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馬鹿と煙は高いところへ上る #138 辞書の生き物

馬鹿と煙は高いところへ上る

 愚か者はおだてに乗りやすく、目立ちたがるものだという慣用句です。
煙は狼煙(のろし)のように立ち上るものですが、お調子者は危険な高いところに登るような無茶をしがちだというだという意味になります。

 愚か者として「馬鹿」、当て字ですが馬と鹿が使われています。馬と鹿が知恵が足らないということではなく、「バカ」はサンスクリット語で「無知」を意味する「マカ」の発音に漢字を当てたことでできた言葉のようです。

 また、馬や鹿は高いところに登る習性があるわけでもありませんが、野生の山羊(ヤギ)は崖などに暮らしており、高いところに登ります。
 その意味では、「馬鹿とヤギと煙は高いところに登る」でもよいかもしれません。
 ちなみに「狼煙:のろし」に狼(オオカミ)の字が使われているのは、乾燥させたオオカミのフンで火をおこすと煙がまっすぐ上がると言われており、狼煙に最適だとされていたことから当てられた漢字です。

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