陽紫 /

『植堂 plants+eats』主宰。ハレムラサキと読みます。 中高では園藝部に所属。…

陽紫 /

『植堂 plants+eats』主宰。ハレムラサキと読みます。 中高では園藝部に所属。育てたり食べたり漬けたりしてました。2005年より草月流生け花 池澤紅陽に師事。 植物を通じて人と話したり、集ったり、おいしい時間を過ごしたい。 5/21(日)文学フリマ東京参加予定。

マガジン

  • バタ子のスナック(旧)

    コロナ禍がはじまった最初の年、私はオンラインスナックをはじめました。植物、映画、ご飯、フェミの話から、なんでスナックをやりたいのか、生い立ちの文句まで色々ごった煮。

  • 家族はしんどい?

    介護をしながら働くアラフォーの女。痴呆と老化とともにある父と、引きこもりの姉と。家族は面倒なことの巣窟だけど、あたたかい何かもある。日記文学。毎日更新します。

ストア

  • 商品の画像

    zine『花を生けるとき I don't arrange flowers』

    花をいけること17年。私にとって花をいけることの意味を、これまでの作品とともに振り返りました。写真と言葉でまとめています。お花の生け方のインスピレーションが欲しい方、植物が好きな方に。名はいけばなの雅号「陽紫」で、「ハレムラサキ」と読みます。草月流一級師範。(A5サイズ、24ページ) *材料高騰のため価格見直しを行いました。
    1,200円
    植堂 plants+eats
  • 商品の画像

    zine『花を生けるとき I don't arrange flowers』

    花をいけること17年。私にとって花をいけることの意味を、これまでの作品とともに振り返りました。写真と言葉でまとめています。お花の生け方のインスピレーションが欲しい方、植物が好きな方に。名はいけばなの雅号「陽紫」で、「ハレムラサキ」と読みます。草月流一級師範。(A5サイズ、24ページ) *材料高騰のため価格見直しを行いました。
    1,200円
    植堂 plants+eats

最近の記事

Never alone! (君はひとりじゃない)

 家族のことを考えていると、やはりそのテーマについて描かれた本や映画をつい観てしまう。  今日見た「The Peanut Butter Falcon」は、現代版トムソーヤの大冒険。主人公のザックは、ダウン症。高齢者介護施設でエレノアという女性職員が担当して、監視された窮屈な毎日を過ごしていた。ダウン症だというだけで、一人で考えることも、感じることも、判断することもできるのに、一人前ではないというレッテルを貼られ、生まれてきた家族がもうザックを見捨ててしまったから後見人がいな

    • 別れた旦那のお母さんから届いたしらすとビール

       コロナ禍のお盆は、めちゃくちゃに暑かった。部屋のクーラーが真夜中にぶっ壊れた。息ができない夢を見て目が覚めた。息ができなくて目が覚めることは、よくある。イビキをかくから、仕方ない。無呼吸症候群なのかもしれないけど、そんなことで医者に行くのは面倒だし、だいたい何科に行くべきなのかもわからない。調べることすら面倒臭い。  コロナ禍になってから、もう1年が経とうとしている。昨年2月末に巨大な豪華客船でのパニックからじわじわと始まったウイルスとの攻防劇は、いつの間にかテレビの向こ

      • 戦力外家族

        今日は、仕事はじめ。なのでワンルームの一人暮らし住まいに朝から籠もる。 朝の支度を手伝っているはずの時間、日中こまめに水を飲ませること、夕飯の支度をはじめる時間。 介護していると、1日は本当にあっという間に過ぎていく。 保育園の代わりが、デイケア。デイサービス。意識のある大人、これまでの関係性のある大人をデイサービスに入れることは難しい。 本人が行きたいと言えば楽だけれど、嫌だと意思表示された場合。その配偶者がどう考えるか。本人の意思を尊重するのか、それとも合理的な方策を取る

        • 殴られても介護する。家族ってなんだ?

          父は、いわゆるDVだった。けれど、それがDVだったと気付いたのはつい最近、40歳を目前にした時だった。そんなものなのだろうか?就寝前に毎晩尻を洗う。介護が必要になった老人は尿路感染しやすい。きれいになった尻を拭いて新しい紙パンツに替えながら、昔をふと思い出す。ドラマの筋書きみたいに。そして、あれはDVだったんじゃないかとしみじみ自覚する、そんな感じ。 年末年始のお休みも、今日で終わり。今日は12時過ぎまで起きられなかった。昨日は、叔母夫婦が正月の挨拶に訪ねてきたり。おせちや

        Never alone! (君はひとりじゃない)

        マガジン

        • バタ子のスナック(旧)
          20本
        • 家族はしんどい?
          6本

        記事

          一番人気メニューをやめた喫茶店

          「プリン出すのやめたんですよ。」 今日は、呆けた父がぐっすり昼寝しておやつの時間に声をかけても起きる様子が無いので、母を連れだして近所のお気に入りの喫茶店へ出かけて来た。 馬喰町のまわりには、最近小商いの多種多様な店が増えた。特にコーヒー屋さん。喫茶店。焙煎は仲良しの仲間の少し大きなお店の焙煎機を借りてやっているというその店は、桜小学校の脇のやや急な坂を登りきったところにある。 my morning coffeeというお店の名前の由来を聞いたことは無いけれど、朝早くから店

          一番人気メニューをやめた喫茶店

          おせち配膳

          2020年1月1日。 実家。東京に実家があると、日常は地に足のついた忙しさだ。地方から来た人が羨ましい気持ちがたまにある。だって、家族のややわずらわしい集まりや、手間のかかる頼まれごとは、地元に帰ったときだけでしょ。それが、ありがたくもあり、東京が地元であるプライドや安心感そのものでもあるのだが。 ロンドンに留学したとき、初めて地元を離れた。あのとき感じた非日常感。過去やしがらみとの断絶。同郷の人とはプラスの文脈だけでつながれる。 年末年始じゃなくても、チャリで15分のところ

          おせち配膳

          カズさん

           花を習い始めて16年目になる。これは、私が社会人になってからの年数と同じ。仕事はすごく面白かったけれど、なんとなく、会社だけの人生になるのが怖かった。何もせずに仕事だけをしていたら、きっとそうなってしまうことを予感している自分がどこかにいて、新入社員になりたてのまだ仕事も覚えていない時に、"植物が好き"という気持ちから連想される習い事として、華道をはじめた。  会社から歩いても行ける先生のお宅には、多いときは月に3回、少ない時には月に1回。忙しい時期は半年くらいお休みした

          カズさん

          バタ子のスナック 生い立ちの記 ②

           これはこの↓noteの続き。  ちなみに写真は2020年のカレンダー。壁一面に貼れて、1月から12月まで一覧性がある。昨年末、長い休暇を取ってロンドンーパリに旅した時に、パリで友人と合流し、Yvon Lambert というアートギャラリー併設の本屋さんへ行ったときに、その通りにあったPAPIER TIGREというセレクト文具店で購入した。友人とは生年月日がまったく同じで、でもやっぱり性格はちょっと違って、星占いなんてあまりアテにならないなと実感するきっかけになった、大学時

          バタ子のスナック 生い立ちの記 ②

          バタ子のスナック 生い立ちの記 ①

           ポッドキャストでは話した気がするのだけれど、そして、不謹慎と言われるかもしれないのだけれど、実はコロナ禍によってこれまでの生活や価値観がリセットされてちょっとホッとした部分もあると思っている。  コロナ禍によって、生活や価値観をガラッと見直さざるを得なくなったおかげで、ようやく、独り身であることと落ち着いて向き合うことができるようになった。  2年前に離婚をしてから、私の心の中には、社会的な正しいルートを外れてしまったもうダメな人間みたいな感覚があった。  大好きで尊

          バタ子のスナック 生い立ちの記 ①

          KANEBO 「I HOPE」を考える

          「化粧」を取り巻く日本のインサイト コロナ禍になって、化粧をしなくなったという知り合いは多い。ニュースのヘッドラインで、「リモートワークで化粧品が売れない」という事実も知った。一方で、どんなに社会の状況が変わろうとも、他人との関わり方が変わろうとも、化粧は欠かさないという人たちの存在もある。  "女性が化粧することは、身だしなみ(社会的マナー)の一つである"という常識は確かにこの日本の社会に根強く存在し、そのルールに抑圧され、苦しんでいる女性(最近は、女性に限らず男性やさま

          KANEBO 「I HOPE」を考える

          しじみの味噌汁

           大学時代からの友人に生身で会った。二月以来だから、もう半年近くぶりということになる。ただ、ちょくちょくLINEやzoomで話していたから、久しぶりな感じは無かったけれども、生身の相手に会うと、リラックスできるし緊張もするし、同じタイミングで360度同じ空気を共有して、それなのに違うことを感じたっていう感覚を交換できて、めちゃくちゃ疲れるのに、めちゃくちゃ楽しい。  で、気づいたら二万歩も歩いていた。品川〜大崎〜渋谷〜代々木公園。ほとんど電車に乗らず、密を避けて歩きまくった

          しじみの味噌汁

          清春芸術村に行った話

           外出自粛の4連休、すっかり引きこもり生活が染み付いてしまい自宅で快適におこもりしている。今日は、少しずつ集めたアロマオイルを並べて、消毒用のスプレーとアロマオイルスプレーを作ったりなんかした。で、まあこうやって手を動かしてると基本的には無心になるのだけれど、香りを嗅ぐと、ふとその香りが漂っていた昔に意識が飛んでいくことがある。  ふと思い出したのは、2年前のちょうど7月に清春芸術村行った時のこと。  山梨県北杜市にある白樺派の美術館や建造物がある場所。緑の中に転々といく

          清春芸術村に行った話

          映画「チョコレート・ドーナツ」を観て

           相変わらず梅雨は明けませんが、部屋にこもって映画を観る時間は至福です。最近観た映画の話。  「チョコレートドーナツ」(原題:ANY DAY NOW) 女装してショーをするドラアグクイーン的な仕事をしているルディと、ゲイであることを隠して弁護士をやっているポールが出会う1970年代のカリフォルニア。当時のアメリカは、ゲイへの差別が凄かったみたい。まあ確かに、Netflixのクァアイなんかを見ていても、現在アメリカのローカルエリアに住む人の口から「ゲイっていいやつなんだな」と

          映画「チョコレート・ドーナツ」を観て

          「破局」を読んだ

           トレスの展示を見に行った帰り、文喫に立ち寄った。本屋さんへ行くのも、コロナ禍になってからグッと頻度が減ってしまった。わざわざ本屋へ行っていた日々が懐かしい。  和樂のコンテンツに触れるようになって、ずっと興味はあったものの手つかずだった「源氏物語」熱がふつふつと湧いてきたこともあり、源氏物語特集を組んでいた文藝夏号を購入。  で、意識せずなんとなく巻頭から読み始めたのが、遠野遥さんの「破局」だった。芥川賞候補作だと、読み終えてから知った。  恋愛中のなまなましい日々が

          「破局」を読んだ

          天気が良すぎて、切ない味がする:トレスのフォーチューン・クッキー

           今日くらいには、仕事が少しだけ落ち着くだろうと見通しを立て、WAKO WORKS OF ARTで開催中のトレスの全世界同時展覧会の予約を入れていたので、午前中に企画書をやっつけて昼ごはん前に家を出た。私の中で六本木は、人が多くて、ちょっと小汚いイメージの街なので、感染リスクを抑えるために、防菌スプレーを全身に撒いて、大きめのマスクを装着。  思ったよりも街に人はいなくて、とにかく快晴で、ビルの影すら焼き尽くしそうな太陽の光が、ひたすら眩しい正午。  ギャラリーがいくつか

          天気が良すぎて、切ない味がする:トレスのフォーチューン・クッキー

          浮世絵は広告ビジネスの原点

           5月の終わりから毎週火曜日の夜が、金曜日の夜みたいに待ち遠しい。それは、和樂さんのスナックが開催されるから。  ネットフリックスやアマプラ、TVerなどの登場で、もはや「何曜日の何時からはこれがある!!」というコンテンツとタイミングのマリアージュでワクワクすることは、現代では"ほぼ"なくなったと言ってもいい。時々、金曜ロードショーで「天空の城 ラピュタ」が上映されるとき、日本中が一体となって画面の前に座っている感じはあるけれど。マスでそういう時間の共有が起きるのは、もっぱ

          浮世絵は広告ビジネスの原点