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伝わるプレゼンを作り上げるために必要なたった1つのこと、あなたの答えは何ですか?

あるプロジェクトが最終報告フェーズに差し掛かり、チームの準備状況を確認するために進捗会議に臨んだときのことです。

この時、伝わるプレゼンをどのように作るかについて改めて考えさせられた経験をしました。

私はプロジェクトの品質管理を担当しており、プロジェクトマネージャーが作成したプレゼン資料のドラフトとその説明方法の確認をしていました。

その説明を聞いたときに違和感を覚えました。主張とその説明が分かりにくいと感じたのです。

スライド1枚1枚の説明はしているのですが、各スライドが主張したいことは何なのか、全体としてのストーリーが何なのか、話の流れが途切れているように感じ、伝えたいメッセージがぼやけてしまっているように思えました。

原因は、スライドとスライドの関係性が分かりにくいことにありました。

私たちはよく、スライドを作ることに多くの時間を費やし、それに合わせてストーリーを構築しがちです。実際にプロマネもこれまで作ってきたスライドに基づいて全体のストーリーを構築していました。

しかし、このアプローチには大きな落とし穴があります。

スライドはあくまで情報を視覚的にサポートするためのツールに過ぎず、実際に聞き手に響くのは、話す内容や語り口なのです。

スライドに合わせてストーリーを構築しようとすると、本来伝えたいメッセージが曖昧になり、ストーリーの一貫性が失われてしまいます。

そこで、私はプロジェクトマネージャーに「まず伝えたいメッセージを明確にし、それを中心にストーリーを組み立ててほしい」と伝えました。併せて、スライドは、そのストーリーを補完するためのものとして位置づけるべきと伝えました。

具体的には、伝えたいことを洗い出し、それを効果的に伝えるための論理的な流れを作成してもらいました。その後、ストーリーに合うスライドを選び、補足的な役割を持たせるように作り直してもらいました。

このプロセスを経て、主張がはっきりとし、スライドとストーリーの一貫性が生まれ、プレゼンテーションの質が格段に向上しました。

この経験から改めて学んだのは、プレゼンテーションの本質は「話すこと」そのものにあり、スライドはその補助に過ぎないということです。

話す内容がしっかりしていれば、スライドが少々不完全でもメッセージは伝わります。逆に、スライドばかりにこだわってしまうと、話の流れがスライドに引っ張られてしまい、重要なメッセージが埋もれてしまうことがあります。

プレゼンテーションを準備するときには、まず自分が本当に伝えたいことは何かを明確にし、それをストーリーとして形作ることを意識すべきです。

そうすることで、話す内容がより明確になり、聞き手に響くプレゼンテーションができるはずです。そして、そのストーリーを補完するためのスライドを、サポート役として作成してみてください。

私たちはスライドを作ると、そこにストーリーがすでにあると思い込んでしまいがちです。スライドから一旦離れ、伝えたいことの本質に立ち返り、常にその視点から考えることを徹底したいと思います。

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