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これからのNFT

こんにちは。事業計画研究所です。

本日も「NFTの教科書」天羽健介/増田雅史(朝日新聞出版)の所感をレポートしていきます。

前回は、NFTと無形資産というテーマで話してきました。

今回は「これからのNFT」ということで、この書籍からの記事の締めくくりとしたいと思います。

NFTとメタバース

日本で仮想通貨の口座を持つ人は数百万人いるとされています。

ここ数年の間に、NFTは大きくその認知を広げてきていますが、まだ一般に広く知られているものとは言えないかと思われます。

そんなNFTですが、メタバース市場の盛り上がりもあり、さまざまな分野から注目を集めています。

メタバース内において、利用者はアバターを操作して空間内を移動し、現実世界と同じように労働をしてお金を稼ぎ、ものを買うことができます。

稼いだ対価は暗号資産やトークンで受け取ることができ、土地や家などのNFTを購入することができます。

仮想空間の新たな経済インフラといえるものになっているのです。

実際にNFTゲーム「Axie Infinity」はブラジルやフィリピンなどの新興国で人気のゲームとなっています。

NFTゲームについては、以前の記事でより詳しく述べています。

日本総合研究所によれば、2021年に入って市場は急拡大しており、1~3月だけで15億ドルとなり、20年(3.38億ドル)の4.4倍にも増加しました。

大手取引サイトOpenSeaによると、NFTの取引高は2021年8月に30億ドルと、1月比で570倍にまで膨らんでいます。

このように、NFT市場は今後もますます競争が激化していくことが予見されます。

NFTは一過性のブームに終わるのか

これだけ市場が盛り上がってきているNFTですが、やはり不安視する側面も抱えています。

米Twitterのジャック・ドーシーが2006年に最初に投稿したツイートがNFTとして競売にかけられ、約3億円の値がついたことをまねて、日本の著名人が自らのツイートをNFTにして1000万円超で売却することもありました。

他にもさまざまな人々がどうようの動きをしていますが、購入者の多くは転売目的の投機マネーと考えられます。

コロナ禍によって引き起こされた世界のカネ余りがビットコインをはじめとする暗号資産の時価総額を膨張させ、そこからあふれ出たマネーがNFT市場にも流れ込んでいます。

専門家は「NFT市場が安定成長を続けるには適正な価値をみつける市場に変わる必要がある」と指摘しています。

もうひとつ大事なことは、本記事でも多く話してきた法律の話です。

イノベーションが早すぎて、法律の整理が間に合っておらずさまざまな点で問題が起きてくることが安易に予想できます。

NFT自体の換金性によって、従来のゲームの形態では賭博法にも抵触する可能性すらでてきており、知らないうちに法律を犯してしまっていたということにもなりかねません。

まとめ

いかがでしたか?

NFTはまだまだ新しい分野の話とはいえ、時代の移り変わりが激しい中で悠長にもしていられないというところです。

大事なことはNFTは資産管理の仕組みであり、NFT自体に大きな価値を見誤ってはいけないということです。

もし、NFT自体が価値をもつと錯覚する人々が増殖しすぎてしまうと、NFTビジネスは短命に終わってしまうかもしれません。

とても長編になりましたが、今回の記事で「NFTの教科書」天羽健介/増田雅史(朝日新聞出版)については以上になります。

また次回の記事をお待ちください!

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