貯金

【現代日本昔ばなし40】貯金男

 むかしむかし、あるところに、ちょきんまんが いました。

ちょきんまんは、まんたんに なれば 100まんえん たまる 500えんだまの ちょきんばこに、こつこつと ちょきんを していました。

ねるまえに さいふの なかに 500えんだまが はいっていたら ちょきんばこに いれ いたのでした。

 

 あるとき、ちょきんまんが あるいていると、

「おい、かね だせ。」

と、かつあげに あいました。

ちょきんまんは こわかったのですが、こう いいました。

「500えんだまは かんべん してください。500えんだま ちょきんを しているんです。100まんえん ためたいんです。」

かつあげは いいました。

「100まんえん ためて なにを するんだ。」

ちょきんまんは いいました。

「ためることが もくてき なので とくに きめては いません。」

「うるせい。」

かつあげは、ちょきんまんを なぐり、500えんだま だけを うばって いきました。


 そんなことが ちょいちょい ありながらも 60ねん かけて、ちょきんまんは ちょきんばこを まんたんに しました。

もう ちょきんばこの くちには 1まいも 500えんだまは はいりません。

ちょきんばこは ものすごい おもさです。

このしゅんかんの ために ちょきんまんは すべてを ぎせいに してきたのでした。

「よーし。」

わくわく しながら、ちょきんまんが ちょきんばこを もちあげたとき、

「ざーーーーー。」

ちょきんばこの そこが ぬけたのです。

500えんだまが あたり いちめんに とびちります。

「ああ、 ひろい あつめなければ。」

そのとき、

ぐらぐらぐらぐらぐらぐら

だいじしん です。

おじいさんと なった ちょきんまんは いのち かながら にげだしました。

ちょきんまんの いえは つぶれて しましました。

ちょきん するために いえを たいしん ほきょう して なかった からです。

「あーあ。」

ちょきんまんは がっかりしました。


 しかし、それとどうじに、いきるよろこびを しりました。

そして、 よせいを しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。

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