牛を馬に乗り換える #61 辞書の生き物
ウシをウマに乗り換える
歩くのが遅いウシを速いウマに乗り換えることから、様子を見ながら自分に都合のいいほうに切り替えること。または単純に条件の良い方を選択することとして使われます。昔は農作業や移動手段としてウシやウマがよく使われていましたので、このような表現が生まれたのでしょう。今だと、ガラケーをスマホに乗り換える感じでしょうか。
ウマをウシに乗り換える
逆の言い回しで、「馬を牛に乗り換える」がありますが、こちらは速いウマから、のろいウシに乗り換えることになりますので、すぐれたものを捨てて、悪いものに取り換えるたとえで、残念な結果になったというときに使われますが、やはりウシからウマに乗り換える言い方の方が多く使われているようです。
頭の体操
ウマを乗り換えると言えば、多湖輝氏の「頭の体操」に次のような問題がありました。
「二人の息子のどちらかに後を継がせようと考えた王様が、ゴールまで遅く着いた馬の持ち主を王にすると伝えた。馬で出かけた兄弟は途中までちんたら進んでいたが、ある人の一言で猛然と走り出した。なぜか?」
ネタバレですが、答えは「お互いの馬を交換したから」。この場合、早く着けば、自分の馬は遅いことになるわけです。頭の体操でした。
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