胡麻擂り

【現代日本昔ばなし45】胡麻すり職人

 むかしむかし、あるところに ごますりしょくにんが いました。

ごますりしょくにんは、たにんにたいして ごまを することで せいかつ していました。

すきだろうが、きらいだろうが、かんけいなく ほめまくり ました。

ごますりしょくにんに かかると だれもが きを よく しました。


 あるとき、ごますりしょくにんは、 いつものように ごまを すっていました。

しかし、どんなに ごまを すっても あいてに まったく きかないのです。

そう、あいては、じぶんを ゆうめいじんと かんちがい している、きらきらけい じょし だったのです。

じぶのことを かだい ひょうか している にゅーじぇねれーしょんがゆえに、もう60を こえた ごますり しょくにんでは たいおう しきれなかったのです。


 そこに、よこから きんぱつの ちゃらい おとこが あらわれました。

そして、2、3ことはなしただけで、ゆうめいじんと かんちがいしている きらきらけい じょしを もちかえって しまったのです。

そのとき、ごますりしょくにんは いんたいを けつい しました。


 そのひから ごますり しょくにんは、そのきんぱつちゃらお を さがし はじめました。

そう、ごますりしょくにんは、きんぱつちゃらおを こうけいしゃに しようと おもったのです。

ごますりしょくにんは よるのまちを なんにちも さがし つづけました。

そして、ついに きんぱつちゃらおを みつけだしたのです。

「ようやく みつけたぞ。おまえは、2だいめ ごますりしょくにんと なるのだ。」

しょだいごますりしょくにんは かけよりました。

「は?まじ だりいし。いみふ。」

きんぱつちゃらおは あいてに しません。

そして、ずっと いいおんなを さがし つづけて いるのです。

「おまえは ごますりしょくにんに なる そしつが あるのだ。」

しょだいごますりしょくにんは、つめよります。

「は?うざ。」

きんぱつちゃらおは けげんそうな かおを しています。

「そんなことより なんぱ いってくるわ。」

きんぱつちゃらおは さっていきまいた。


 しょだいごますりしょくにんは おもいました。

「なんだ。あの がきは、おんなの ことしか かんがえとらん。わしに たいして けいいを はらうきも ないのか。」

そして、しょだいごますりしょくにんは きづきました。

「あの おとこは、ごますりしょくにん では ない。ただの おんな たらし なのだ。」


 じしんを とりもどした ごますりしょくにんは、そのひ いこうも しょだいごますりしょくにんとして、しあわせにくらしましたとさ。

めでたしめでたし。

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