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【#09】ウルトラライト・ハードカバーの設計方法

バタフライボードの福島です。

2021年1月14日から7回目となるクラウドファンディングを実施するにあたり、プロダクトへの想いや開発プロセスなど私が実行してきた『進化のウラ側』を少しづつですが共有させて頂きます。

第9回目は ウルトラライト・ハードカバーの設計方法 です。

noteXのウルトラライト・ハードカバーの設計方法

notesでは「セミハードカバー+専用ケース」の組合せでした。

新製品notesXでは「ケース無し+エクストリーム利用想定」し、下記を目標に開発します。

①持ち歩きたくなる「軽さ」
②邪魔にならない「薄さ」
③たわまない「強さ」
④汚れても拭き取れる「撥水性」X 主張しない「デザイン」

まず、「どこまでの軽さ、薄さ、強さが必要か」という仮説・指標からスタートです。

「素材や工法ありきのボトムアップ的な20%性能UPを狙う設計」ではなく、

「2倍や1/2というチャレンジングな指標」を決めて、トップダウン的に設計を進めました。

過去国内外オーディオ業界で、20年近く開発を行い6dB理論を学びました。

アンプのパワーを「2倍」にしたり、距離を「半分」にして初めて、6dB(倍)の音圧差が得られ、「人間の体感でWOWと感激する」という数字を体得しました。(dB=20log(X倍))

※dBは対数で、基準値と比較して「何倍」or「何分の1」かの単位です。

notesXのデザイン手法「感動は2倍論」

人間の体感でWOWを感じるには、重さや厚さを「半分」にして目的の機能を満たす事が重要である。

まずは、世の中の常識を調べ、基準値を定めた上で、実際に使用して使いやすさを検証していきました。

①軽さの指標
・一般的なA5サイズ近辺のハードカバーノート300~500g
・スマホが210g
・上述の6dB理論

を考慮し、

一般的なハードカバーノートの「半分」で、「スマホ程度の重さ200g」を目標としました。

<開発結果>
・新製品notesXは、notesと同じ12ページで『195g』を実現!

画像加工用アートボード_グラフィック_アートボード 1 のコピー 52

②厚さの指標
・一般的なA5サイズ近辺のハードカバーノートの厚み:16~20mm
・消せるボールペンの軸径は10mm(例外はあるがΦ9~15mmで9割以上を網羅:新開発ペンホルダーでフィットさせるの目的)

という事で、6dB理論+ペンとのバランスで、notesのページ数維持を考慮し、

「厚さ10mm」を目標にしました

<開発結果>
・新製品notesXは、notesと同じ12ページで『10mm以下』を実現

画像加工用アートボード_グラフィック_アートボード 1 のコピー 50

③強さの指標
notesXの場合は一般的なノートと異なり、ページを分離して使えるので、カバー1枚で一般的なハードカバーノート全体のたわみ強さを持つことを目標に。

確実に数値で追込むため、「フォースゲージ」を使い、たわみを数値化します。(5mmのたわみに達するまでの力を計測)

<開発結果>
・新製品notesXのカバー1枚でハードカバーノートと同等のたわみ強度を実現
・新製品nnotesXのセットでハードカバーノートの2倍のたわみ強度を実現

画像加工用アートボード_グラフィック_アートボード 1 のコピー 48

④撥水性 x 無機質感
中のページが濡れたまカバーを装着しり、エクストリーム環境利用を想定し、撥水機能を備え、無機質且つマットな質感を目標にしました。
(ただし、完全防水ではないので、水に浸すことはできません。)

画像加工用アートボードmain-55

上記設計目標達成のために、既存工場では部材調達や製造方式などで生産が難しく、新たに80年の歴史をもつ奈良法隆寺のパートナーと開発を行いました。

さらっと書いてしまえばこうなのですが、新工場立上げは、コロナの影響もあり、半端なく大変です。

notesX バタフライボード社の設計開発思想

世の中の常識を徹底的に調べ尽くし、自らの体感を元に常識を疑い、WOW(感動)を提供できる高い指標を定め、「素材や製造方法は後から考えるトップダウン」な落込みがを設計思想としています。

これは自社工場を持たない強みと業界の常識を持ち合わせていない事で、無謀なチャレンジができるように思います。

積上式ボトムアップの設計も重要ですが、20年近く別業界で設計の経験から、まずはトップダウンで考える事が、WOW(感動)を生むプロダクトの開発に繋がるのと思っています。

つづく

バタフライボードは “Hello, idea”® をコンセプトにアイデアに出会う道具を進化させ続けている会社です。

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