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『反撃』(草野たき)は法政大学第二中、女子美大付属中、恵泉女学園中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容、あらすじを紹介します!

■『反撃』(著者:草野たき)について

この本は

  • 神様の祝福

  • ヒーロー

  • いつかふたりで

  • ランチタイム

  • さつきさん

の5編からなる中学生の女の子が主人公の短編小説集です。でも、どのお話にも主人公のその後が最後の部分に描かれていて、それがそれぞれのお話と関わっていて面白いです。

どのお話も、自分って何だろう?とか、自分と親、自分と友達の関係がしっかり見え始めて、それがすごく嫌になったりする中学生の女の子たちの気持ちが赤裸々に綴られています。

中学生にはぜひ読んでもらいたいですが、小学生でも楽しく読める作品です。

詳しいあらすじを最後に書いています。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)

2014年度第1回女子美術大学付属中学校2018年度第1回法政大学第二中学校、2021年度第2回恵泉女学園中の国語の入試問題で出題されました。

◆2014年度第1回女子美術大学付属中学校の国語の入試問題

大問1番で、「いつかふたりで」からほぼ全体がわかるような感じで、途中何度も中略が入りながら、出題されています。大問2番は熟語の問題なので、50分をほぼこの「いつかふたりで」に費やす形となります。

大問1番の設問形式は、語句の問題が1問、漢字が1問、抜き出しが3問、4択の記号選択問題が3問、自由記述の問題が7問の全部で15問でした。

◆2018年度第1回法政大学第二中学校の国語の入試問題

大問3番で、「いつかふたりで」から前半部分が単行本で10ページ弱出題されました。大問1番は漢字の読み書き、語句の意味、対義語の問題、大問2番は論説文で大問3番まででした。

大問3番の設問形式は、語句の問題が1問、4択の記号選択問題が5問、5択の記号選択問題が1問、抜き出しが1問の全部で8問でした。

◆2021年度第2回恵泉女学園中学校の国語の入試問題

大問1番で、「いつかふたりで」から出題されました。
大問2番は説明文で、大問3番は漢字の書き取り(3問)が出題され、大問3番まででした。

この大問1番の出題形式は、慣用句が1問、記号選択の語句の挿入が2問、語句の挿入が1問、4択の記号選択問題が3問、自由記述問題が3問で全部で10問でした。
自由記述問題は、有里の気持ちを問う問題が2問と、「有里が母を見てせつなくなったけど、止められなくなってしまう」とはどういうことかを問う問題でした。

●「神様の祝福」あらすじ(ネタバレ)

森田真奈美は、小さい頃から入退院を繰り返すほど喘息がひどく、運動らしい運動をしたことがなかった。中学になって引っ越した場所が体に良く回復したため、憧れのバドミントン部に入部する。自主トレを続け、中2の秋の新人戦でギリギリレギュラーを取るが、冬の大会では、一年生に抜かされ、レギュラーになることができなかった。退部届を試しに出してみても、誰も止めてくれる人もなく、そのまま退部となる。

今度は、演劇部でコンクールのために臨時で役を引き受ける。コンクールで無事大役をこなすが、なんの賞ももらえず、臨時部員の役目は終了となる。中3の夏休み、塾の夏期講習に参加して、彼氏をゲットしようと目論むが、耳が聞こえないということを知らず、男の子を付け回し、それが噂にまでなってしまって、散々な結果となる。

受験は第一志望の公立に合格し、卒業式では、卒業証書をもらってすぐビリビリ破るが、中学の校舎を見て、ここで過ごした中学生活に後悔なく卒業する。そして、その後の真奈美は、シンガーソングライターになると決めて、路上ライブを行う。

●「ヒーロー」あらすじ(ネタバレ)

河上里美は、小6のときに学級崩壊を経験したため、自らデブをネタに使い、クラスの6つの女子グループのどこにも所属せず、あえて無所属を通し、クラス平和を保っている。

ある日、自分の席の机の中に、つきあってほしいという手紙が入っている。みんなにイタズラと思われているが、次の日も手紙が入っていて、「きみは無理をしている」とまで書いてある。里美は無理をしているのではないのに、そんなことを書かれ、調子が出ない。手紙は続き、里美は本当に気持ちが悪くなり、保健室へ行って寝ていると、そばに稲葉修一が座っていた。彼が犯人だったのだ。しかし、稲葉修一は本気で里美に告白し、自分もチビでダサくて、運動神経も悪く、笑いものになるのにいいカップルだと言う。里美はムッとするが、よく考えると確かに面白いカップルであり、クラス平和のためになると。そして、里美は将来小学校の先生になろうと決心する。

●「いつかふたりで」あらすじ(ネタバレ)

佐々木有理は毎年8月半ばに、新潟のおばあちゃんのところに母と2人で行く。一緒に住んでいる母の姉に当たる光子おばさんの娘、1つ年下の千絵ちゃんと会うのが憂鬱だった。千絵ちゃんは毎年持っていくおみやげにケチをつけ、ゲームをやっても自分が勝たないといやで、有理はいつもいいなりにさせられる。今年はいいなりにならないと決め、有理の方からいじわるを言うと、千絵ちゃんは部屋から出てこない。

あるとき、千絵ちゃんが怒った顔で一人で帰ってくるのを見て、母に千絵ちゃんに謝るように言われる。有理は、母は自分の子どもはいい子に育っていることを祖母や光子おばさんに示したくて、有理にばかり千絵に気づかうように言っていると主張する。母は有理に謝り、有理も千絵ちゃんに本当の気持ちを伝えに行く。帰るときに、千絵ちゃんが初めて、肌の弱い有理のことを思って、肌荒れに効く石鹸をプレゼントする。有理は千絵ちゃんと、今度は千絵ちゃんが東京に来るように約束して別れる。

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