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愛 LOVE

 昨夜、数ヶ月ぶりに映画館へ行った。昨年末にロンドンに行った時、帰国日周辺でちょうどロードショーが始まり、日本では3月に上映予定と知り楽しみにしていた「ストーリー・オブマイライフ」。現代、Little Women。(若草物語)。

 ティモシーシャラメ好きとしては外せない映画、公開延期になってからずっと観に行ける日を心待ちにしていた。

 若草物語は、小学生の頃にハードカバーの児童文学で読んだきり。当時、子供心に印象的だったのは、猩紅熱を患ったベスが死んでしまう、けれど健気に貧しい人を思いやった、というくだりだった。

 やっと見つけた"愛"だと思っていたものが、"結婚"という社会的ステイタスに過ぎなかったことを知り、体裁だけを保ち、そのために自分の心を無にして、自分自身を騙し続けることができなくて離婚した2年前。未だに、"愛"とは何なのかわからず、生まれてきた家族や本当に大切な友人と助け合うことが、人生の喜びであり幸せだと感じている37才の私にとって、屋根裏でのジョー(シアーシャ・ローナン)のセリフはすごく共感するものがあった。

 ローリーという超仲良しの幼なじみ(ティモシー・シャラメ)からプロポーズをされたジョーが、一度断った数年後、ベスは帰らぬ人となる。大切だった妹を失って、子供の頃にベスたちと篭って小説を書いたり、それを演じて遊んでいた屋根裏で荷物を片付けながら、ベスとの別れの気持ちの整理をしているところで、母親との会話が始まる。

 ジョーが、ふとこぼす。"If he asks me again, I would say yes."(もう一度プロポーズされたら受けるわ)母は"That is not the same as loving."(それは、愛とは違うわ)とはっきりと言う。そのあと、ジョーが心情を吐露する。

I think that women, they have minds, and they have souls as well as just hearts. And They've got ambitions, and they've got talent as well as just beauty. And I m so sick of people saying that love is all women's faith for. I m so sick of it. But I'm so lonely.
女には、意思や気持ちがある、心と同じように。それに、美貌と同じように、野心や才能も備わっている。だから、結婚だけが女性の信じるべき価値だという社会に辟易してるの。もうウンザリ。でも、とても寂しいの。

 シアーシャ・ローナンが可愛いとか、衣装がめちゃくちゃお洒落(アカデミー賞・衣装賞を受賞)というのもあるけど、なんかこういうジョーみたいな気分が世の中の気分なんだなあと思って観ていた。原作にもこんなくだりあったっけ?と思い、ちょっと週末に読み直してみようかなとも。

 感想に書いたシーンはこちら。


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