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フランシスコ・アキラに伝えてきたこと

新日本プロレス Best of The Super Jr.29の初戦、名古屋大会。同じ日、我々全日本プロレスは札幌ホテルエミシア2連戦で大会二日目をおこなっていた。

大会を終え、オレは一人いち早く電車で新千歳空港へ向かった。東京へ帰る前に、空港でゆっくり酒を飲むためだ。

寿司屋でチビチビ飲っていると、アキラが初戦でSHO選手に勝利したことをtwitterで知った。アキラが日本にきていることを知ってはいたが、その日からスーパーJrが始まることは知らなかった。なので「もう試合したんだ」という感覚だった。

新日本デビュー戦に堂々の勝利。twitterの書き込みの時間的に、それはほんの数十分前の出来事のようだった。

空腹に酒を流し込んだので、早くに酔いが回っていた。そのせいか、試合に勝利し「やってやったぜ」といった表情で拳を握るアキラの写真を見た瞬間、オレはつい嗚咽を上げてしまった。そして、涙が滲み出てきた。イタリアで出会ったガリガリの少年が、異国で様々な苦労を積み重ねここまで来た。その生き様をずっと真横で見続けてきたオレにとって、アキラはもはや『プロレスで出会った実の子』といっても感覚的に過言ではない。嬉しいこと、めでたいこと。日本酒をもう一杯注文した。と、そのとき。

LINEがきた。アキラからだった。試合を終えてまだ1時間も経っていないはず。きっと会場から送ってきているのだろう。そこには、こう書かれていた。

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