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Never alone! (君はひとりじゃない)

 家族のことを考えていると、やはりそのテーマについて描かれた本や映画をつい観てしまう。

 今日見た「The Peanut Butter Falcon」は、現代版トムソーヤの大冒険。主人公のザックは、ダウン症。高齢者介護施設でエレノアという女性職員が担当して、監視された窮屈な毎日を過ごしていた。ダウン症だというだけで、一人で考えることも、感じることも、判断することもできるのに、一人前ではないというレッテルを貼られ、生まれてきた家族がもうザックを見捨ててしまったから後見人がいないという理由だけで、囚人のように施設に閉じ込められている。何度も脱走を図って、ついに成功して...からのお話。

タイトルに「ピーナツバター」がつくのも、「ファルコン」が入っているのも個人的にはとてもそそられて、ずっとFilmarksでクリップしていた作品だ。
 ネタバレになってしまうので詳細は伏せるけれど、「Friends are the family you choose」と言って脱走を手伝ってくれる同部屋の老人のセリフや、ザックの自分に真っ直ぐな姿には、たくさん勇気をもらった。

 人は誰でも、どこかしら弱者だけれども。今の社会の仕組みのなかで圧倒的に弱い立場にある、障がいのある人が主人公になっているお話は、昨年、色々なことがあってからよく見るようになった。"社会にある偏見を無くした方が素敵な世界になる"というメッセージをストレートに受け取りやすい。それに、たとえ自分自身に今は障がいがなくても、大人になるまでのどこかのポイントで傷ついてしまった自己肯定感や心の中にあるモヤモヤが、主人公が向き合う壁とシンクロして、感情移入しやすくもある。

 昨年一度noteにも書いたけれど、「チョコレートドーナツ」もドラアグクイーン、ゲイ、ダウン症がキーワードの実話を基にしたお話。(観た直後に書いたnoteはこれ)

「37セカンズ」は、生まれてくる時に37秒間呼吸ができなかったために、手足が自由に動かなくなった女の子の話。

 昨年末に公開された「ジョゼと虎と魚たち」のアニメ版も、足が不自由な女の子の話。実写版は十数年前に池脇千鶴さんが怪演されている。

 いろんな映画を観たり、日々いろんな出来事に遭遇したりして、大人になればなるほど、人間てみんな一人ひとり本当に違うし、できないことの方が圧倒的に多いし、できてもやりたくないことに支配されるのがどんどん我慢できなくなってくるし、弱くて小さな存在だなあと思う。家族って、いろんな切り取り方があるけれど、黙っていても何もしなくてもそこにいていい場所を作ってくれる関係を築けたら、それは本当に幸せなことなんだと思う。生まれてきた家族でも、生まれた後に作った家族でも。結婚していても、していなくても。異性同士であっても、同性同士でも。そういう関係性を築くまでに、悲喜交々あるのが家族でもあるのだけれど。


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