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38.夢を有言実行
アンジーの勢いは止まらなかった。
アンジーさんには、まだまだ夢があってその一つにイギリスで30歳を迎えたら、髪の毛を切る!と決めて2年前から伸ばしていた。
その髪を切る日がついにやってきた。
「私も昔は長かったのよ〜」と若い女子たちに言うための、小さい夢。
あと、イギリスに関係なく海外の美容院で髪を切るのがちょっとした幼き頃からの夢だった。
美容院は、ステイ先の徒歩圏内を選んだ。オンラインで予約して、コメント欄に現在の髪型、希望の髪型、英語がうまく話せないのとゆっくり話してくれないと理解できないことを書いた。
学校が終わってからドキドキで、美容院にいく。
日本にいた時は月一スパンで美容院でケアをしていたこともあり、凄く久しぶりな美容院に思えた。
髪型は肩に付くか付かないくらいかの長さで、英語でも伝わりすいようにワンレグのオカッパにする予定で、何個か見本の画像を用意していった。
美容院について、名前を伝えたらちゃんと予約が取れてて、それだけで感動した。
髪型は問題なく通じたが、カラーがうまく通じなかった。私は茶色にはあまりしたくなくて、黒に近いダークブラウンを希望していた。
地毛が真っ黒じゃないから地毛と同じ色に毛先も揃えたいという感じ。
美容師さんと、アシスタントさんといっぱいイメージ画像を見せ合って、お互いの意見を探り合った。
ここで知ったのはヨーロッパ圏の人はカラーリング=イメチェンのイメージが強いらしく、ビフォーアフターの変化率を求めるらしい。
何度も「それじゃ今と変わらない」と言われてたけど、私はそれでよいのだ笑
最終的に私が折れて、これも海外の醍醐味かな。と思ってお任せすることにした。
そして、いざ断髪式。
担当美容師さんとビフォーアフターの写真を撮ってもらった。腰くらいまで頑張って伸ばした髪をバッサリ切るのが夢だった。
ちょっとじゃなくて、バッサリってのが重要。そのために2年伸ばしたんだ。
ジョキッジョキっ
と髪を切っていく。心地よかった。
施術中は、ゆっくりと日本の話とか語学学校の話とか身近な話をした。
流行りのメッシュとグラデーションを入れてあげる!と言われてベースはダークブラウンだけど、グラデーションの部分が結構明るくなった。
30歳にして90年代の渋谷ギャル(死語)みたいになった。
美容師さんもご満悦なご様子で、頭をいっぱい撫でてくれた。
想像以上にギャル感出たけど、それはそれで新境地で気に入った。
家に帰ると、ハウスマザーから凄く似合ってる!と褒めてもらえた。
軽くなった髪は、久々のトリートメントでつやつやになっていた。
夢がまたひとつ叶った日だった。
プロポーズまであと488日
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