吉田 章/物流屋のひとりごと

石川県金沢市にある野々市運輸機工株式会社の社長です。 現在の物流について物流屋の社長目…

吉田 章/物流屋のひとりごと

石川県金沢市にある野々市運輸機工株式会社の社長です。 現在の物流について物流屋の社長目線で発信していきます。 Xでも積極的に発信をしています。 Xアカウント https://twitter.com/a_yo_shi_da

最近の記事

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物流2024年問題 問題になりやすいトラックの運行は〇〇です

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用されます。 今回は2024年4月以降、どのような運行が問題になりやすいのかを考えてみました。 結論からお伝えしますと、『長距離運行』が問題になる可能性が高いです。 「そんなことは分かっている」 という声が聞こえてきそうですが、改めて説明をさせてください。 そもそも長距離というのは何キロメートルという明確な定義がありません。 こんな時に頼りになるchatGPTさんに聞いてみまし

    • 災害物流の現場

      2024年1月1日に能登半島地震が発生しました。 我々は1月2日から石川県からの依頼で支援物資を能登に運びました。 今回の地震で支援物資の拠点となったのが石川県産業展示館でした。産業展示館には震災直後からたくさんの物資が全国から届いていました。 全国の皆さま、本当にありがとうございます。

      • 荷主が運送会社と安く契約を結ぶ3つの方法

        さて2024年4月から運送業に適用される労働時間規制や物価高騰により、運送会社から運賃値上げの要請をされている荷主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。 それではどのように荷主さんは運送会社と付き合えばいいのでしょうか。 今回は3つの方法を提案させていただきます。 1.時間指定をしない 2.実運送事業者と契約をする 3.できるだけ出荷をまとめる 1.時間指定をしない 以前に記事として朝8時着指定が問題を起こしているという記事を書きました。 なぜ時間指定をしないことが

        • 深刻です。運送業の価格転嫁率は◯◯%です。

          様々な製品の価格が上昇する中、企業がコスト増を価格に転嫁できるかどうかは、その経営の成否に直結しています。 最近では日産自動車が下請けに対して不当な減額取引を行っていたことが明るみに出て大きなニュースとなりました。 では、トラック運送業ではどのくらい価格転嫁ができているのでしょうか。 日経新聞には下記のような記事がありました。 なんとトラック運送はワースト1位です。業種別で最も価格転嫁が出来ていません。 燃料、トラック、タイヤ、人件費が上がり、2024年4月からは労働時

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        物流2024年問題 問題になりやすいトラックの運行は〇〇です

          変化を見据えなかった運送業界:働き方改革とドライバー給与の未来

          物流weeklyさんで下記のような記事を見かけました。 最近、「乗りたいドライバーを乗せることができない」と嘆く運送会社の声を耳にすることがあります。この発言の背後にある問題について、深掘りしてみたいと思います。 物流業界では、ドライバーの給与体系は主に歩合給で構成されており、その形態は売上歩合や距離歩合など多岐にわたります。しかし、2024年4月から施行される働き方改革法により、これまで可能だった一定量の仕事が制限されるようになり、結果として売上と給与の減少が予測されま

          変化を見据えなかった運送業界:働き方改革とドライバー給与の未来

          聞き取り調査!?トラックGメンが動いています

          以前、トラックGメンについて記事として取り上げましたが、彼らは最近も活発に活動しているようです。 静岡テレビのYouTubeチャンネルでは、トラックGメンに関するニュースが報じられています。 このニュースでは、東名高速・牧之原サービスエリアで、トラックGメンがトラックドライバーに荷物の待ち時間などの状況について直接聞き取り調査を行っています。ドライバーの話によると、荷物の待ち時間はまだ解消されていません。 私たちの会社では、よく工事現場に荷物を運ぶことがありますが、待た

          聞き取り調査!?トラックGメンが動いています

          荷主の物流担当者のための改善基準告示解説 【運転時間編】

          第2弾は『運転時間』についてです。 改善基準告示では1日に運転可能な時間というものが決められています。正確には2日を平均した1日あたりの運転時間は9時間以内と定められています。ややこしい言い回しですよね。 荷主の物流担当者さんは1日9時間以内というのを覚えておけば大丈夫です。 ここで大型トラックの最高速度のおさらいをします。 一般道 60km/h(道路により異なる) 高速道路 90km/h(2024年4月から) 一日でどこまでいけるのか、考えてみましょう。 仮定として

          荷主の物流担当者のための改善基準告示解説 【運転時間編】

          めちゃすごい補助金が国土交通省から発表されました!

          3月4日、国土交通省から、めちゃすごい補助金が発表されました。 その名も 『物流施設におけるDX推進実証事業費補助金』 です。 【事業内容】 物流施設における自動化・機械化・デジタル化の優れた取組について、システムの構築や自動化機器の導入等への支援を行うことにより、物流施設におけるDXの強力な推進を図るものです。 【支援割合・上限等】  ○支援割合:1/2  ○システム構築・連携【1社あたり:2,500万円】  ○DX機器導入【1社あたり:1億1,500万円】  ※

          めちゃすごい補助金が国土交通省から発表されました!

          荷主の物流担当者のための改善基準告示解説 【拘束時間・休息時間編】

          先日、政府が一定規模以上の事業者を「特定事業者」に指定して「物流統括管理者」の設定など義務付けするというニュースがありました。 今後は荷主の物流担当者さんもトラック運転者の労働時間等のルールを理解していく必要性が高まってきます。 2024年4月から適用される改善基準告示を荷主の物流担当者さんのためにシリーズで解説をしていきたいと思います。 まず第一弾は『拘束時間』についてです。 資料は国土交通省が作成した「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」を使って説明した

          荷主の物流担当者のための改善基準告示解説 【拘束時間・休息時間編】

          珠洲市で炊き出しをしてきました

          3月3日 石川県トラック協会青年部のメンバーで、珠洲市の生涯学習センターに炊き出しに行ってきました。 炊き出しは今回で2回目になります。 お昼ごろになると200名くらいの方に集まっていただき、とても喜んでいただきました。 珠洲市の様子は先月行った時と、ほとんど変わっていませんでした。まだまだ支援が必要です。 皆さま、引き続きご支援をよろしくお願いします。

          珠洲市で炊き出しをしてきました

          標準的な運賃は実際に使われているのか?

          LNEWSで下記のような記事がありました。 国交省/運輸審議会が標準的な運賃8%引上げにGOサイン そもそも標準的な運賃ってどのくらい利用されているのでしょうか。調べてみると下記のような国土交通省の調査(令和4年)がありました。 標準的な運賃を提示しているのはアンケートに答えた運送会社の21%でした。自分的には5社に1社が標準運賃を提示しているというのは非常に多い感じがしました。運送の形態にもよりますが、多くの会社が標準的な運賃より20~30%低い運賃で運んでいる気がし

          標準的な運賃は実際に使われているのか?

          日本人ドライバーはいなくなるのか?

          特定技能、4月から「自動車運送業」追加というニュースがありました。 X @News_Logi いよいよ日本でも外国人ドライバーが解禁となります。 他国では外国人ドライバーがどのくらい活躍しているのかをChatGPTに聞いてみました。 ----- Q. 外国では外国人ドライバーを活用していますか? ChatGPT 外国では、特にヨーロッパやアメリカ、マレーシアなどで、外国人ドライバーの活用が進んでいます。 ヨーロッパでは、EU委員会が提案した新しいEU運転免許規則によ

          日本人ドライバーはいなくなるのか?

          田舎の運送会社と契約するほうがお得!?

          標準的な運賃の基本的なことは以前に書いた以下記事に説明がありますので割愛させていただきます。 今回は標準的な運賃の地域差について書きたいと思います。 標準的な運賃というのは、その運送会社を管轄する運輸支局ごとに設定されている運賃が違います。 例えば、金沢市の市役所から東京都庁までは473kmあります。 金沢市発で計算をすると 中型98,290円、大型130,760円 となります。 一方で東京発で計算をすると 中型115,820円、大型150,060円 となります。 なんと

          田舎の運送会社と契約するほうがお得!?

          「8時だョ!全員集合」が2024年問題を引き起こしている?

          東洋経済オンラインさんに面白い記事がありました。 X @Toyokeizai ドリフの世代じゃないと分からないかもしれませんが、「8時だョ!全員集合」が物流2024年問題を引き起こしている原因のひとつであるということです。 なんのこっちゃと思いましたが、読んでみて納得です。 着荷主はよく運送会社に対して朝8時着の時間指定をします。要するに自分たちの業務開始に合わせて持ってきてくださいということです。それ自体は悪いことではありません。問題はすべてのトラックに8時指定をする

          「8時だョ!全員集合」が2024年問題を引き起こしている?

          なぜ物流大手はタイミーに出資したのか?

          タイミー、株主として物流大手の4社が新たに資本参加上記のような記事がありました。 なぜ物流大手は出資したのでしょうか? 【結論】 倉庫やホーム上の軽作業をする人材を確保するため。ドライバー不足を直接解決するものではない。 【本文】 タイミー(Timee)は、2018年にリリースされたスキマバイト募集サービスです。企業が求めるスキルや働いて欲しい時間を指定するだけで、条件にあった働き手が自動でマッチングします。 学生から中高年までさまざまな人が利用しており、スキマ時間で

          なぜ物流大手はタイミーに出資したのか?

          ネスレ トラック年間4000台削減 トラックはいらなくなるのか?

          食品新聞に以下のようなニュースがありました。 年間4000台削減というのはすごい台数ですね。はたしてモーダルシフトは他企業にも進むのでしょうか?今回はモーダルシフトについて考えてみたいと思います。 【結論】 ・物量、定期出荷のある会社はモーダルシフトをしやすい ・500km以上の輸送は経済的メリットがでやすい ・鉄道はトラックより台風や大雪などの天候に弱い モーダルシフトというのはトラックから鉄道、船など環境負荷の低い輸送手段に切り替えることをいいます。今回、ネスレは貨

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