部屋

【現代日本昔ばなし62】部屋が汚い女

 むかしむかし、あるところに、へやが きたない おんなが いました。

へやが きたない おんなは、なんでも ものを ためこむわりに、すてることも できず、 いえの なかは もので あふれかえって いました。


 あるとき、へやが きたない おんなが、きたない へやで てれびを みていると、

「へやが きたない ひとは だんしゃり を しましょう。こころも からだも すっきり しますよ。」

と いかにも あやしげな おばさんが いっていました。

へやが きたない おんなは

「たしかに。おもいきって すてて みるべきだわ。」


 そのひから へやが きたない おんなは だんしゃりを はじめたのです。

あらゆるものを すてて いきました。

たべかけの かっぷめんも、おとこに みついでもらった ねっくれすも、ちちおやの かたみの ぎんばも。

おかねも ちいも めいよも ぷらいども。


 へやが きれいに なった おんなは、こうえんで ぜんらで ぼーっと しているところを けいさつに ほごされました。

「わたしは すべてを すてて、ひととしての かいそうが 1らんく うえに あがったの」

と うわごとを いっていました。

そして、そういう しせつで しあわせにくらしましたとさ。

めでたしめでたし。


投げ銭お願いします!!