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【現代日本昔ばなし51】ボキンボキン

 むかしむかし、あるところに、けちな おとこが いました。

おとこは、1えんでも むだに したく ありません でした。

かといって なにかに つかう というわけでは なく、ただただ ちょきんを していました。


 あるとき いつのもの ように、つうちょうを ながめいたとき、ふと

「なにか ひとの やくに たつことに つかいたいなあ」

と おもいました。

そして、かんがえ つきました。

「ぼきんを しよう。」


 そのひいらい、おとこは ぼきんを しつづけました。

ぼきんばこを みかけたら かならず、ぼきんを しました。

まちなかの わけのわからない ぼきんばこを もって さけんでいる ひとたちにも、ぼきんを しました。

もちろん、こんびにの おつりも ぜんがく ぼきんです。

そして、おもいました。

「ぼきんは きもちが いいなあ。」

おとこは ぼきんの きもちよさに めざめて しまったのです。

もう、ぼきん せずには いられなく なって しまったのです。


 それから しばらくたって、せかいが、へいわに なりました。

だれも きふや ぼきんが ひつようない せかいが おとずれました。

もう、おとこには ぼきん する あいてが いなく なりました。

しかし、ぼきんせずには いられ ないのです。

そこで、おとこは じぶんへの ぼきんばこを さくせい しました。


 それからというもの、おとこは、じぶんへ ぼきん しつづけ、しあわせにくらしましたとさ。

めでたしめでたし。

 


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