試食

【現代日本昔ばなし58】試食人

 むかしむかし、あるところに、ししょくにんが いました。

ししょくにんは、でぱーとや すーぱーで ししょくを するのが だいすき。

おおきときには、でぱちかの ししょくだけで ばんごはんを まかなえる ほど でした。


 あるとき、ししょくにんが いつものように きんじょの すーぱーの ういんなーを やいている おばさんの まえに ならんでいると

「おきゃくさん」

と こえがしました。

ふりかえると てんちょうさんでした。

「いっつも、たいりょうに ししょくして こまるんだよねえ。」

てんちょうさんは いいました。

しかし、ししょくにんも まけて いません。

「あたしは ししょく してるんです。おいし ければ かいます。しつが わるければ かいません。ただ それだけです。」

そう いうと かえって いきました。


 つぎのひ すーぱーに いくと、ししょくが なくなって いました。

ていねいにも

「しょじじょうに より ししょくは ちゅうし させて いただきます。」

の はりがみも はって ありました。

「ししょくが ないなんて ゆるせないわ。こんな すーぱー にどと いかないわ。」

そういって ししょくにんは かえって しまいました。


 つぎのひから ししょくにんは でぱちか に いくように なりました。

ここでは どんな ものでも ししょくできる からです。

ひととおり ししょくして おなか いっぱいに なった あと、ししょくにんは おもいました。

「でざーとが たべたいわ。」

しかし、おどろいたことに、でぱちかでは でざーとの ししょくは ぜんぜん おいて いないのです。

「どうしよう。そうだわ。」

ししょくにんは ちかくの てんいんさんに

「すみません、おかしが ししょく できるところを しりませんか?」

と たずねました。

てんいんさんは けげんそうに

「ししょくですか?おみやげやさんにでも いってください。」

とこたえました。

「そうだわ。おみやげやさんだわ。」


 そのひ いこう ししょくにんは、おかしが たべたくなったら、かたみち3じかん かけて かんこうちに いき、たらふく おかしを たべ、しあわせにくらしましたとさ。

めでたしめでたし。

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