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病んでても病んでなくても読める本「精神科医の本音」


精神病になったらもう人生終わりか?

腕に包帯を巻いてる好きな人をどこまでも追いかけ続ける女の子とか、「CIAや公安に電波で脳に直接攻撃されてる」と訴える人とか、スピリチュアルすぎて関わりたくない巻き込まれたくないと思うだろう

そんなどう関わったらいいかわからない人たちがどんな治療を受けているのかわかる本が「精神科医の本音」だ。本音だから患者に対して厳しい現実も書かれている。「そんなことで甘えんな」と精神的に病んでうずくまっている人に檄を飛ばしたことはあなたにはないだろうか


多種多様な病み方に精神科医はどう向き合っているのか

この本をサラッと読むだけでも

うつ病・うつ状態・抑うつ状態・双極性障害(躁うつ病)・パニック障害・睡眠障害・適応障害・摂食障害・不安障害・強迫性障害・社交不安障害・統合失調症・PTSD・解離性同一性障害(多重人格)・発達障害(ADHDや自閉スペクトラム症)・境界知能・知的障害・HSP・カサンドラ症候群・アルコール依存症・ギャンブル依存症・境界性パーソナリティ障害・反社会性パーソナリティ症・自己愛性パーソナリティ症

など違いがわからないぐらい病名・障害名がどんどん出てくる。うつと抑うつは違うらしいです?!?

主な主張は
何で病んでしまったのかの前後関係は複雑だから、医師によって診断名が違う。処方される薬の副作用は年々弱くはなっている。多くの薬を処方すればするほど実は医者側は損をするシステムがある。

だいたい患者に嫌われない程度に「こんなこともあるんですよ。本当にすみませんね。」と忠告している文体です。

病んでしまっていることをカミングアウトするべきか

この節が特に面白いです。

脳は臓器だから他の臓器と同じように弱る。弱りやすい心臓があるように弱りやすい脳もあるとのこと。私の家系は胆のう・膵臓・子宮の病気にかかっている人が多いです。だから、同じように脳が弱りやすい家系があるんだろうなと思いました。

それだけでなく、「脳が疲れる」感覚がわからない人がいるから全員が理解できるわけではないとそもそもの社会の前提の説明がありました。だから率先してカミングアウトすべきではないとのこと。

私は膵臓がぶっ壊れて1型糖尿病という自己免疫疾患に中学時代になりました。クラスのみんなの前で「私は1型糖尿病という病気になりました。」と丁寧にカミングアウトしたことがあります。そこまでする必要があるとは思いませんでしたけど。私の場合はハブられることはありませんでした。1型糖尿病は膵臓がぶっ壊れる、精神疾患は脳がぶっ壊れる。単純にそれだけです。

精神科医と精神疾患の患者が怖くなくなるかも!?

少なくとも精神科医は怖くなくなります。行っちゃいけない精神科もわかります。精神疾患の患者はたまに出てくる例が怖いですが、原因に虐待があるのかもしれないし残業のやりすぎがあるかもしれないと背景も説明があるのでその恐怖はマシにはなります

冷静さがないと精神科医はやっていけませんね。
いつもいつもありがとうございます。


精神科に通っている大学時代の友人が 何人かいる者より


著者 益田裕介のYouTubeチャンネルはこちら。これだけでも勉強になります。


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