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ヨムコント「スイカ割りって結局何なんだろ?とふと思った話」

スイカ割りって何なんだろ。よくよく考えてみると、摩訶不思議なゲームである。

まず目隠しをして視界を塞ぎ、棒をおでこに当てそれを軸にグルグル回転。平衡感覚を有る程度衰弱させた後、「右!」「もっと右!」「ちょっと左!」「そのまま真っ直ぐ!あ!ちょっと下がって!」と曖昧且つ信憑性のない指示。

そして急に「今!今!」とかガヤから言われて「わっわっ!」と棒を振りかざす。スカしたらハズレ。見事スイカにヒットしたとしても、ぐちゃぐちゃのスイカの果実を仲間でむさぼり喰らう。

以上。

なにこれ?誰が得するゲームなんだろ。スイカはキンキンに冷やして均等にキレイにカットして、美味しく頂きましょうよ!

と言いたい。きっとこのゲームは夏のビーチというシュチュエーションが脳に変なアドレナリンをジュワっと放出させてしまっているのだろう。そうだ。夏のせいだ。ビーチのせいだ。いやビキニのせいだ!

つまり、スイカ割りとはビギニ(摩訶不思議)なのである。

と、そんなわけはなく。もっと現実的に本気を出して考えてみよう。色々と調べてみると(Wikiっただけ)、スイカ割りには『日本すいか割り協会』なるものが存在し、実は公式ルールがあるのだ。

この公式ルール、少し気になると思うのでWikipediaを原文そのままで転用してみた。ただこの協会、良くも悪くもノリの度が過ぎる感じだったのでルール説明に私が太文字で『補足と指摘』をさせて頂く。

↓以下、Wikipedia参照↓

【すいか割り公式ルール】
(日本すいか割り協会版)

農業協同組合(JA)が設立した「日本すいか割り協会(Japan Suika-Wari Association;JSWA)」が、1991年に定めた「公式ルール」を紹介する。(←すいか割りをSW。ダサっ)なお、JSWAはJAがスイカの消費拡大を目的として行ったキャンペーンのために設立されたものであり、現在は存在していない。(←もう協会ないんかい。ただJAが関わるくらいなのだからさぞ目的達成までのプロセスがキッチリしたルールなのだろう)


■スイカと競技者の間の距離
9m15cm。(←その15cmはなに?こだわりのクセ!)

■棒
直径5cm以内、長さ1m20cm以内。(←ほぼゴボウの説明)

■目隠し用手ぬぐい
・JSWA 公認のもの。(←スイカの消費拡大という目的を大義名分とし、しれっとノベルティグッズによる小銭稼ぎに着手)

・目隠し度合いの確認のため1万円札を競技者の前に落としてみる。(←これはマジで意味わからん。「あ!1万円札や!」的なリアクションをしたら目隠しされてないって事?公認の手ぬぐいなのに別途1万円札使って確認しないとならない?)

■使用するスイカ
国産スイカ(よく熟れたもの)(←無駄に品質にこだわる。生産者さんに普通に申し訳ない)

■制限時間
3分(←逆に時間無制限にすれば3時間経過後くらいから面白くなりそう。「まだやってる・・・」的な)

■判定
割れたスイカの断面の美しさによって審判員が判定する。
最も美しいとされる、スイカが2つに割れてその2つの大きさが均等という状態を満点として割れた部分の大きさの不均衡具合によって減点法で採点する。(←参加した時点である意味全員敗者。スイカの割れ目が美しいとかシンプルにキモい。審判員の選出基準が気になる)

■その他
審判員は、その年のスイカを10個以上食べている必要がある。(←いや知るか!自己申告制なの!?そして10個以上食べたら断面の美しさを見極める特殊な能力が身につくの!?)

以上、Wikipediaより。

どうでしょう。大学生がサークル飲みの席で考えたような企画。むしろそうであって欲しい。シラフで大人が考えて設立された協会とルールだと思うと、ゾッとする。(しかしJAがガチで絡んでいるので、本気かウケ狙いなのかわからないのが怖い)

これが本当にスイカの消費拡大に繋がるなら世の中のマーケティングという概念がはっきり聞こえるくらい音を立てて崩れる

いや•••でも•••実際にこのイベントを目の当たりにしたら見てみたい気もする。すっごいバカバカしくて楽しそうかも。

コロナ禍で様々な催し物が自粛されている昨今、今年の夏はきっとコロナも終息し、例年通りドキドキワクワクする夏休みが待っているはず。そういう期待も込めて。

よし。今年の夏はこの『日本すいか割り協会版公式ルール』に忠実なスイカ割りを実行し、夏をエンジョイしよう!

あ、協会なくなってるからJSWA公認手ぬぐい手に入らないや。

•••何だったんだろう。スイカ割りとこの考察。

<終>


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