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飲み助エレジー

酒で体をこわして死んだうちの親父。

たまあに、着の身着のままで家を抜けだしどこかへいくので、こっそりあとをつけていった。

近くの酒屋の自動販売機。あたりを見まわし、知った顔がないのを確かめると、ワンカップを買いその場でキュー!と一気に空けた。

空のカップをごみ箱に捨て、何ごともなかった顔で立ち去る。

そして、さも散歩にいってましたな時間に戻ってきた。

オレが高校3年生のとき。

そしていま、うちの近所。写真の空きカップが何ヵ月も前から放置されている。

きっと、死んだ親父のようなオッサンが近くにいるのだ。

飲み助エレジーが聞こえてくる。


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