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『大きくなる日』(著者:佐川光晴)は武蔵中、立教池袋中など複数校で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容を紹介します!

■『大きくなる日』(著者:佐川光晴)について

この本は、横山家を中心に連作短編集となっています。

  • 第1話 「ぼくのなまえ」語り手は保育園を卒園する横山太二

  • 第2話 「お兄ちゃんになりたい」語り手は健斗小学3年生
    →このとき、太二も小学3年生

  • 第3話 「水筒のなかはコーラ」語り手はマリルウ(ロニー小学3年生の母)
    →このとき、太二も小学3年生

  • 第4話 「もっと勉強がしたい」語り手は横山弓子中学3年生(太二の姉)
    →このとき、太二は小学5年生

  • 第5話 「どっちも勇気」語り手は川村亮平(浩平の父でサッカーコーチ)
    →このとき、太二は小学5年生

  • 第6話 「保育士のしごと」語り手は中村満里子

  • 第7話 「四本のラケット」語り手は中学1年生テニス部の横山太二

  • 第8話 「本当のきもち」語り手は中学2年生の伊吹良子
    →このとき、太二は中学3年生で良子の憧れの先輩

  • 第9話 「やっぱり笑顔」語り手は横山仁美(太二の母)
    →このとき、太二は中学3年生で卒業

の構成となっています。
子どもの視点から書かれた章と、大人の視点から書かれた章があるので、小学生は子どもの視点から書かれたところ(第1、2、4、7、8話)を読んでみてはどうでしょうか。抜粋で読んでも話の内容がわからなくなることはありません。
横山太二君が主人公ですが、そうは言っても、第1、7話が語りで、第8話と第9話でかなり出てきますが、他はあまり関係ありません。

入試でも、第2話、第4話、第7話が出題されています。

題名通り、まさに「大きくなる日」を表したお話です。大人も子どももこういう時に学んで成長するんだなと納得してしまう作品です。

少しだけ紹介します。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。

■簡単なあらすじ

●第2話「お兄ちゃんになりたい」

横山太二君が小学校3先生のときのお友だち、健斗君のお話です。
健斗君のお母さん方のおばあちゃんが入院することになって、お母さんが病院に泊まるようになってから、お父さんとお母さんの仲が悪くなってしまいます。そのおばあちゃんが自宅介護となって、家に戻ってくることになり、お母さんは健斗君とおばあちゃんの家に泊まることにしますが、健斗君はお父さんも一緒に泊まるように誘います。はたして、お父さんもおばあちゃんの家に来てくれるでしょうか。

●第4話「もっと勉強がしたい」

太二君の中学3年生の姉弓子が語っています。このとき、太二君は小学校5年生でした。

弓子は小学校のときに、自分から中学受験をしたいと両親に言って、1校だけ難関校を受験し合格しました。その合格した私立中学に入学し通っていたのですが、弓子は次第に居心地の悪さを感じるようになります。私立の伝統校で、裕福な家庭の子が多い中、自分はこの学校にふさわしくないのではないかと。そしてついに、中3の定期テストで、書いた答えを全部消して提出してしまうのです。学校の先生から連絡を受けた父は激怒します。弓子は父にどう答えていいかわからず、「今まで育ててくれて、ありがとうございました。」と言い残し、外へ出て行ってしまいます。この後、弓子はどうなってしまうのでしょうか。

●第7話「四本のラケット」

太二君が中学1年生の時に、太二君自身が語っています。

太二は小学校の頃からテニスの腕前をぐんぐんあげていて、中学ではテニス部に入っています。テニス部では1年生が昼休みにコートならしをすることになっていますが、1年生24人でグーパージャンケン一発勝負をし、人数の少ない側になった人たちが整備するという決まりでした。影で相談して誰か1人だけをはめるのはなしだと、先輩から言われていたのですが、ある日、武藤の提案で末永1人をはめることになってしまいます。太二は武藤の言いなりになったことを後悔し、こんなことが続くようになってしまったらと悩みます。さて、テニス部の1年生はその後どうするのでしょうか。

2017年度武蔵中学校2017年度第1回立教池袋中学校2017年度第1回立教新座中学校2017年度第1回日本女子大学附属中学校2018年度第1回三輪田学園中学校2019年度第1回カリタス女子中学校で出題されました。

◆2017年度武蔵中学校の国語の入試問題

「第2話 お兄ちゃんになりたい」からのみの出題です。設問形式は、慣用句が1問、漢字が1問、自由記述問題が4問、登場人物から家族の系譜を答える問題が1問の全部で7問でした。

◆2017年度第1回立教池袋中学校の国語の入試問題

大問2番で「第7話 四本のラケット」から出題されました。大問1番は随筆文、大問3番も随筆文、大問4番が漢字、大問5番が詩で、大問5番まででした。

末永君1人をはめてしまった翌日に1年生の部員たちの顔が緊張で青ざめていたのはなぜかという問題などが出題されました。

この大問2番が一番文章量が多く、設問も記述問題が多く、難しい問題でした。設問形式は、抜き出しが4問、自由記述が2問、50字の記述問題が1問でした。

◆2017年度第1回立教新座中学校の国語の入試問題

大問2番で「第7話 四本のラケット」から出題されました。大問1番は論説文で、大問2番まででした。

この大問2番の設問形式は、漢字が1問、語句の意味が1問、抜き出しが1問、脱文挿入が1問、4択の記号選択問題が3問、字数制限つき記述問題が2問で全部で9問の出題でした。

◆2017年度第1回日本女子大学附属中学校の国語の入試問題

大問1番で、「第4話 もっと勉強がしたい」から、途中略されながら、全文の意味がわかるようにまとめられて出題されました。第4話では、太二の姉弓子が中学3年生になって、テストで間違った答えを書いて提出し、母が学校に呼び出され、その後の横山家の騒動が描かれています。
大問2番は論説文です。

弓子が定期テストで、書いた答えを全部消してしまったときの気持ちを家族と学校の2点から考えて説明するという問題などが出題されました。

大問1番の設問形式は、適語補充が3問、漢字が1問、3字熟語が1問、段落を経験した順番にならべかえる問題1問、字数制限つき記述が1問、自由記述が4問で全部で13問の出題でした。

◆2018年度第1回三輪田学園中学校の国語の入試問題

この「大きくなる日」からのみの出題です。「第7話 四本のラケット」から19ページあるうちの中略を挟んで、約12ページ分が出題されました。「中学1年生の横山太二はテニス部で、昼休みのコート整備は1年の役目だった。1年の中でその仕事をする決め方が問題で、太二は悩み続けるが...」という場面が出題されました。

設問形式は、漢字読み書き1問ずつ、適語補充2問、語句の意味1問、4択の記号選択が4問、5択から2つ選ぶ問題が4問、場面指定が1問、抜き出しが5問、字数制限つき記述問題が3問で出題されました。

◆2019年度第1回カリタス女子中学校の国語の入試問題

この「大きくなる日」から「第7話 四本のラケット」から大問2番で出題されました。最初に点線枠で、「テニス部ではグーパージャンケンによってコート整備を決め、末永以外の1年生全員で最初に話し合い、末永が1人でコート整備をするようにはめた」という説明があり、太二がどうすべきか悩んでいるシーンから始まります。
大問1番は説明的文章でした。

この大問2番の設問形式は、漢字の書きが1問、適語補充が1問、5択の記号選択が2問、6択から2つ選ぶ記号選択問題が1問、自由記述問題が2問、30字制限つき記述問題が1問で全部で8問出題されました。

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