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【現代日本昔ばなし42】自撮り棒人間

 むかしむかし、あるところに、じどりぼうにんげんが いました。

じどりぼうにんげんは、いろんな かんこうちや ふぉとすぽっとに いっては、じどりを していました。

しかも、ところかまわず、じどりぼうを つかっていたのです。


 あるとき、じどりぼうにんげんが いつものように、こんざつした すくらんぶる こうさてんで じどりぼうを つかって じどりを していると、かんこうきゃくに 

「すみません、しゃしんを とってください。」

といわれました。

じどりぼうにんげんは こたえました。

「じどりしか したこと ないので、できません。」

かんこうきゃくは いいました。

「それでは、この じどりぼうを つかって いっしょに しゃしん とりましょう。」

じどりぼうにんげんは こたえました。

「いいですよ。」

 

 しかし、じどりを しようと して びっくり。

なんど、じどりぼうが わけのわからない やすもの めーかーの しょうひんで、まったく うまく じどりが できないのです。

かんこうきゃくは いいました。

「じどりぼうにんげん なのに、がっかりだ。そんなんだから、うさぎみたいになる じどり しゃしんを SNSに あっぷすること しか できないんだ。」

じどりぼうにんげんは、おもいました。

「なんだ。このにんげんは。きゅうに でぃすってきて、ばかじゃないのか。やはり、じどりは ひとの こころを うつす かがみ なんだなあ。きをつけよう。」


 こうして、じどりぼうにんげんは、そのひいらい、さらに かこう しまくって げんけいのない まっしろな うさぎに なった じどり しゃしんを、あほみたいに SNSに あっぷ しながら、しあわせにくらしましたとさ。


めでたしめでたし。

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