チリン

【現代昔ばなし43】チリンチリン

 むかしむかし、あるところに、じてんしゃおばさんが いました。

じてんしゃおばさんは、じてんしゃなのに わがものがおで ほどうを つうこうし、ほこうしゃに あたりまえのように ちりんちりんを ならして いました。


 あるとき、じてんしゃおばさんが、いつものように たいりょうの かいものぶくろを ぶらさげて よろよろと ほどうを はしっていると、うしろから ちりんちりんと べるの おとが しました。

じてんしゃおばさんは おもいました。

「ちりんちりんを ならすなんて、なんて めいわくな やつだ。そもそも じてんしゃで ほどうを はしっては いけないのに。」

じてんしゃおばさんが ふと ふりかえると、そこには、じゃーじを きて まらそんを している おじさんが いました。

「あれ、おかしいなあ。じてんしゃ なんて いない じゃないの。」

そう おもいながら、じてんしゃおばさんは もういちど ふりかえって びっくり。

なんと、まらそん おじさんが てに ちりんちりんを もって いたのです。

そして、じてんしゃ おばさんと めが あった かと おもうと

「ちりんちりん」

と もういちど ならしたのでした。

じてんしゃ おばさんは、いらっと しました。

なので、

「ちりんちりんちりん」

と1かい おおく、べるを ならしました。

もちろん みちを ゆずることも しませんでした。

すると、まらそんおじさんは

「ちりんちりんちりんちりん」

と4かい ならしてくるでは ありませんか。

じてんしゃおばさんはまけじと

「ちりんちりんちりんちりんちりん」

とならします。

すると、どうでしょう。

こんどは まらそん おじさんが

「ちりんちりん」

と  くちで いってくるでは ありませんか。

びっくりした じてんしゃおばさんは

「ちりん」

と くちで いって しまいました。


 それから ふたりは けっこん しました。

そして、「ちりん」という なの こどもも うまれ ちりんちりん いいながら、しあわせに くらしましたとさ。

めでたしめでたし。


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