出来るだけ引き伸ばしておしまい。でも知らぬ存ぜぬで居られなくなって、その日を迎えたという、何とも間抜けな話であった訳です。

招かれざる客ともまさか思わず、性善説の私は当日意気揚々と臨んだわけです。

これで、詰んでしまった。いや、もう詰んでいたんです。最初から。

企業としてはゆっくりと穏便にいつか死なざる終えなくなった。

続きます。

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